用語集「し」|用語集「し」なら宮城県仙台市のホットハウス

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CRE

Corporate Real Estate の略で、「企業不動産」をいう。

企業は、事業のために事務所、店舗、工場、福利厚生施設など各種の不動産を所有・賃貸借しているが、それらすべての不動産がCREである。

CREが注目されているのは、企業経営において、不動産の活用によって企業の価値を高めることができるという認識が高まったことによる。この場合、不動産の売買や賃貸借だけを考えるのではなく、経営戦略の一環として不動産を活用することが重要であるとされ、そのような視点で企業不動産を運用することを「CRE戦略」という。

そのような業務を実施するためには、企業経営と結びついた不動産マネジメントの能力が必要であるとされている。

GIS

Geographic Information Systemsの略で、地理情報を総合的に管理し、視覚的に表示し、高度な分析や迅速な判断を可能にする技術をいう。

「地理情報システム」と訳される。

GISを活用することによって、位置・空間に関する情報を含む各種のデータを地図データとして統合し、加工・分析することができる。阪神・淡路大震災において、関係機関が保有していた情報を効果的に活かすシステムがなかったことへの反省等をきっかけに、GISの活用を促進する取組みが始まった。

CMBS

Commercial Mortgage Backed Securitiesの略。商業用不動産ローン担保証券などと呼ばれることもある金融商品の一つである。事務所、ショッピングセンター、ホテルなど非居住用不動産に対するノンリコース(求償権を担保物権以外には遡及しない)の貸付債権を担保にして発行される。

通常、複数のローン債権をプールし、しかもリスクとリターンの大きさに応じて切り分けたうえで(切り分けられたローンの固まりをトランシェという)証券化されるため、住宅ローン債権を担保とするRMBS に比べて、複雑な金融商品となる。

CCS(二酸化炭素回収貯留、Carbon Capture and Storage)

大規模な排出源から分離・回収した二酸化炭素を、地層や海洋に貯留・吸収することをいう。

これによって、排出される二酸化炭素が大気から隔離され、二酸化炭素濃度の安定化を図ることができるとされる。

例えば、回収した二酸化炭素を油田に封入することによって、大気からの隔離とともに、油田の内圧を高めて採掘効率を上げる試みがなされている。ただし、技術的な安全性やCCS事業に伴う環境影響についてなお検証が必要であるとされ、CCSによる貯留量は京都議定書で定める削減量として認められていない他、CCS事業は排出量取引における排出削減プロジェクトとしても認知されていない。

GPS

Global Positioning Systemの頭文字を取ったもの。「地球測位システム」と訳される。

人工衛星から電波を発信し、電波を発信した時刻とその電波を受信した時刻との差を計算することによって、受信者と人工衛星との距離を割り出し、さらに複数の人工衛星について同様に距離を割り出すことにより、受信者の現在位置を知ることができるという位置測定技術。もともとは冷戦時代に米国国防総省が開発した軍事技術である。そのため民生用に使用されている人工衛星の電波は精度が低く、位置測定において最大100mの誤差が生じるといわれている。

こうしたGPSの精度の問題点を克服するため、1997年12月にわが国の科学技術庁(現・文部科学省)航空科学研究所では「リアルタイム・キネマティック」方式という新しいGPS技術を開発した。この方式は頭文字を取って、RTK-GPSとも呼ばれている。
RTK-GPSでは、あらかじめ位置が正確にわかっている位置基準点と、移動可能な受信機が、ともにGPS衛星からの電波を受信する。それと同時に、位置基準点から受信機へと無線により補正用のデータが送信される。こうして、受信機側では位置のずれを自動的に修正し、受信機の正確な位置を高精度で測定することができる。その誤差はわずか数cmで、精度は通常のGPSのおよそ1,000倍に達する。
そのため、土木・建築の測量においても、RTK-GPS受信機を使用することにより、カーナビのような感覚での精密測量が可能となる。また、RTK-GPSはリアルタイムで高精度の位置情報が得られることから、高度道路交通システム(ITS)への応用が期待されている。

こうしたRTK-GPSを活用するには、RTK-GPS用の受信機が普及すると同時に、あらかじめ位置が正確に分かっている位置基準点が多数整備されることが必要である。この点について、国土交通省国土地理院は2002年度から3年計画で、RTK-GPSに対応する「電子基準点」の整備を進めている。電子基準点は高さ約5mのステンレス製の塔で、アンテナ、受信機および通信用機器で構成される。電子基準点の位置は毎日精密に測定され、地殻変動によるずれが補正されている。このような電子基準点の位置情報をリアルタイムで提供するサービス(「GPS民間活用基盤」という)も、一部地域ですでに稼動している。

こうしたRTK-GPSの実用化に伴って、95年から各省庁が連携して検討を進めてきたGIS(Geographic Information Systems:地理情報システム)の推進にも拍車がかかるものと予想される。
GISでは「世界測地系」に準拠した地図情報の集積が必要となるが、RTK-GPSは「世界測地系」に準拠したデータシステムである。しかも、RTK-GPSでは前述のように高精度の測量が可能となるので、これまで困難とされてきた各種の地図情報を統合するデータベースの構築が進展するものと期待されている。

シーリングファン(天井扇)

天井に取り付ける回転羽根をいう。

室内の空気を循環させて、上下の温度差を少なくする機能を発揮する。天井扇ともいわれる。

風量を調節したり、羽根の回転にゆらぎを加えたりできるものもある。また、実用性だけでなく、室内装飾としての効果もあるとされる。

地上げ

事業用地を確保するために、不動産会社が土地などを購入することをいう。

自らの事業のための購入のほか、依頼を受けて土地等を買収することも含まれる。買収を依頼されたときの方法には自ら買収した後依頼者に転売する場合と、依頼者の買収を媒介する場合とがある。

地上げの目的は土地を事業の用に供することであり、そのために必要となる、地上権の解消、家屋の撤去、借家人の立ち退きの実現などもその業務に含まれる。また、権利関係が複雑な市街地の開発などにあたっては、その調整等のため専門的な能力が要請されることもある。

公共事業のための用地買収も地上げと類似するところがあるが、買収価格は用地補償基準従って決められた価格でなければならず、最終的には土地収用に至ることなど、その性質は異なる。

シェアハウス

複数の居住者・家族が一定の生活空間を共用する住宅をいう。一般に、台所、浴室、居間などを共用し、居住者同士のコミュニケーションが生まれることとなる。賃貸住宅として供給されているが、居住スタイルの選択肢の拡大に応える住宅形態のひとつである。

JREIT

不動産投資信託のことで、アメリカのREIT(Real Estate Investment Trust)の日本版であることから、JREITと呼ばれる。

不動産を買収、賃貸して収益を得る専門の会社(投資法人)または同様の機能を担う信託会社が証券を発行し、金融商品として取引される。その発行主体がJREITであり、それぞれが運用する不動産の種類やその構成は異なる。証券は発行主体ごとに流通するが、証券取引所に上場されているものも多い。需給に応じて、その取引価格も日々変動する。

株式会社の利益の源泉は事業による収益であるが、JREITの利益は、不動産の賃貸や売買による収益から得られる。その収益は、課税されることなくほぼそのまま投資家に分配されることが特徴である。株式投資とJREIT投資とを比較すれば、株式会社、株券、株価、配当金に当たるのが、それぞれ、投資法人(または信託)、投資証券、投資口価格、分配金と考えてよい。

不動産の証券化の手法として中心的な役割を果たしており、平成12(2001)年9月に初めて上場されたがその後急速に拡大し、金融市場において一角を占めるに至っている。

ジェットバス

浴槽の中の穴から気泡を含んだ湯を勢いよく噴出し、マッサージ効果を発揮する風呂のこと。

市街化区域

都市計画によって定められた、すでに市街地を形成している区域およびおおむね10年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域をいう。

一定の都市計画区域について、都道府県知事が区域区分を決定することによって定まる。

市街化区域内では、必ず用途地域が指定されている。

市街化調整区域

都市計画によって定められた、市街化を抑制すべき区域をいう。

一定の都市計画区域について、都道府県知事が区域区分を決定することによって定まる。

市街化調整区域内で土地の区画形質の変更をする場合には、原則として許可を要する(開発許可)。そして開発許可に当たっては特別な事情にある場合を除いて住宅のための宅地造成等は許可されないなど、市街化調整区域内での開発・建築行為を抑制する規制が適用される。

市街地開発事業

市街地を開発または整備する事業のこと。

具体的には、都市計画法第12条に掲げられた次の6種類の事業を「市街地開発事業」と呼ぶ。

1.都市再開発法 による「市街地再開発事業」
2.大都市地域における住宅および住宅地の供給の促進に関する特別措置法による「住宅街区整備事業」
3.土地区画整理法による「土地区画整理事業」
4.新住宅市街地開発法による「新住宅市街地開発事業」
5.首都圏の近郊整備地帯および都市開発区域の整備に関する法律による「工業団地造成事業」または近畿圏の近郊整備区域および都市開発区域の整備及び開発に関する法律による「工業団地造成事業」
6.新都市基盤整備法 による「新都市基盤整備事業」

1)市街地開発事業の決定主体
市街地開発事業は、市街地を開発・整備する事業であり、原則として都道府県知事が主体となって都市計画として決定する(ただし比較的小規模な「市街地再開発事業」「住宅街区整備事業」「土地区画整理事業」については市町村が決定する(都市計画法施行令第10条)。

2)市街地開発事業を定めることができる土地
市街地開発事業は、市街化区域または区域区分が定められていない都市計画区域(いわゆる非線引き区域)においてのみ定めることができる(都市計画法第13条第1項第12号)。

3)建築等の制限
市街地開発事業が都市計画として決定されると、その市街地開発事業が実行される土地(これを「市街地開発事業の施行区域」という)では、その事業の妨げになるような建築物の建築等が厳しく制限される(詳しくは市街地開発事業の施行区域内の制限へ)。

4)施行予定者を定めたとき
上記4.5.6.の市街地開発事業については、都市計画で「施行予定者」を定めることが可能である(都市計画法第12条第5項)。
「施行予定者」を定めた場合には、原則として2年以内に都市計画事業の認可を申請しなければならない(都市計画法第60条の2)。
また、いったん施行予定者を定めた以上は、施行予定者を定めないものへと計画を変更することは許されない(都市計画法第12条第6項)。

市街地開発事業等予定区域

市街地開発事業や都市施設に関する都市計画が将来的に策定されることが予定されている区域のこと。

具体的には、次の6種類の予定区域が法定されている(都市計画法第12条の2)。

1.新住宅市街地開発事業の予定区域
2.工業団地造成事業の予定区域
3.新都市基盤整備事業の予定区域
4.区域の面積が20ha以上の一団地の住宅施設の予定区域
5.一団地の官公庁施設の予定区域
6.流通業務団地の予定区域

1)予定区域の趣旨
市街地開発事業等予定区域とは、3年以内に「市街地開発事業に関する都市計画」または「都市施設に関する都市計画」(以下「本来の都市計画」と呼ぶ)が決定される区域である。
つまり、市街地開発事業等予定区域は、「本来の都市計画」が決定されるまでの暫定的な区域であるということができる。
通常の場合、事業や施設に関する都市計画を決定するまでには詳細な計画策定が必要であるが、その策定期間内に買い占めや、無秩序な開発などの現象が発生する恐れある。そこで、先に「予定区域」を定めることによって、そうした問題を回避することが意図されている。なお、予定区域を定める主体は都道府県である(都市計画法第15条第1項第7号)。

2)予定区域から本来の都市計画への移行
上記1)で述べたように予定区域は、あくまで暫定的な区域であるので、本来の都市計画への移行が法律で義務付けられている。具体的には、予定区域に関する都市計画の告示があった日から3年以内に、市街地開発事業または都市施設に関する都市計画(本来の都市計画)を定めなければならない(都市計画法第12条の2第4項)。
3年以内に本来の都市計画が決定されると、その後2年以内に都市計画事業の認可の申請がされて、いよいよ市街地開発事業や施設の整備事業が実際に施行されることになる(都市計画法第60条の2)。

3)予定区域から本来の都市計画へ移行しなかったとき
もしも3年以内に本来の都市計画が定められないときは、予定区域は効力を失う(都市計画法第12条の2第5項)。
このようにして予定区域が効力を失ったことにより損害を受けた土地所有者等がある場合には、本来の都市計画の決定をすべき者(原則として都道府県)がその損失を補償しなければならない(都市計画法第52条の5第1項)。

4)施行予定者
予定区域では「施行予定者」を必ず定めなければならない(都市計画法第12条の2第3項)。施行予定者とは、市街地開発事業や施設の整備事業を将来的に施行する予定の者であり、国の機関・地方公共団体・そのほかの者から選ばれる(都市計画法第12条の2第3項)。
この予定区域における施行予定者は、上記2)のように「本来の都市計画」が決定される際には、「本来の都市計画」における施行予定者へとそのまま移行する(都市計画法第12条の3)。

5)予定区域内での建築等の制限
上記1)で述べたように、予定区域では開発・買い占めなどを防止する必要があるので、予定区域内では建築物の建築等が厳しく制限される(詳しくは市街地開発事業等予定区域の区域内の制限へ)。

6)市街地開発事業に関する予定区域を定めることができる土地
市街地開発事業に関する予定区域(上記1.2.3.)については、市街化区域または区域区分が定められていない都市計画区域(いわゆる非線引き区域)においてのみ定めることができる(都市計画法第13条第1項第13号)。

市街地開発事業等予定区域の区域内の制限

都市計画の告示があった日から、市街地開発事業等予定区域において適用される制限のこと。

なお、「施行予定者」が定められている都市施設、「施行予定者」が定められている市街地開発事業についても同一の制限が適用される(詳しくは下記7.へ)。

1.趣旨
市街地開発事業等予定区域の都市計画が告示されると、その告示の日から3年以内に都市施設または市街地開発事業に関する「本来の都市計画」が決定される。さらにその後2年以内に、都市計画事業の認可が申請されなければならない。
従って、市街地開発事業等予定区域では早い時期に、都市施設整備事業・市街地開発事業に係る工事等が実際に開始される。
そこで、市街地開発事業等予定区域では、こうした近い将来の事業の実行に対して障害となる恐れのある行為を厳しく制限することにしているのである。

2.制限のあらまし
都市計画の告示があった日以降、次の1)および2)の制限が課せられる。その反面、次の3)により土地所有者は土地の買い取りを要求することができる。
1)建築物の建築、工作物の建設、土地の形質変更の制限(下記3.4.へ)
2)施行予定者による「土地建物等の先買い」(下記5.へ)
3)土地所有者から施行予定者に対する「土地の買取請求」(下記6.へ)

3.建築物の建築、工作物の建設、土地の形質変更の制限
都市計画の告示があった日以降、建築・建設・土地の形質変更を行なうには知事(指定都市等では市長)の許可が必要である(都市計画法第52条の2第1項)。この許可について次の点が重要である。
1)建築物の建築には知事(指定都市等では市長)の許可が必要。なお、ここでいう「建築」とは「新築、増築、改築、移転」を指す(都市計画法第4条第10項)。
2)工作物の建設、土地の形質変更(宅地造成等)にも知事(指定都市等では市長)の許可が必要。
3)容易に移転除却ができる建築物や都市計画に適合した建築物であっても、知事(指定都市等では市長)は建築を不許可とすることができる。
4)軽易な行為などを行なう場合には、知事(指定都市等では市長)の許可は不要(下記5.へ)。

4.許可が不要とされる要件
管理行為・軽易な行為、非常災害のため応急措置として行なう行為、都市計画事業の施行として行なう行為については、許可が不要である(都市計画法第52条の2第1項但書)。
管理行為・軽易な行為としては、「車庫、物置その他これらに類する附属建築物(木造で2階以下かつ地階を有しないものに限る)の改築または移転」などが定められている(都市計画法施行令第36条の2)。

5.土地建物等の先買い
土地建物等の有償譲渡(※)をしようとする者は、事前に施行予定者(国の機関・都道府県・市町村・その他の者)に届出をしなければならない。施行予定者は、この届出のあった土地建物等を優先的に買い取ることができる。 この先買い制度は、施行予定者が先買い制度に関する公告を行なった日の翌日から10日を経過した日から適用される(都市計画法第52条の3)。
(※)ここでいう「土地建物等の有償譲渡」とは「土地の有償譲渡」または「土地と建築物等を一体とした有償譲渡」を指す。従って、建築物のみを有償譲渡する場合には、先買い制度は適用されない。また有償譲渡とは「売却」「交換」を指す。

6.土地の買取請求
土地所有者は、施行予定者(国の機関・都道府県・市町村・その他の者)に対して、土地を時価で買い取るべきことを、いつでも請求できる。
ただし、その土地に建築物・工作物・立木法により登記された立木がある場合には、この買取請求ができない。また、その土地に他人の権利(地上権・賃借権・抵当権など)が設定されている場合にも、この買取請求ができない(都市計画法第52条の4)。

7.「施行予定者」が定められている都市施設・市街地開発事業について
「施行予定者」が定められている都市施設、「施行予定者」が定められている市街地開発事業については、都市計画法第60条の2第1項の規定により、都市計画の告示から2年以内に都市計画事業の認可を申請しなければならない。このため、厳しい制限を課す必要があるので、上記2.から6.とまったく同一の制限が課せられている(都市計画法第57条の2から第57条の5まで)。
(なお、施行予定者が定められていない都市施設・市街地開発事業については「都市計画施設の区域内の制限」「市街地開発事業の施行区域内の制限」を参照のこと)

市街地開発事業の施行区域内の制限

都市計画の告示があった日から、都市計画で定められた市街地開発事業の施行区域(※1)において適用される建築制限のこと。

1.趣旨
都市計画の告示(都市計画法第20条第1項)により市街地開発事業の都市計画が正式に効力を生ずると、その市街地開発事業の施行区域内では、近い将来において市街地開発事業に関する工事等が実行されることとなる。
そこで、こうした将来の事業の実行に対して障害となる恐れのある行為(建築行為)は原則的に禁止しておくのが望ましい。このような理由により、都市計画の告示の日以降は、市街地開発事業の施行区域では下記2.から6.の建築制限が適用されるのである。
(なお、都市施設の区域でも下記2.から6.と同一の建築制限が行なわれる。「都市計画施設の区域内の制限」参照)

2.建築制限のあらまし
都市計画の告示があった日以降、市街地開発事業の施行区域において、建築物を建築するためには知事(指定都市等では市長)の許可が必要である(都市計画法第53条第1項)。この許可について次の点が重要である。
1)建築物の建築には許可が必要。ここで建築とは「新築、増築、改築、移転」を指す(都市計画法第4条第10項)。
2)土地の形質変更(宅地造成等)は許可が不要。工作物の建設も許可が不要。
3)容易に移転除却ができる建築物や都市計画に適合した建築物については、知事(指定都市等では市長)は必ず建築を許可しなければならない(下記3.へ)。
4)軽易な行為などを行なう場合には、知事(指定都市等では市長)の許可は不要(下記4.へ)。
5)知事(指定都市等では市長)が指定した土地(これを「事業予定地」という)では、上記ウ)が適用されない(下記5.へ)。
6)市街地開発事業の都市計画に「施行予定者」が定められている場合には、さらに厳しい制限が課せられる(下記6.へ)。

3.建築が許可される要件
市街地開発事業の施行区域内の建築制限は、将来の事業の実行において障害になるような建築を排除する趣旨であるので、障害にならない建築については知事(指定都市等では市長)は必ず許可をしなければならない。
具体的には、次の1)または2)のどちらか一方に該当すれば必ず許可される(都市計画法第54条)。
1)都市計画に適合すること(※2)
2)建築しようとする建築物の主要構造部が木造・鉄骨造等(※3)で、階数が2階以下で地階を有しないものであり、かつ容易に移転しまたは除却できること

4.建築許可が不要とされる要件
管理行為、軽易な行為(※4)、非常災害のため応急措置として行なう行為、都市計画事業の施行として行なう行為については、建築の許可が不要である(都市計画法第53条第1項)。

5.事業予定地について
4種類の市街地開発事業の施行区域内の土地はすべて「事業予定地」と呼ばれる(都市計画法第55条第1項)(※5)。この事業予定地では、上記3.の要件を満たす建築であっても不許可となる場合がある(詳しくは事業予定地内の制限へ)。

6.施行予定者が定められている場合について
市街地開発事業の都市計画において「施行予定者」が定められている場合には、さらに厳しい制限が課せられる(詳しくは市街地開発事業等予定区域の区域内の制限へ)。

市街地再開発事業

都市計画で定められた市街地開発事業の一つで、市街地の合理的で高度な利用と都市機能の更新を目的として実施される事業をいう。

既成市街地において、細分化されていた敷地の統合・共同化、共同建築物の建設、公共施設の整備などを行なうことにより、都市空間の高度な利用を実現する役割を担う。

事業の方法は、第一種市街地再開発事業と第二種市街地再開発事業の2つがある。

第一種市街地再開発事業は、従前の権利を、原則として事業により新たに建設された共同建築物に対する相応の権利に変換する方法(権利変換方式)で行なわれる。このようにして与えられた建物に対する権利を「権利床」という。

一方、第二種市街地再開発事業は、第一種市街地再開発事業よりも緊急性が大きいと認められる場合に実施される。施行区域内の土地・建物等を事業施行者がいったんすべて買収し(最終的には収用できる)、買収によって権利を失う者は、希望により、事業によって新たに建設される建物に対する相応の権利を得る方法(管理処分方式)で行なわれる。

いずれの方法によっても、既成市街地における輻輳(ふくそう)したさまざまな権利を建物に対する権利へと変えるという権利調整が必要となる。

また、事業に要する資金は、原則として新たに建設する建物の処分によって賄うことになる。

なお、事業の仕組みは、「都市再開発法」に規定されている。

資格証明書

会社の代表取締役などが商業登記簿に登記されていることを、登記所が証明する書面のこと。
正式名称は「登記事項に変更及びある事項の登記がないことの証明書」という。

この証明書に記載されるのは、一般的に次の事項である。

1.会社の商号
2.本店の住所
3.代表取締役の氏名と住所
4.上記1.から3.に変更がないこと
5.共同代表の登記がないこと
6.上記1.から5.について登記所の証明があること

地形

土地の平面的な形状をいうが、傾斜、起伏などの状態を含めていうのが普通である。「じぎょう」と呼ばれることもある。

平坦で正方形に近ければ「整形」、いびつな形であれば「不整形」であるとされ、同じ面積でも価格が異なる。

直床工法

鉄筋コンクリートの床スラブにカーペットやフローリングを直張りすること。
歩行性や遮音性向上、また転倒時の安全性確保のために、クッション性のある材料を採用した方がよい。

床面が均一であることが絶対条件であることはいうまでもないが、フロア全体を均一に仕上げる(バリアフリー)ためには、スラブと床の間に収蔵する配管類のスペース分スラブを下げることも必要となる。

敷居

開口部の下部に設けられる水平材。門の内外を仕切ったり、部屋を区切るために敷く横材で、同時に建具を受ける役目もする。

建具の受け方は、戸の開閉形式によって異なり、レールを上に設けたり、溝を彫る等の手法がある。略して「敷き」とも。

敷金

建物の賃貸借契約を新規に締結する際に、借主から貸主に対して、次のような目的のために預けられる金銭。

1.賃料の不払い・未払いに対する担保
2.契約により借主が負担すべき修繕費用や原状回復費用の前払い

将来契約が終了した場合には、上記1.や2.の金額を控除した残額が、借主に対して退去後に返還される。

敷地

建築物のある土地のことを「敷地」という。

なお、同一の敷地の上に2つの建築物がある場合には、建築基準法では、2つの建築物が用途上分けられないときは、同一敷地にあるものとみなすことになっている(建築基準法施行令1条)。
例えば、ある人の所有地の上に「住宅」と「物置」が別々に建っている場合は、この2つは用途上不可分であるので、別々の敷地上に建てたと主張することはできない、ということである。

ところで、建築基準法では「敷地」が衛生的で安全であるように、次のようなルールを設定しているので注意したい(建築基準法19条)。

1.敷地は、道より高くなければならない(ただし排水や防湿の措置を取れば可)
2.敷地が、湿潤な土地や出水の多い土地であるときは、盛り土や地盤の改良を行なう。
3.敷地には、雨水と汚水を外部に排出する仕組み(下水道など)をしなければならない。
4.崖崩れの被害にあう恐れがあるときは、擁壁(ようへき)の設置などをしなければならない。

敷地延長

ある土地が、狭い通路を通じて道路に出ることができるような形状になっているとき、その通路の部分を「敷地延長」と呼ぶ。

また、こうした狭い通路を持つ土地全体のことを「敷地延長」と呼ぶこともある。
一方、その形状が旗に竿を付けた形に似ていることから、こうした土地のことを「旗竿地」と呼ぶこともある。

敷地権

一棟の区分所有建物の敷地に関する権利をいい、登記によって確定する。

分譲マンションなどの区分所有建物を所有するには、建物自体の所有権(区分所有権)と建物の敷地を利用する権利(所有権や借地権であり、敷地利用権といわれる)とを必要とするが、この区分所有権と敷地利用権は原則として分離して処分できないとされており、そのような分離不能な敷地利用権として登記された権利が敷地権である。

敷地権が登記されれば、建物の専用部分の権利変動等の登記に当たっては、敷地利用権に関する登記は省略される。両方の権利が一体化されている効果であり、区分所有建物の取引に伴う手続きが簡略なものとなる。

敷地権である旨の登記

一棟の建物を区分した各部分のことを、不動産登記法では区分建物と呼ぶ。
また、区分建物がその敷地を利用するための法律上の権利(例えば所有権の共有持分)のことを、敷地利用権と呼ぶ。

区分建物と敷地利用権は、別々に処分することが可能であるとすると、権利関係がいたずらに錯綜する可能性があるので、法律(建物の区分所有等に関する法律第22条)では、区分建物と敷地利用権を常に一体で処分することを原則的に義務付けている。

そこで不動産登記法では、区分建物の敷地である土地については、「敷地権である旨の登記」という特殊な登記を記載することとしている。土地の登記記録において、「敷地権である旨の登記」がなされて以降は、区分建物と敷地利用権が常に一体で処分されることを明確にしている。

また、区分建物の登記記録においても、敷地権の内容が表示される(詳細は「敷地権の表示の登記」へ)。

敷地権の表示の登記

不動産登記法では、区分建物の敷地である土地には、「敷地権である旨の登記」という特殊な登記を記載することとしている。
この「敷地権である旨の登記」がなされるとき、その敷地上に存在する区分建物(および区分建物が属する一棟の建物)について、次の事項が表示される。これを「敷地権の表示の登記」という。

1.区分建物の登記記録の表題部
敷地権の種類(所有権か地上権か等)、敷地権の割合(その区分建物所有者が有する土地の権利の持分割合)

2.一棟の建物の登記記録の表題部
その敷地全体の所在・地番、地目、地積など

敷地面積の制限

第一種・第二種低層住居専用地域では、建築物の敷地面積を一定以上としなければならない場合がある。この「敷地面積の制限」は都市計画で 規定される。

「敷地面積の制限」は、1つの広い敷地を複数に分割してしまうようなミニ開発を防止し、良好な住環境を保存するために 設けられた制度である。
都市計画で「敷地面積の制限」が規定された場合、その都市計画が定められた区域内では、建築物を建築する敷地は最低限度以上の面積でなければならないこと になる。

この敷地面積の最低限度は、100平方メートルと定められることが多いようである。法律によればこの最低限度は最大でも200平方メートルとされて いる(建築基準法54条の2)。

なお、都市計画で「敷地面積の制限」が定められると、すでに存在している敷地面積の狭い建築物は都市計画に適合せず、違法となってしまうが、法律ではこのよう なケースには「敷地面積の制限」を適用しないという救済措置を設けている(建築基準法54条の2)。ただし、このような敷地面積の最低限度を下回る既存建築物については、敷地の分割をすることはできなくなる(建築基準法54条の2)。

敷地面積

敷地の水平投影面積のこと。
従って、傾斜地・崖地等では敷地面積はあくまで水平面に投影して測定した面積である(建築基準法施行令2条1項1号)。

また、いわゆる2項道路に接している土地では、土地の一部を「敷地面積」に算入することができない(建築基準法施行令2条1項1号但し書き)。
従って、2項道路に面した土地では、建築物を建てる際には、見た目よりも敷地が狭いものとして取り扱われることになるので注意したい。

敷地利用権

分譲マンションのような区分所有建物において、区分所有者が持っている土地に関する権利のことを「敷地利用権」という(区分所有法第2条)。

区分所有建物では、その敷地は区分所有者全員の共有とされている。
従って、敷地利用権とは、区分所有者が持っている「土地の共有持分」といい換えることができる。

敷地利用権と専有部分の一体化

分譲マンションなどの区分所有建物において、区分所有者が土地に関する権利と建物に関する権利を切り離して売却すること等が禁止されていることを指す。

分譲マンションなどの区分所有建物では、区分所有者は次の3つの権利を持っている。

1.専有部分の所有権
2.共用部分の共有持分
3.土地の共有持分(これを敷地利用権という)

この3つの権利のうち、1.の専有部分の所有権と3.の敷地利用権を分離して処分することは、区分所有法により原則的に禁止されている(区分所有法第22条)。(なお1.と2.を分離することも区分所有法第15条により原則的に禁止されている)

ただし管理規約で区分所有法第22条とは異なる定めを置くこともできるが、通常は管理規約において「分離して処分してはならない」という定めを設けている。

この結果、例えばある区分所有者が、敷地利用権だけを第三者に売却しようとしても、区分所有法および管理規約の定めにより、売却することができないことになる。
またある区分所有者が、借入金の担保とするために、敷地利用権だけに抵当権を設定しようとしても、区分所有法および管理規約の定めにより、抵当権設定ができないことになる。

このような「敷地利用権と専有部分の一体化」は昭和58年の区分所有法の大改正により導入された制度である(施行は昭和59年1月1日)。
それ以前は、区分所有建物でも、建物の権利と土地の権利を別々に処分することが可能であったたため、分譲マンションの土地登記簿には、各住戸の売買や担保設定のたびに所有権移転登記や抵当権設定登記が記入された。
そのため住戸数が多い場合には、マンションの土地登記簿の記載内容が膨大となり、登記事務の煩雑化を招き、記載ミスや読み間違いが起きるという事態になっていた。

こうした問題に対処するため、「敷地利用権と専有部分の一体化」が導入された。これにより、敷地利用権が常に専有部分と一緒に売買等されることになったので、区分所有建物の建物登記簿のみに所有権移転登記等を記載し、土地登記簿にはこれらの登記を記載しない扱いとした(不動産登記法第93条の4「敷地権たる旨の登記」)。
こうして土地登記簿への記載が全面的に省略された結果、登記事務の大幅な簡略化が実現したのである。

事業継続計画(BCP)

事業組織が脅威にさらされた場合に、その影響を予防・軽減し、事態の回復を図るための計画をいう。

危機管理手法の一つで、BCP(Business Continuity Planning)と略称される。
想定する脅威としては、震災、水害などのほか、情報通信網の故障、取引先の事故・喪失、破壊的攻撃なども含まれる。

BCPの作成においては、各脅威の影響を分析評価するほか、優先業務を特定してその復旧プロセスを確定すること、代替的な業務継続方法を準備すること(例えばオフサイトの設置、データ等のバックアップ措置)などが重要な課題となる。

東日本大震災やバンコクの洪水(いずれも2011年)などの際には、製造業を中心にサプライチェーンの断絶が生じ生産困難に陥る例が目立った。また、首都直下地震においては中核的業務機能の喪失が予想される。BCPはそのような事態への対応方策として有効であると考えられている。

事業税

地方税の一つで、法人の行なう事業および個人の行なう一定の事業に対して課税するものをいう。

課税対象事業とその税率は地方税法によって定められており、個人が営む事業については、3種類に分けられている。例えば個人が事業として不動産を貸すと不動産貸付業を営むこととなり、その収入に対して事業税が課せられる(税率5%)。

個人の不動産貸付業における事業税の税額は、原則として、次によって求められる。

「事業税額=(不動産収入-必要経費-事業主控除)×5%」

ここでいう事業主控除は290万円である。

事業認定の告示

収用手続が公益上必要やむを得ないものであることを大臣・知事が認定する手続を「事業認定」という(土地収用法第16条)。

事業認定庁は、事業認定をしたときは、遅滞なく収用者(起業者)に文書で通知し、官報(知事の場合は知事が定める方法)で告示する。このような告示を「事業認定の告示」という(土地収用法第26条)。

この事業認定の告示があった日を起点として、法律上さまざまな効力が発生するとされている。

事業認定の手続

収用手続が公益上必要やむを得ないものであることを大臣・知事が認定する手続を「事業認定」という(土地収用法第16条)。
この事業認定にあたっては、認定を行なう大臣または知事(事業認定庁)は、さまざまな機関や利害関係人から意見を聴取すること等の手続を行なう必要がある。

1.専門的学識または経験を有する者の意見
事業認定庁は、必要があると認めるときは、申請に係る事業の事業計画について専門的学識または経験を有する者の意見を求めることができる(土地収用法第22条)。

2.審議会等の意見
事業認定庁のうち、国土交通大臣は、事業の認定に関する処分を行なおうとするときは、あらかじめ社会資本整備審議会の意見を聴き、その意見を尊重しなければならない。また都道府県知事は、審議会等(土地収用法第34条の7の審議会等)の意見を聴き、その意見を尊重しなければならない(ただし、事業認定申請書の縦覧期間内に、利害関係人の意見(大臣・知事に反対の意見)が提出されてない場合には、これら審議会の意見を聞く必要はない)(土地収用法第25条の2)。

3.事業認定申請書の縦覧期間における利害関係人の意見書提出
事業認定申請書は、2週間、公衆に縦覧させなければならない(事業認定申請書の縦覧)。この事業認定申請書の縦覧期間に、事業認定について利害関係を有する者は、都道府県知事に意見書を提出することができる(国土交通大臣が事業認定庁である場合には、知事から国土交通大臣へ意見書を送付する)(土地収用法第25条)。

4.事業認定申請書の縦覧期間における利害関係人の公聴会開催請求など
事業認定庁は、事業認定について利害関係を有する者から事業認定申請書の縦覧期間内に公聴会を開催すべき旨の請求があったときそのほか、必要があると認めるときは、公聴会を開いて一般の意見を求めなければならない(土地収用法第23条)。

なお、事業認定庁は、事業認定申請書を受理した日から3ヵ月以内に、事業の認定に関する最終的な処分(認定処分または拒否処分)を行なうように努めなければならない(土地収用法第17条第3項)。

事業用定期借地権(事業用借地権)

定期借地権の一つで、専ら事業の用に供する建物の所有を目的とするものをいう。

当初、契約期間が10年以上20年以下とされていたが、借地借家法の改正により、2008年1月1日以降は、10年以上50年未満に改められた。

事業用定期借地権は、契約の更新(存続期間の更新)を伴わない、契約終了時に建物買取請求権が発生しない、建物再築による存続期間の延長がないことを特約した借地権の設定契約(事業用借地権設定契約)によって発生する。この場合、契約期間が10年以上30年未満の場合には必ずこの特約が必要である一方、契約期間が30年以上50年未満の場合は特約するかどうかは任意とされる。また、契約は公正証書によらなければならない。

従って、専ら事業の用に供する建物の所有を目的とする借地権の設定は、契約期間に応じて右表のような方法を選択することができる。

事業用不動産

収益を得ることを目的に所有・利用される不動産をいう。店舗、事務所ビルなど事業のための設備として利用される不動産のほか、投資の対象とされるマンションなどもこれに該当する。一方、自己居住のために所有される住宅等は事業用不動産ではない。

事業用不動産の価格や賃料は、原理的には、得られるであろう収益に基づいて市場競争によって形成される。一方、自己居住用不動産等についてはそのようなメカニズムが働きにくい。また、事業用不動産については収益最大化を目指して利用形態や管理手法が競争的に変化する傾向があるのに対して、自己居住用不動産等については安定性が強い。さらには、事業用不動産のうち居住用途のものは住生活の基盤としての性格があるため、市場において区分して取り扱う必要がある。

事業予定地内の制限

知事の指定等により定められた事業予定地において適用される制限のこと。

1.事業予定地の定義
事業予定地とは、次の2種類の土地を指す(都市計画法第55条第1項)。
1)都市計画で定められた都市施設の区域の内で、知事(指定都市等では市長)が指定した土地
2)4種類の市街地開発事業(市街地再開発事業、住宅街区整備事業、新住宅市街地開発事業、工業団地造成事業)の施行区域内のすべての土地

2.事業予定地内の制限の趣旨
事業予定地については、通常の都市施設・市街地開発事業の建築制限(「都市計画施設の区域内の制限」「市街地開発事業の施行区域内の制限」参照)よりも厳しい建築制限が課せられる。また、土地の先買い制度が適用される場合がある。
これらの制限は、事業予定地では比較的大規模な事業が実行され、または迅速に事業を実行に移す必要性が高いためであると考えられる。

3.建築制限のあらまし
事業予定地では、建築物を建築するには知事(指定都市等では市長)の許可が必要である(都市計画法第53条第1項、第55条第1項)。この許可について次の点が重要である。
1)建築物の建築には許可が必要。ここで建築とは「新築、増築、改築、移転」を指す(都市計画法第4条第10項)。
2)土地の形質変更(宅地造成等)は許可が不要。工作物の建設も許可が不要。
3)容易に移転除却ができる建築物等(すなわち都市計画法第54条の基準を満たす建築物)であっても、知事等は建築を不許可にすることができる(下記4.へ)。
4)上記3)で建築が不許可とされたとき、土地所有者には救済措置が設けられている(下記5.6.へ)。
5)軽易な行為などを行なう場合、知事等の許可はそもそも不要である(下記7.へ)。
6)都市施設や市街地開発事業に「施行予定者」が定められている場合には、さらに厳しい制限が課せられる(下記9.へ)。

4.建築許可の基準
通常の都市施設や市街地開発事業では、都市計画法第54条の基準を満たす建築物(主要構造部が木造・鉄骨造等で階数が2以下、地階がなく容易に移転除却できる建築物、都市計画に適合した建築物)については、知事等は必ず建築を許可する(「都市計画施設の区域内の制限」「市街地開発事業の施行区域内の制限」参照)。
しかし事業予定地では、都市計画法第54条の基準を満たす建築であっても、知事等は不許可とすることができる。ただし下記5.6.の救済措置が設けられている。

5.不許可とされた場合における「土地の買取りの申出」
都市計画法第54条の基準を満たす建築について知事等が不許可とした場合に、土地所有者がその土地の利用に著しく支障をきたしたならば、土地所有者は知事(または知事が指定した相手)に対して、その土地を買い取るよう申し出ることができる(都市計画法第56条)。これは不許可に対する救済措置である。このとき知事(または知事が指定した者)は、特別の事情がない限りその土地を買い取る。

6)買取りがされない場合
上記5.において、知事(または知事が指定した者)がその土地を買い取らない場合がありうるが、買い取らない場合には、土地所有者は、都市計画法第54条の基準を満たす建築物の建築許可を知事等に申請できる。このとき知事等は、その建築を許可しなければならない(都市計画法第55条第1項但書)。 結局のところ、都市計画法第54条適合の建築が不許可にされたことで著しい支障をきたした土地所有者は、上記5.または6.のどちらかで救済されることとなる。

7.許可不要の行為
管理行為、軽易な行為(※1)、非常災害のため応急措置として行なう行為、都市計画事業の施行として行なう行為は、建築の許可がそもそも不要である(都市計画法第53条第1項)。従って、これらの行為には上記5.6.の救済措置は適用されない。
(※1)軽易な行為としては「木造で階数が2以下で地階を有しない建築物の改築又は移転」が定められている(都市計画法施行令第37条)

8.土地の先買い制度の適用について
知事(指定都市等では市長)が、事業予定地において「先買い制度を適用する旨」を公告したときは、先買い制度が適用される(都市計画法第57条第1項)。
この場合には、事業予定地内の土地の有償譲渡(※2)をしようとする者は、事前に、一定の相手方(知事等が公告した相手方)に対して届出をしなければならない。相手方は届出のあった土地を優先的に買い取ることができる。 (※2)「土地の有償譲渡」のみが先買い制度の対象である。従って「土地と建築物等を一体とした有償譲渡」、「建築物のみの有償譲渡」には先買い制度は適用されない。

9.施行予定者が定められている場合について
都市施設や市街地開発事業において「施行予定者」が定められている場合には、上記3.4.5.6.7.8.は適用されない(都市計画法第57条の2)。これらに代わって、さらに厳しい制限が課せられる(詳しくは市街地開発事業等予定区域の区域内の制限へ)。

軸組

垂直材(柱)と水平材(梁など)を組み合わせたもの。

木造の建築物の「骨組」のことである。

仕口

水平材・垂直材・斜材をさまざまに組み合わせて使用するとき、それらの材同士の接合部を「仕口」という。

「仕口」は軸組全体の強度を大きく左右するものであるので、一般に金物で補強することとされている。

時効

ある事実状態が一定期間継続した場合に、そのことを尊重して、その事実状態に即した法律関係を確定するという制度を「時効」という。

時効は「取得時効」と「消滅時効」に分かれる。取得時効は所有権、賃借権その他の権利を取得する制度であり、消滅時効は債権、用益物権、担保物件が消滅するという制度である。
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時効は時間の経過により完成するものであるが、当事者が時効の完成により利益を受ける旨を主張すること(これを援用という)によって初めて、時効の効果が発生する。

また、時効の利益(時効の完成によって当事者が受ける利益)は、時効が完成した後で放棄することができる。これを時効利益の放棄という。

また時効は、時効の完成によって不利益を受ける者が一定の行為を行なうことにより、時効の完成を妨げることができる。これを時効の中断という。

時効完成後の債務の承認

債務が消滅時効により消滅した後に、債務者が、消滅時効が完成したことを知らないまま、債務の存在を承認することを「時効完成後の債務の承認」という。

例えば、BがAから借金をしていた場合に、時効期間の経過により債権の消滅時効が完成し、すでに債務が消滅しているのに、AがBに返済を督促したとする。このときBが、消滅時効の完成を知らないまま、Aに対して返済の猶予を求めたり、一部だけ返済したとしよう。このようなBの行為が、時効完成後の債務の承認に該当する。

この場合、Bの債務はすでに消滅しているのであるから、Bは時効の完成を主張すれば(すなわち時効を援用すれば)、消滅時効の起算点にさかのぼって債務は消滅するので、起算点以降に支払った金銭の返還を求めることができると考えることもできる。
しかし判例では、このようなBについて、いったん債務の存在を認めるような行為(返済の猶予を求めるなどの行為)をした以上は、その行為の後であらためて消滅時効を援用することは許されないとしている。

この理由は「いったん債務の存在を承認した以上、債権者Aとしては債務者Bがもはや消滅時効を主張することはない、と信頼するのが通常である。BはこのAの信頼を裏切ることは許されない」と説明されている。従って、時効完成後の債務の承認により、時効の援用権の行使が不可能になるということができる。

時効の援用

時効の援用とは、時効の完成によって利益を受ける者が、時効の完成を主張することである。時効の援用とは、時効の効果を確定的に発生させる意思表示であるということもできる。

当事者が時効を援用しない限り、時効の効果は発生しないものとされている(民法第145条)。時効の援用は、裁判において主張することもできるが、裁判外で主張することもできる。なお、時効の援用は「相対効」とされており、援用した者だけが時効の完成を主張することができ、援用しない者についてまで時効が完成するわけではない。

時効の援用をすることができる者の範囲は、「時効の完成により直接的に利益を受ける者」に限定されている(判例)。ただし「直接的に利益を受ける者」の範囲は、判例上次第に緩やかに解釈されるようになってきており、また判例も多数あるので注意したい。いくつか具体例を挙げる。

1.保証人
債務者の債務を保証している保証人は、債務者の債務が消滅時効により消滅すれば、保証債務から解放されるので、「消滅時効の完成により直接利益を受ける者」に該当する。たとえ債務者が時効を援用しなくとも、保証人自身が債務者の債務が時効消滅していると主張し、消滅時効を援用することができる(つまり保証人は援用権者である)。
なお、債務者が時効を援用せず保証人が援用した場合には、債権者は保証人に対する関係では債務の存在を主張できなくなる。従ってこの場合には、保証のない債務が残る結果となる。

2.物上保証人
債務者のために自己の財産を担保に入れている者(物上保証人)も、上記の保証人と同じ理由により、援用権者である。

3.抵当不動産の第三取得者
AがBから借金をし、その担保としてA所有の土地に抵当権を設定し、その後にAがこの抵当権付の土地をCに売却したとする。このときCを抵当不動産の第三取得者というが、CはAの債務(借金)が消滅時効により消滅すれば、抵当権も同時に消滅するので、Cの所有する土地の価値は上昇する。このようなCも消滅時効の援用権者である。

4.仮登記担保付の不動産の第三取得者
借金の担保として債務者の土地について再売買の予約を行ない、登記の原因を「売買予約」として「所有権移転請求権仮登記」を行なった場合も、実質的には上記3.の抵当権の設定と同じことである。そのため、こうした仮登記のついた不動産の第三取得者も、上記3.と同様に、消滅時効の援用権者である。

5.借地人・抵当権者
取得時効の時効期間が経過した土地の借地人や、その土地に抵当権を設定している抵当権者は、その土地が取得時効により取得されたことを主張できる。つまり、借地人や抵当権者は援用権者である。

6.建物賃借人は土地所有者に対して取得時効を援用できない。
AがBの土地を占有し、Aが自己所有の建物を建築し、その建物をAがCに賃貸した場合に、建物賃借人であるCは、Aが取得時効により土地を取得していることをBに対して主張できないとされる(昭和44年7月15日最高裁判決)。ただし、学説はこの判例に反対である。

時効の中断

時効とは、ある事実状態が一定期間継続した場合に、その事実状態を尊重して、その事実状態に即した法律関係を確定するという法制度である。

この事実状態が継続する必要があるとされる一定の期間を「時効期間」といい、時効の種類により時効期間が設けられている(例えば所有権の短期取得時効の時効期間は10年、所有権の長期取得時効の時効期間は20年、普通の金銭債権の消滅時効の時効期間は10年である)。

このような時効期間が進行している途中において、それまで継続してきた事実状態を妨げるような事実や行為が発生した場合には、もはや事実状態の継続が失われたことになるので、それまで進行してきた時効期間はすべて効力を失うことになる。

このように、一定の事実や行為によって、それまで進行してきた時効期間が効力を失うことを「時効の中断」と呼んでいる(時効の進行が「ふりだしに戻る」ということである)。

なお、時効を中断させるような事実や行為は「時効の中断事由」と呼ばれている。

時効の中断事由

それまで進行してきた時効期間の効力を失わせるような事実や行為のことを「時効の中断事由」と呼ぶ。時効の中断事由が発生することにより、時効の中断が生じ、時効の進行はふりだしに戻る。このような時効の中断事由には次の3種類がある。

1.権利の主張(「請求」:民法第147条第1号)
権利の主張には、「裁判上の請求」「支払督促」「和解のための呼び出し・任意出頭」「破産手続参加」「催告」がある(民法第149条から第153条)。

このうち催告(民法第153条)とは、裁判外での権利の主張を総称したもので、権利を主張する意思を相手方に通知することである。書面で通知しても口頭で通知してもよいとされている。
しかし催告は、その後6ヵ月以内に裁判上の請求・和解のための呼び出し・任意出頭・破産手続参加(または下記2.3.の行為)をした場合にのみ、時効を中断させることができる。
例えば、内容証明郵便で借金の返済を要求したとすれば、その要求自体は「催告」に該当するが、その要求から6ヵ月以内に裁判を起こすなどの行為をしなければ、債権の消滅時効をふりだしに戻すことはできない、ということである。
また支払督促(民法第150条)とは、民事訴訟法第382条以下に規定されている簡易裁判所で行なう簡易な債権回収手続のことである。仮執行宣言が付与された場合に、支払督促は時効中断の効力を生ずる(詳しくは支払督促へ)。
また裁判上の請求(民法第149条)とは、原則的に裁判を提起することである。

2.差押・仮差押・仮処分(民法第147条第2号)
債権の強制執行(差押)や債権の保全処分(仮差押・仮処分)が行なわれた場合には、時効が中断する。

3.承認(民法第147条第3号)
債権の消滅時効では、債務者が債務を承認することにより時効が中断する。この承認とは、具体的には支払猶予の要請、利息の支払い、債務の一部弁済などである。

時効利益の放棄

時効の完成によって利益を受ける者が、時効の完成による利益を放棄することである。

時効利益の放棄は、時効が完成する前に放棄することができない(民法第146条)。これは特に、債権の消滅時効において、債権者が債務者の窮状に乗じて、債務者に時効利益の放棄を事前に強いることを防止するための規定である。
ただし、時効完成後に放棄することは自由である。なお、時効利益の放棄と類似した問題として「時効完成後の債務の承認」がある。

時効利益の放棄は「相対効」である。つまり、時効を援用できる者(援用権者)が複数いる場合に、1人が時効利益を放棄してしまっても、他の者はそれに関係なく時効を援用できるということである。
なお債務の保証については、時効利益の放棄は次のように解釈されている。

1.主債務者が時効利益を放棄し、その後に保証人が時効を援用した場合 AがBから借金をし、その債務をCが保証した場合、AB間の債務を主債務といい、BC間の債務を保証債務という(保証債務は、主債務が弁済されないときに、補充的に主債務の弁済されない部分を弁済するという債務である)。
ここで、主債務者Aは借金が消滅時効で消滅したにもかかわらず、時効利益を放棄したのであるから、主債務は有効に残存している。しかし、時効利益の放棄は「相対効」であるから、保証人Cは独自に主債務の消滅を主張してよい(これは保証債務の消滅を意味する)。

2.主債務者が時効を援用し、その後に保証人が時効利益を放棄した場合 時効の援用は「相対効」を持つに過ぎないから、Aの時効の援用は、Cに影響しないのが原則であるが、保証債務は主債務の消滅により自動的に消滅するという性質(附従性)を持つので、この附従性を通じて、Aの時効の援用は、Cの保証債務を消滅させる。その結果、保証人Cは時効利益を放棄することは不可能となる(消滅してしまった保証債務を、時効利益の放棄により復活させることはできない)。
従ってこの場合、保証人Cが時効利益を放棄する旨の意思表示をしたことは無意味であり、仮にCがBに対して債務を支払ったならば、その支払い分は本来は不当利得返還請求によりCに返還されるべきである(ただし、民法第705条の非債弁済の規定により、Cは返還を請求することができないという結論になる)。

自己の財産におけるのと同一の注意義務

善管注意義務よりも軽い注意義務のこと。
民法では、一定の場合に「取引上、一般的・客観的に要求される程度の注意義務」を取引関係者に要求しており、この注意義務を「善管注意義務」という。

これに対して、民法上、一定の場合には善管注意義務よりも軽い注意義務だけを負うことがあり、これを「自己の財産におけると同一の注意をなす義務」または「自己のためにすると同一の注意をなす義務」などと呼んでいる(詳しくは「善管注意義務」へ)。

自己の所有に属しない宅地又は建物の売買契約締結の制限

宅地建物取引業者が、他人物や未完成物件を売ることを原則的に禁止するという規制のこと。これは、一般消費者を保護するための措置である(宅地建物取引業法第33条の2)。

1.概要
「自己の所有に属しない宅地又は建物」とは他人物と未完成物件を指している。
他人物の売買は、民法上は可能とされているが、一般消費者にとってはそのような取引を行なうことは危険性が高い。未完成物件の取引も同様である。そこで宅地建物取引業法では、そのような他人物・未完成物件の売買取引を、原則的に禁止しているのである。

2.他人物売買の制限
宅地建物取引業法では他人物売買について、原則的に禁止する措置を取っている(法第33条の2本文)。

具体的には、宅地建物取引業者は、他人の所有物について、自らが売主になるような「売買契約」を締結することができない。また、宅地建物取引業者は、他人の所有物について、自らが売主になるような「予約」を締結することもできないとされている。

ただし、「他人物を確実に取得できるという別の契約または予約」があるときには、他人物の売買契約または予約を締結してよいという例外規定がある(法第33条の2第1号)(詳細については「他人物売買の制限」へ)。

3.未完成物件の売買の制限
未完成物件を造成中・工事中の段階で販売することは、「自己の所有に属しない宅地建物の売買契約締結」に該当するので、原則的に禁止されている(法第33条の2本文)。
しかし仮に、造成中における宅地分譲・工事中における建物分譲がまったく行なえないことになっては不動産実務上、非常に不便なことは明らかである。

そこで、宅地建物取引業法では「未完成物件に関する手付金等の保全措置」が行なわれている未完成物件については、造成中・工事中であっても、未完成物件の売買契約または予約を締結してよいこととしている(法第33条の2第2号)(詳細については「未完成物件の売買の制限」へ)。

4.適用範囲
宅地建物取引業者が売主で、宅地建物取引業者以外の者が買主になる場合についてのみ適用されることになっている(法第78条第2項)。

5.違反に対する罰則
「自己の所有に属しない宅地又は建物の売買契約締結の制限」(法第33条の2)に違反した場合には、宅地建物取引業法の監督処分として「指示処分」または「業務停止処分」が予定されている。
なお、「自己の所有に属しない宅地又は建物の売買契約締結の制限」に違反した売買契約(予約含む)の効力については、宅地建物取引業法にはこれを無効とする規定がないので、そのまま有効な売買契約(予約含む)として取り扱われることになる。

事故物件

権利について争いがあったり、浸水、自殺、倒産などの事故の場所となったりした宅地建物をいう。

取引価格は、事情を反映して低くなることが多い。

資産運用型(不動産の証券化における)

不動産の証券化における類型の一つで、複数の不動産を売買・運用して、その利益を投資家に配分する仕組みをいう。

金融商品を開発して投資家に販売することを主な目的とした不動産の証券化に用いられることが多く、JREITも資産運用型の仕組みを活用している。不動産の運用収益を高めることに焦点がある。

これに対して、特定の不動産を流動化して資金を調達することを主な目的とした仕組みを、資産流動化型という。

資産担保金融

資金調達の方法の一つで、特定の資産の価値や収益力を裏付けに資金を調達することをいう。

不動産や債権などの資産をもとの所有者から分離し、その資産から生じるキャッシュフローを原資として証券を発行する方法が主流であり、その発行される証券はABS(Asset Backed Security、資産担保証券)といわれる。これによって、もとの所有者は、責任が遡及しない形(ノンリコース)で資金を調達することができる。

これに対して、通常の融資における担保資産は、単に最優先でそれを償還に充てることを保証するだけで、返済のための原資は担保に供した資産に限定されない。責任が遡及(リコース)するのである。

資産の流動化に関する法律(資産流動化法)

特定目的会社または特定目的信託を用いて資産を流動化するための仕組みを定めた法律(平成10(1998)年6月公布)。SPC法ともいわれる。

特定目的会社(SPC)や特定目的信託が、不動産などの資産を保有・運用し、その収益を裏付けとして証券や信託受益権を発行する(これにより資産が流動化される)場合の手続きやルールを決めている。

当初、流動化の対象となる資産が限定されていたが、平成13(2001)年4月の改正で、すべての財産権を対象とした流動化が可能となった。資産の有効的な活用や、多様な金融商品の開発に当たって重要な役割を果たす法律である。

資産流動化型(不動産の証券化における)

不動産の証券化における類型の一つで、特定の不動産を流動化して資金を調達することを主な目的とした仕組みをいう。

保有する資産を特定目的会社に譲渡し、または特定目的信託に供して、その資産を裏付けとした証券等を発行することによって資産を資金化する手法である。

これに対して、不動産を売買・運用してその利益を投資家に配分することを主な目的とする仕組みを「資産運用型」という。

しかしながら、不動産の流動化に当たっては不動産の売買・運用を伴うし、資産を運用してその利益を投資家に配分することは結果として資産の流動化に資する。両者に際立った差はないが、その主な違いは、証券化するための仕組みの根拠となる法律である。「資産流動化型」の仕組みは「資産の流動化に関する法律(資産流動化法)」により、「資産運用型」の仕組みは「投資信託及び投資法人に関する法律(投信法)」により構築される。前者の仕組みによるSPEが特定目的会社(SPC)や特定目的信託(SPT)であり、後者の仕組みによるSPEが投資法人や投資信託である。

指示(宅地建物取引業法による指示)

監督処分の一つで、宅地建物取引業者や宅地建物取引主任者に対して、一定の作為または不作為(ある行為をすること、または行為をしてはならないこと)を命令することをいう。

指導と異なり、法的な強制力を伴い、指示に違反すると、罰則が課せられることがあるほか、原則的に、営業停止、免許取消などの新たな監督処分を受けることとなる。

  詳しくは、「監督処分」を参照。

事情変更の原則

私法上の概念で、契約の内容は、社会的事情の変化があればそれに応じて変更されなければならないという原則のこと。明文の規定はないが、契約締結後、急激なインフレなどの契約当時まったく予見できなかった社会的事情の変動があり、それが当事者にとって重大である場合には、「信義誠実の原則」を適用して、当事者に契約の解除、または契約内容の改定を請求することを認めようという考え方である。

例えば、借地借家法では、地価の変動等の経済事情の変動などによって地代や借賃が不相応になったときには、契約の条件にかかわらず、地代や借賃の増減を請求できるとしている(地代等増減請求権および借賃増減請求権の規定であり、強行規定である)が、この規定は、事情変更の原則を法律のうえで認めたものといわれている。だが、具体的にどのような場合に事情変更の原則が適用されるかは、判例によって判断するほかない。

地震保険

地震による被災損失に対して補償する損害保険。火災保険契約等に付帯する形で付保され、「地震保険に関する法律」によって保険会社等が負う地震保険責任を政府が再保険している。

保険の対象は住宅および生活用動産に限られ、保険事故は地震・噴火・津波を原因とする火災・損壊・埋没・流出による全損・半損・一部損である。 保険補償の範囲は、主契約の保険金額の30~50%の範囲内で、建物5,000万円、家財1,000万円を上限とする。

保険料は、建物の構造と所在地に応じて決定される。建物の構造は木造と非木造に区分され、所在地は都道府県別に区分されている。

システムキッチン

調理のための設備・器具を一体化した台所をいう。調理台、流し台、コンロ、収納スペースなどの部材を組み合わせたうえで、天板をのせることによって全体が一つにまとめられている。これによってデザインの統合や空間の有効利用を図ることができるとされる。

なお、システムキッチンという言葉は、和製英語である。

史跡

記念物であって「貝塚・古墳・都城跡・城跡・旧宅等の遺跡で、わが国にとって歴史上・学術上価値の高いもの」に該当し、文部科学大臣が官報に告示することによって指定したものを「史跡」という(文化財保護法第109条)。

史跡等に関して、その現状を変更し、またはその保存に影響を及ぼすような行為をしようとするものは文化庁長官の許可を受けなければならない(文化財保護法第125条)。

ただし、現状変更については維持の措置・非常災害のために必要な応急措置については許可を要しない。また、保存に影響を及ぼすような行為については影響が軽微であるときは許可を要しない。

自然環境保全地域

環境大臣が指定する、自然環境を保全する必要性が特に高い地域(自然環境保全法第22条)。
なお、「自然環境保全地域」は自然公園の区域を含まない。

「自然環境保全地域」に指定されると、建築物の建築、工作物の建築、宅地造成、海底の形状変更、土石採取、特別地区内の河川湖沼の水位・水量に影響を及ぼすような行為をする場合には、30日以上前に環境大臣へ届出をすることが必要となる(自然環境保全法第28条)。

また「自然環境保全地域」の中に特別地区が設けられることがある。この「特別地区」では建築物の建築、工作物の建築、宅地造成、海底の形状変更、土石採取、大臣の指定する湖沼・湿原の周囲1km以内で排水設備を設けての汚水や廃水の排出、大臣の指定する原野山林等での車・馬・動力船の使用と航空機の着陸などについては環境大臣の許可が必要である(自然環境保全法第25条)。

自然人

私法上の概念で、権利義務の主体となる個人のこと。法人に対する用語である。

すべての自然人は、出生によって権利義務の主体となるとされる。

持続可能性

人間活動が将来にわたって持続できるかどうかという概念であるが、特に、地球環境問題に対応する上での目標として用いられることが多い。

地球環境問題への対応として持続可能性を確保しなければならないという考え方は、1987年に国連の「環境と開発に関する世界委員会(World Commission on Environment and Development)」が公表した報告書 『Our Common Future』(委員長の名を冠して『 Brundtland Report (ブルントラント レポート)』ともいわれる)において提案された。
それによると、持続可能性を確保するには、

1.開発に当たって貧困の克服と環境の保全を両立すること

2.将来世代の必要に応えるべく成長・開発を管理すること

という2つの要請を満たさなければならないとする。

なお、持続可能性という言葉は、資源の枯渇に陥らない、核戦争などによる破滅を防ぐ、経済的な破綻をきたさない、などという意味で使われることがあり、多義的であることに注意しなければならない。

質権

債権を保全するために、債権者が債務者(または物上保証人)から物を受け取って占有し、債務が弁済されなかったときにはその物を売却して、その売却価額から債権の弁済を受けることができるという担保物権のこと(民法第342条)。

なお、債権者が債務の弁済としてその物の所有権を取得するという方法を取ること(これを流質契約「りゅうしちけいやく」という)は民法第349条により原則的に禁止されている。ただし質屋営業法ではこの流質契約を認めている。
質権は質権が設定される対象により、動産質、不動産質、権利質に分類される。

しかし動産を質に取ることは現在でも質屋で広く行なわれているが、不動産を質に取ることは現代ではほとんどあり得ない。従って不動産の実務上で重要なのは、権利に対する質権である。

例えば、金融機関が不動産所有者に融資をする場合には、不動産所有者が火災保険に加入し、その火災保険金の請求権について金融機関が質権を設定するのが一般的な慣行である。
つまり、万一不動産が火災にあった場合には、金融機関はこの質権を実行し、火災保険金から融資の優先返済を受けるということである。

市町村の建設に関する基本構想

地方自治法・国土利用計画法の規定にもとづく市町村の構想・計画のこと。
具体的には、地方自治法第2条第4項に基づく「市町村の基本構想」および国土利用計画法第8条に基づく「市町村計画」を指している(※建設省(現・国土交通省)通知にもとづく「市町村の都市計画に関する基本的な方針の策定等について」平成5年6月25日建設省都計発第95号各都道府県知事・各政令指定都市都市計画担当部局長宛建設省都市局都市計画課長通知)。

一般的には「市町村の建設に関する基本構想」は、「○○市総合計画」「○○市基本計画」「○○市基本構想」のように呼称されていることが多い。

「市町村の建設に関する基本構想」は、「市町村の都市計画に関する基本的な方針」(いわゆるマスタープラン)の上位に位置付けられている。
「市町村の都市計画に関する基本的な方針」を策定・決定するにあたっては、市町村の議会の議決を経て定められた「市町村の建設に関する基本構想」に即したものとしなければならない(都市計画法第18条の2第1項)。

市町村の都市計画に関する基本的な方針

市町村が都市計画を決定するにあたって指針となる市町村の都市計画の総合的なプランのこと。
「都市計画マスタープラン」、「都市マスタープラン」、「マスタープラン」、「基本方針」とも呼ばれる。

「市町村の都市計画に関する基本的な方針」は、平成4年の都市計画法の改正により導入された制度である。その概要は次の通り。

1.意義
「市町村の都市計画に関する基本的な方針」(以下「基本方針」と呼ぶ)は、市町村の都市計画の総合的なプランである。市町村は土地利用・都市施設・都市開発事業などの都市計画を決定するにあたっては、この「基本方針」に即して都市計画を決定しなければならない(都市計画法第18条の2第4項)。

2.他の計画等との関係
「基本方針」は、市町村の建設に関する基本構想並びに都市計画区域の整備、開発及び保全の方針に即したものでなければならない(都市計画法第18条の2第1項)。

3.策定方法
「基本方針」を策定する主体は市町村である。市町村はこの「基本方針」を定める責務を負う(都市計画法第18条の2第1項)。
「基本方針」の決定に際しては、あらかじめ、地方自治法に基づき市町村に附属機関として置かれている市町村審議会の議を経る(※この点は、建設省(現・国土交通省)通知に基づく(「市町村の都市計画に関する基本的な方針について」平成5年6月25日建設省都計発第94号各都道府県知事・各政令指定都市の長宛建設省都市局長通知)。
【ただし「基本方針」は都市計画ではないので、「基本方針」には都市計画の決定手続は適用されない】
「基本方針」を決定したときは、遅滞なく公表し、都道府県知事に通知しなければならない(都市計画法第18条の2第3項)。

4.住民意見の反映措置
市町村が「基本方針」を定めようとするときは、あらかじめ住民の意見を反映させるために必要な措置(例えば公聴会の開催等)を講じなければならない(都市計画法第18条の2第2項)。

5.主な内容と構成
「基本方針」は標準的には次の内容から構成される(上記3.内※の建設省(現・国土交通省)通知より要約)。
1)基本方針は本文および附属図面からなる。
2)本文では、将来の生活像を想定し、目指すべき都市像、その都市像の実現のための主要課題、課題に対応した整備方針などを「全体構想」として明らかにする。
3)さらに本文では、地域別に、あるべき市街地像などの地域像、実施されるべき施策の方向を「地域別構想」として明らかにする。
4)さらに構想の実現に向けて、定めるべき都市計画の種類・実施すべき都市計画事業の種類、これらの決定・実施の時期などを明らかにしたプログラムを伴うものにするよう努める。

地鎮祭

建物の建設に着手する前に、敷地の地主神を鎮め、工事の無事を祈願するために行なう儀式。

神道に基づくものが一般的だが、仏教式やキリスト教式などもある。工事の無事を祈願する目的のため、祭主は棟梁となる。

実印

個人の印鑑であって、市区町村長に対してあらかじめ印鑑登録を行なった印鑑のこと。
印鑑証明の発行を受けることができる印鑑である。

漆喰

消石灰に糊剤を混ぜたもの。
日本古来の左官材料として使用される。

シックハウス症候群

住宅に起因する、倦怠感、めまい、頭痛、湿疹、のどの痛み、呼吸器疾患などの症状を総称していう。

汚染された住宅内の空気を吸引することによって発症する場合が多いとされ、建材や家具に含まれる有機溶剤や防腐剤、それらに類する揮発性有機化合物(VOC、Volatile Organic Compounds)が汚染源とされるほか、カビや微生物による空気汚染も原因となるといわれている。

その対策として、住宅性能表示制度における空気環境としてホルムアルデヒド濃度を表示することとされているほか、建築基準において、居室を有する建築物については、居室内において化学物質の発散による衛生上の支障がないように建築材料、および換気設備についての一定の技術的基準に適合すべきとされている。これによって、マンションなど特に気密性の高い住宅においては、ホルムアルデヒドを発散する恐れのある建築材料を使用しない場合であっても、家具からの発散の恐れがあるため、原則として、常時換気が可能な構造の機械換気設備等の設置が義務付けられている。

湿式壁

水を用いて施工した建物の壁をいう。鉄筋コンクリートや壁土、モルタルなど、伝統的な建築材料によって施工されるものは湿式壁である。堅牢性、遮音性等に優れるとされるが軽量化が難しい。

一方、石膏ボード使ったものを乾式壁という。

実質賃料

不動産鑑定評価における概念で、貸主に支払われるすべての経済的対価をいう。

賃料の鑑定評価に当たっては、実質賃料を求めることが原則とされている。

実質賃料を構成するのは、

1.支払い時期に支払われる賃料(支払賃料)
2.権利金、敷金、保証金等の運用益および償却額
3.必要経費等

である。

なお、共益費等の名目で支払われる金銭のなかには、実質的に支払賃料に相当するものが含まれている場合がある。

実質投資主名簿

不動産投資信託の投資法人において、投資主が保管振替制度を利用している場合に、証券保管振替機構からの通知にもとづいて投資法人が作成する名簿のこと。

保管振替制度とは、上場株券の保管・受渡しを合理化するために、平成3年から実施されている制度である。すべての上場株式がこの制度の適用を受けており、投資証券もこの制度の適用を受ける。

投資主がこの保管振替制度を利用している場合、投資証券の券面上の名義人は便宜的に「証券保管振替機構」とされている。
そのため、投資法人が作成する投資主名簿上では、保管振替制度適用分については、「証券保管振替機構」が便宜上の投資主とされる。

従って、実際に投資口の権利を持つ個々の投資主の住所氏名等を、投資法人が管理するには、別の名簿を作成する必要性が生じることになる。このような管理目的で作成される名簿が「実質投資主名簿」である。

この「実質投資主名簿」の作成方法は次のとおり。

まず、投資法人の規約で定める「権利確定日」までに、証券保管振替機構(および個々の投資主が取引口座を有する証券会社)が、個々の投資主の住所氏名等を、投資法人へと通知する。
次に、投資法人が、振替機構(および証券会社)から通知された個々の投資主の住所氏名等の情報をもとに「実質投資主名簿」を作成する。

このようにして作成された「実質投資主名簿」に記載された投資主は、分配金を受け取る権利を取得し、投資主総会に出席する権利を獲得する。

従って、このような実質投資主名簿の存在によって、保管振替制度を利用する投資主は、自己の投資主としての権利を確実に行使できるようになるということができる。

なお権利確定日は、各投資法人の「規約」で定められているが、通常は権利確定日とは「決算日」のことである(詳しくは「権利落ち」へ)。

失踪宣告

人が居所を去った後、長期間にわたって生死が不明である場合には、残された関係者はその後の生活を営むうえでさまざまな制約を強いられる結果となる。
そこで民法は、法律上その人が死亡したものとみなす制度を設けており、これを「失踪宣告」と呼ぶ(民法第30条)。

失踪宣告には、居所を去った後7年間生死不明であることを要件とする「普通失踪」と死亡の原因となるべき危難(戦争や船舶の沈没など)に遭遇したことを要件とする「特別失踪」という2種類がある。

失踪宣告を受けた場合、普通失踪については7年間の生死不明の期間が経過した時点で、特別失踪については危難の去った時点において、その人が死亡したものとみなされる(民法第31条)。

その結果、失踪宣告を受けた人について、死亡とみなされた時点から相続が開始することになる(民法882条)。
また死亡とみなされた時点において、婚姻(結婚)は当然に消滅する。

ただし姻族の関係(結婚によって生じた親戚関係)は当然に消滅するのではなく、配偶者が姻族関係の消滅の意思を表示する必要がある(民法728条)。

なお失踪宣告を受けるには、配偶者・相続人・保険金受取人などの利害関係者が家庭裁判所に請求する必要がある。要件を満たす請求があったとき、家庭裁判所は失踪の宣告をしなければならない(民法第30条)。

なおこのほかに、死亡が確実だが死体が確認できないという場合のために「認定死亡」という制度が用意されている(詳しくは認定死亡へ)。

失踪宣告の取消し

失踪宣告を受けた者が生存している場合(または失踪宣告によって死亡したとみなされる時期とは異なる時期に死亡していたことが判明した場合)には、家庭裁判所は、利害関係人の請求により、失踪宣告を取り消さなければならない(民法第32条第1項本文)。

この失踪宣告の取消しは、失踪宣告を受けた者が死亡したとみなされた時点にまで遡って、その効果を生ずる。具体的には、失踪宣告による死亡により発生した相続は無効となり、相続人は失踪者が生存していれば、相続財産を失踪者に返還する必要が生じる。

ただしこの点については、取消しの効果の制限という制度が設けられており、善意の相続人等が保護されている。

実測売買

土地の売買契約において、取引価額を実測面積によって確定する場合をいう。

面積を確定するための測量が必要で、隣地との境界が確定していないと実測面積そのものを測ることができない。境界を確定するには労力を要することも多いが、その分、契約後の憂いは少ない。また、売買契約後に実測面積を確定して取引価額を精算することがあるが、これも実測売買である。

なお、実測売買とは別の簡便な方法として、公簿売買がある。

詳しくは、「公簿売買と実測売買」を参照。

実務経験(宅地建物取引主任者の登録における~)

宅地建物取引主任者として登録する際に必要とされる、宅地建物取引業に従事した経験をいう。

宅地建物取引主任者資格試験に合格した者が主任者として登録を申請しようとする場合には、原則として宅地建物の取引に関し2年以上の実務の経験を有することが必要とされている。この経験は、免許を受けた宅地建物取引業者としての経験、または宅地建物取引業者のもとで勤務していた経験でなければならず、また、経験として認められる実務は、顧客への説明、物件の調査等の具体的な取引に関する業務であるとされている。

なお、実務経験がない場合でも、国土交通大臣が実務の経験を有する者と同等以上の能力を有すると認めた者は、主任者として登録を申請できることとされている。例えば、宅地または建物の取引に関する実務についての講習であって国土交通大臣の登録を受けたもの(登録実務講習)を修了した者が、これに該当する。

実務講習

登録実務講習を参照。

指定管理者制度

地方公共団体が設置する公の施設の管理を、民間事業者が担う仕組みをいう。

平成15(2003)年に地方自治法の改正によって導入された制度であり、施設の管理権限そのものを地方公共団体が指定する団体(指定管理者)に委任できることとした。委任の対象となる施設や管理者の指定手続きは条例で定められるが、指定管理者を公募したのち、あらかじめ定める基準に従って選定し、期間を定めて指定するのが一般的である。また、指定に当たっては、議会の議決を経なければならないとされている。

「公の施設」とは、住民の福祉を増進する目的をもってその利用に供するための施設であるとされ、文化施設、社会福祉施設、体育施設、観光施設などがこれに該当する。これらの施設については、原則として住民の利用を拒むことはできず、また、利用に関して不当な差別的取り扱いをしてはならないとされているが、指定管理者が管理する場合にもこの原則が適用される。

なお、指定管理者が管理する場合の管理の基準、利用料金の設定などの受任に当たっての条件は、条例に基づき、委任する地方公共団体との間の契約によって定められることとなる。また、指定管理者は、事業報告書を毎年度提出するなどの義務を負う。

指定緊急避難場所

災害が発生し、または発生する恐れがある場合にその危険から逃れるための避難場所をいい、災害の原因となる異常現象(洪水、津波など)の種類ごとに市町村長が指定し、公示される。

指定された避難場所の管理者は、場所の廃止や重要な変更について届けなければならないとされ、この制限は、宅地建物取引の営業における重要事項説明の対象とされている。

指定区域(土壌汚染対策法の~)

土壌汚染状況調査の結果、その土地の土壌の特定有害物質による汚染の状態が、法定の基準に適合しないと認められる場合には、都道府県知事は当該土地の区域を、特定有害物質によって汚染されている区域として指定する必要がある(土壌汚染対策法第5条)。このようにして知事に指定された区域を、土壌汚染対策法では「指定区域」と呼んでいる。

都道府県知事はこの「指定区域」を指定するに当たっては、次のように詳細な事項を都道府県の公報に(土壌汚染対策法施行令により市長が事務を行なう場合には市の公報に)公示しなければならない(土壌汚染対策法施行規則第19条)。

1.法定基準に適合していない特定有害物質の名称
2.当該土地の所在市町村、大字、字、小字および地番
3.一定の地物、施設、工作物からの当該土地までの距離および方向
4.当該土地の平面図

指定区域外土壌入換え

汚染土壌について、土壌の直接摂取による健康被害の恐れがある場合における土壌汚染の除去等の措置の一つ。

原則として地表から50cm以上の汚染土壌の層の掘削除去を行ない、指定区域外より持ち込んだ汚染されていない他の土壌により埋め戻すものである。ただし、地表面を高くしても居住者の日常生活に著しい使用を生じないのであれば、50cm以内の必要な範囲で土壌を掘削し、その上を50cm以上の土壌の層により覆うこととしてもよい(環境省の「土壌汚染対策法ガイドライン」を参考とした)。

指定区域内土壌入換え

汚染土壌について、土壌の直接摂取による健康被害の恐れがある場合における土壌汚染の除去等の措置の一つ。

地表から50cmの範囲にある汚染土壌を掘削し、当該指定区域内のいずれかの場所において地表から50cm以上の深部に当該汚染土壌を埋め戻し、その上を指定区域内の汚染されていない土壌により50cm覆うことである(環境省の「土壌汚染対策法ガイドライン」を参考とした)。

指定住宅紛争処理機関

建設住宅性能評価書が交付された住宅について、建設工事の請負契約または売買契約に関する紛争が発生した場合に、紛争の当事者の双方または一方からの申請により、紛争のあっせん・調停・仲裁の業務を行なう機関を「指定住宅紛争処理機関」という(住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)第63条)。

指定住宅紛争処理機関になることができるのは、各都道府県の弁護士会または民法上の社団法人・財団法人に限定されている(同法第62条)。 平成15年4月現在では、各都道府県の弁護士会の内部に設置されている「住宅紛争審査会」(全国で51機関)が、この指定住宅紛争処理機関として国土交通大臣により指定されている。
ただし、現時点では紛争当事者からの紛争処理の申請件数は年間数件程度という低水準にとどまっている。

このような指定住宅紛争処理機関の利用に関して次の点が重要と思われる。

1.建設住宅性能評価書が交付されている住宅であることを要する。
住宅性能評価を受けていない住宅は、指定住宅紛争処理機関による紛争処理を申請することができない。
また、住宅性能評価書には設計住宅性能評価書・建設住宅性能評価書の2種類が存在するが、設計住宅性能評価書だけが交付されている場合にはこの紛争処理を申請することができない。

2.紛争処理を申請する際の費用は原則として1万円。
住宅品質確保法69条および同法施行規則第104・105条により、紛争処理を申請する際の手数料は1万円とされている。ただし、鑑定等に要する費用を紛争の当事者が別途負担するように指定住宅紛争処理機関が定めることも可能とされている。

3.紛争処理の対象は、評価書に記載された事項に限定されない。
指定住宅紛争処理機関が扱う紛争の範囲は、建設住宅性能評価書に記載された事項に限定されない。例えば、住宅の欠陥を原因として居住者に健康被害が発生したような場合には、その住宅の欠陥の物的損害だけでなく、健康被害による損害についてもあっせん・調停・仲裁を申請することができる。
また例えば、共同住宅の建設住宅性能評価書において、重量床衝撃音などの「音環境に関すること」を全く検査せず、音環境の評価結果が存在していない事例であっても、上階からの衝撃音が大きく生活に支障をきたすような場合には、その住宅の欠陥に対してあっせん・調停・仲裁を申請することが可能である。

4.民事裁判への移行も可能。
あっせん・調停には和解契約としての効力が発生し、仲裁には民事訴訟の確定判決と同じ効力が発生するとされているが、そもそも紛争当事者の双方の合意がなければ、あっせん・調停・仲裁を行なうことはできない。
従って、紛争当事者の双方が合意に至らない場合には、紛争当事者は通常どおりの民事訴訟を提起することができる。また、指定住宅紛争処理機関による紛争処理を申請しないで、初めから民事訴訟を提起することも当然可能である。

指定調査機関(土壌汚染対策法の~)

土壌汚染対策法第3条および第4条に定める土壌汚染状況調査では、土地所有者等は環境大臣が指定する者に調査をさせなければならない。このように環境大臣が指定する調査機関のことを「指定調査機関」という(詳しくは「土壌汚染調査機関」)。

指定避難所

災害の危険性があり避難した住民等を災害の危険性がなくなるまでの間滞在させ、または災害により住居に戻れなくなった住民等を一時的に滞在させるために市町村長が指定した施設をいう。指定避難所は災害の種類を問わず指定することとされ、公示される。

指定された避難所の管理者は、施設の廃止や重要な変更について届け出なければならないとされ、この制限は、宅地建物取引の営業における重要事項説明の対象とされている。

指定流通機構

指定流通機構とは、宅地建物取引業者間で不動産情報を交換するために、宅地建物取引業法第50条の2の4第1項の規定により、国土交通大臣が指定した公益法人のことである。
全国では地域ごとに次の4つの公益法人が「指定流通機構」として指定されている。

1.公益財団法人 東日本不動産流通機構
2.公益社団法人 中部圏不動産流通機構
3.公益社団法人 近畿圏不動産流通機構
4.公益社団法人 西日本不動産流通機構

私道

民間の個人や法人が所有している道路を「私道」という。

「私道」には、特定の個人のために築造されたものもあれば、不特定多数の人が通行するために築造されたものもある。
「私道」は一定の手続きを経ることによって「建築基準法上の道路」になることができる。
この手続きは「道路位置指定」と呼ばれている。

指導・助言・勧告

行政指導のことをいう。 行政機関が特定の者に対して一定の作為または不作為を求めることで、法律上の強制力はない。

宅地建物取引業法は、国土交通大臣または都道府県知事が、宅地建物取引業の適正な運営を確保し、または宅地建物取引業の健全な発達を図るために必要な指導、助言および勧告をすることができると規定している。そして、その指導・助言・勧告に従わないときには、法律上の強制力を持つ監督処分がなされる恐れがある。しかしながら、指導・助言・勧告はあくまでも任意の措置である。

行政手続法では、行政指導を行なう際には、その趣旨や内容、指導の責任者を明確に示し、相手方が書面の交付を求めたときには行政上特別の支障がない限り交付しなければならないと規定されている。

私道負担

不動産の売買において、対象となる土地の一部が「私道の敷地」となっているとき、その私道の敷地の部分を「私道負担」と呼んでいる。

私道負担に関する事項は、重要事項として説明しなければならない。また、不動産広告では、区画面積と私道負担面積とを分けて表示しなければならないとされている。例えば、「土地面積100平方メートル、別に、私道負担面積5平方メートル」のように、わかりやすく表示する必要がある。

支払督促

民事訴訟法第382条から第396条に規定されている、金銭債権を回収するための簡易な請求手続きのことである。支払命令・督促命令と呼ばれることもある。

支払督促を行なうには、債権者は、債務者の住所地を管轄する簡易裁判所に対して、請求する金額や請求の原因などをごく簡単に記載した支払督促申立書を提出し、通常の裁判費用の半額に相当する印紙を納付する必要がある。

簡易裁判所ではこの申立書にもとづき、支払督促を発令し、債務者に支払督促正本が郵送される。債務者が正本送達の翌日から2週間以内に異議申立てを行なえば、正式な裁判に移行することになるが、異議申立てを行なわなければ、債権者は2週間が経過した日の翌日から30日以内に、仮執行宣言の申立てをすることができる。

債権者が仮執行宣言の申立てをすると、簡易裁判所は、仮執行宣言付支払督促を発令し、仮執行宣言付支払督促正本が債務者に送達される。これに対して、2週間以内に債務者からの異議申立てがなければ、支払督促は確定判決と同一の効力を得ることとなる。

このように、早ければ申立書提出から1ヵ月程度で確定判決と同一の効力が発生し、しかも費用が通常裁判の半分であるので、支払督促は、主に少額の融資を迅速に回収する手段として多用されている(なお売掛金・未収金・未払金の回収など、金銭債権すべてについて利用できる)。

支払命令

簡易裁判所において行なう金銭債権を回収するための簡易な請求手続きのこと。

正式名称は支払督促である(詳しくは支払督促へ)。

地盤沈下

地盤が圧縮され、沈んでいく現象をいう。

単に地盤が低下するだけでなく、沈下量が場所によって異なることによる不同沈下、支持層に支えられた構造物が相対的に高くなる抜け上がりなどの現象を伴うことが多い。
その原因は、主として地下水の過剰な汲み揚げである。ときには、埋め立て地や盛り土が荷重により圧縮されて沈下することもある。

建物等の地上構造物の損壊や傾きの発生、地中のガス管等のライフラインの破損、津波や高潮に対する脆弱性の増大などの被害が生じることがある。新築分譲した建物が地盤沈下によって損壊したときには、原因によっては瑕疵担保責任を問われる恐れが大きい。

地袋

床面に接して設けられた高さの低い袋戸棚のこと。床の間の違い棚の下部、あるいは和室の窓の下部等に設置される。

私募

有価証券を新規に発行するときの方法の区別で、50名以上の者を申込みの勧誘の相手方とするものを公募、50名未満の者を相手方とするものを私募という。

発行価額に応じて有価証券通知書や届出書が必要になるが、公募か私募かの違いによってその取扱いが異なる。私募は、機関投資家を相手に行なわれることが多い。

一般に、公募すれば広い範囲から投資家を集めることができて証券の流通性を高めることができる一方、私募であれば発行コストが低く、あらかじめ保有者を確定しやすい。

私法

法のうち市民相互の関係を規律付けるものをいう。

国民と国家との関係を規律付けるのが「公法」であり、法の体系は、私法と公法の大きな2つの類型に分けることができる。

私法は、市民の相互関係を対象とする規律であるから、自由平等の関係を基盤に、私益を調整することを目的とする。一方、公法は、支配服従の関係を定めて公益の実現をめざすことに特徴があるとされる。

私法の一般法は民法である。民法の基本原理は、

1.法の下の平等、2.私的財産権の絶対性、3.契約自由の原則(私的自治)、4.過失責任主義

であるとされるが、これらの原理はいずれも私法の基本的な特徴でもある。私法を構成する代表的な法律は、民法のほか、借地借家法、商法、会社法などである。

私法と公法とを区分することに対しては、私的活動に対する行政の関与が拡大することに伴って両者を区分する必然性が薄れたこと、労働法や産業法のような公益上の理由で市民相互の関係を規律付ける法律分野(社会法といわれ、私法と公法の中間的な性格を持つとされる)が出現したことなどにより、その意味を失ったという意見もあるが、法の本質的な性格を明確にする基本的な視点を提供すること、法概念を分析するための基盤となることなど、区分することの理論的な有効性はいまなお失われていない。

司法書士

不動産の権利に関する登記の専門家。

不動産登記簿の「甲区」および「乙区」に登記すべき事項について、登記申請者から依頼を受けて登記申請書の作成を行ない、登記申請者の代理人として登記の申請を代理する。

また、会社の設立登記や役員変更の登記などの商業登記についても、不動産登記と同様に申請書を作成し、申請を代理することができる。

その他に、本人が行なう訴訟のための訴訟書類の作成援助、契約書の作成と助言も司法書士の業務とされている。また司法書士法の改正により2003年4月1日以降は、簡易裁判所における訴訟手続きの代理、裁判外での和解の代理なども司法書士の業務に加えられることになっている。

死亡等の届出(宅地建物取引主任者における)

宅地建物取引主任者の登録を受けている者について、死亡等の一定の事情が発生した場合に、相続人等の一定の者が知事に対して行なうべき届出のこと。

宅地建物取引主任者として業務に従事するためには、その前提条件として、都道府県知事より宅地建物取引主任者の登録を受けることが必要である(宅地建物取引業法第22条の2第1項、第18条第1項)が、この登録を受けた者について死亡等の一定の事情が発生した場合には、その旨を、登録を受けた都道府県知事に対して届出なければならず、この届出を「死亡等の届出」という(法第21条)。

死亡等の届出が提出された場合、都道府県知事はその届出にもとづいて宅地建物取引主任者の登録を消除しなければならない(法第22条第2号)。

また、死亡等の届出に該当する事由(下記1.および2.の事由)が生じていることが知事において判明した場合には、知事は死亡等の届出が提出されていないときでも、職権により登録を消除しなければならない(法第22条第3号、法第68条の2第1項第1号)。
(詳しくは宅地建物取引主任者の登録の消除へ)

死亡等の届出を提出すべき事由と提出方法は次の1.および2.のとおりである。

1.死亡した場合
登録を受けた者が死亡した場合は、その者の相続人が、その事実を知った日から30日以内に、登録を受けた知事に対して、宅地建物取引主任者死亡等届出書(施行規則様式第7号の2)を提出しなければならない(法第21条第1号)。
届出期間は「死亡から30日以内」ではなく「死亡の事実を知った日から30日以内」であることに注意。

2.法第18条第1項第1号から第5号の2までの欠格事由が生じた場合
登録を受けた者について、宅地建物取引主任者の登録が不適当とされるような一定の欠格事由(法第18条第1項第1号から第5号の2までの事由)が発生した場合には、宅地建物取引主任者の登録を消除する必要がある。
(欠格事由について詳しくは宅地建物取引主任者の登録の基準へ)
この場合には、原則として本人(欠格事由が「成年被後見人又は被保佐人となったこと」(法第18条第1項第2号)であるときは、届出を行なうのは本人ではなく、後見人または保佐人(法第21条第3号))が、その事実が発生した日から30日以内に、登録を受けた知事に対して、宅地建物取引主任者死亡等届出書を提出しなければならない(法第21条第2号、第3号)。

私募ファンド

投資家から資金を募って運用する事業のなかで、資金を募る対象者が狭く限定されているものをいう。

また「プライベートファンド」ということもある。通常、募集対象が50人未満のものを指すが、特に対象を適格機関投資家に限った「プロ私募」による事業も私募ファンドの一つである。また、募集対象者を選別するような私募ファンドもある。

一般的に、ハイリスク・ハイリターンの運用をめざすことが多く、通常、不動産投資が組み込まれる。オポチュニティファンドと似た性格を帯び、運用者の裁量の範囲が大きい。

市民農園

主として都市の住民のレクリエーション等の用に供するための農地及びその保全・利用のための施設をいう。農地は、農地法の規定によって原則として農業のために利用しなければならないとされているが、市民農園の農地はその例外となる。その開設・運営に当たっては、農地関係法令等への適合が求められる。

市民農園を開設する方法は、(1)特定農地貸付けによる方法、(2)権利を設定することなく非営利目的で耕作する方法、の大きく二つに分かれる。また、市民農園の整備を推進するため、市民農園の開設について市町村の認定を受けると特定農地貸付けのための農業委員会の承認があったとみなされる等の特例が定められている(市民農園整備促進法)。

事務所(宅地建物取引業法における

宅地建物取引業法第3条第1項で規定する場所のこと(法第3条第1項、施行令第1条の2)。}
具体的には、次の2種類の場所が「事務所」に該当する(以下の文章は国土交通省の宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方にもとづいている)。

1.本店または支店(施行令第1条の2第1号)
商業登記簿等に記載されており、継続的に宅地建物取引業の営業の拠点となる実体を備えているものを指す。
ただし、宅地建物取引業を営まない支店は「事務所」から除外される。
また本店は、支店の業務を統括する立場にあるため、本店が宅地建物取引業を直接営んでいない場合であっても、その本店は「事務所」に該当するものとされる。

2.上記1.以外で「継続的に業務を行なうことができる施設」を有する場所で、宅地建物取引業に係る「契約を締結する権限を有する使用人」を置く場所(施行令第1条の2第2号)。

「継続的に業務を行なうことができる施設」とは、固定的な施設であり、テント張りの施設や仮設小屋は含まれない。

「契約を締結する権限を有する使用人」とは、宅地建物取引主任者を指すものではなく、支店長・支配人などのように営業に関して一定範囲の代理権を持つ者を指している(ただし、支店長等が同時に宅地建物取引主任者である場合がある)。
また、「置く」とは常勤の使用人を置くという意味である。 

以上の1.と2.の場所を合わせて、宅地建物取引業法では「事務所」と呼んでいる。
従って、会社の登記(商業登記簿)では支店として登記されていなくても、継続的に業務を行なうことができる施設に、宅地建物取引業に係る支店長や支配人を置いていれば、その施設は「事務所」とみなされることになる。

なお、宅地建物取引業法ではよく似た概念として「事務所等」「事務所以外で専任の宅地建物取引主任者を置くべき場所」「標識を掲示すべき場所」「クーリングオフが適用されない場所」を定めているので、それぞれの違いに注意したい。

事務所以外で専任の宅地建物取引主任者を置くべき場所

宅地建物取引業法では、法第3条第1項の「事務所」には専任の宅地建物取引主任者を一定割合以上設置することを義務付けている(詳しくは宅地建物取引主任者の設置義務)。

しかし、法第3条第1項の「事務所」に該当しない案内所・展示会等であっても、契約締結等を行なう場合には、宅地建物取引業の業務の適正を確保すべき必要性が非常に高いといえる。
そこで宅地建物取引業法では、こうした案内所等が一定の要件に該当する場合には、1名以上の成年の専任の宅地建物取引主任者を常時設置するように義務付けているのである(法第15条第1項、第2項、施行規則第6条の2)。

このような「事務所以外の場所であって、専任の宅地建物取引主任者を置くべき場所」とは、具体的には、施行規則第6条の2で規定されている。ただし、この施行規則第6条の2の内容は複雑なので、1.外形的な要件と2.実質的な要件に分けてそれぞれ説明する(なお、以下の文章は国土交通省の宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方にもとづいている)。

1.外形的な要件
施行規則第6条の2で規定する「事務所以外で専任の宅地建物取引主任者を置くべき場所」とは、次の4種類の場所のどれかに該当することが必要である。 1)事務所以外で継続的に業務を行なう施設を有する場所
2)10区画以上の一団の宅地または10戸以上の一団の建物を分譲する場合の案内所
3)他の宅地建物取引業者が分譲する10区画以上の一団の宅地または10戸以上の一団の建物について、代理または媒介をする場合の案内所
4)宅地建物取引業者が展示会その他の催しをする場所

上記の1)は、「事務所」と同等程度に事務所としての物的施設を有してはいるが、宅地建物取引業に係る契約を締結する権限を有する者(支店長・支配人など)が設置されていないせいで、「事務所」から除外されるような場所を指している。
具体的には、「特定の物件の契約または申込みの受付等を行なう場所」「特定のプロジェクトを実施するための現地の出張所」等が該当する。

2)は、一団地(すなわち10区画以上の一団の宅地または10区画以上の一団の建物)の分譲をするための案内所のことである。これには臨時に開設する案内所も含まれる。例えば、「週末に宅地建物取引主任者や契約締結権者が出張して申込みの受付や契約の締結を行なう別荘の現地案内所等のように、週末にのみ営業を行なうような場所」も含まれる。

3)は、上記2)の分譲について、販売の代理や媒介を行なう宅地建物取引業者が設置する案内所を指している。

4)は、「宅地建物の取引や媒介契約の申込みを行なう不動産フェア」「宅地建物の買換え・住替えの相談会」「住宅金融公庫融資付物件等のように一時に多数の顧客が対象となる場合に設けられる抽選会」「売買契約の事務処理等を行なう場所」などのように、催しとして期間を限って開催されるフェア・展示会・相談会・抽選会その他を指している。

2.実質的な要件
上述の1.の1)から4)の場所において、契約を締結しまたは契約の申込みを受けるとき、その場所は「事務所以外で専任の宅地建物取引主任者を置くべき場所」となる。

ここで、「契約の締結」「契約の申込みを受ける」という言葉の具体的な意味が「宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方」で詳しく規定されているので以下で紹介する。

1)契約の締結
契約とは、「宅地建物の売買・交換の契約(予約を含む)」「宅地建物の売買・交換・貸借の代理・媒介の契約(予約を含む)」を指している。従って、物件の売買契約だけでなく、物件の売買の媒介契約や、物件の賃貸の媒介契約なども含まれている。
このような意味での契約を締結するためには、「契約を締結する権限を有する者が派遣されている」か、または「契約を締結する権限の委任を受けた者が置かれている」ことが必要となる。

2)契約の申込みを受ける
契約の意味は上記1)と同じである。
また「申込み」とは、契約を締結する意思を表示することであるが、手付金・申込証拠金などの金銭を交付して締結の意思表示をする場合だけではなくて、「物件の購入のための抽選の申し込み」のような金銭の授受を伴わない意思表示も含まれるので、注意したい。
なお「申込みを受ける」ためには、「契約を締結する権限を有する者が派遣されていること」または「契約を締結する権限の委任を受けた者が置かれていること」は必須ではない。この点にも注意したい。

事務所等(宅地建物取引業法における~)

宅地建物取引業法では、その第15条第1項で、一定の場所には、成年で専任の宅地建物取引主任者を置かなければならないと定めている。
この専任の宅地建物取引主任者を置くべき場所のことを、宅地建物取引業法では「事務所等」と表現している。

「事務所等」とは具体的には次の2種類の場所を指す言葉である。

1.「事務所」
原則的には本店・支店を「事務所」と呼ぶ。ただし、本店・支店以外であっても、継続的に業務を行なうことができる施設に宅地建物取引業に係る支店長や支配人を置いていれば、その施設は「事務所」に含まれることになる(宅地建物取引業法施行令第1条の2)。

2.「事務所以外で専任の宅地建物取引主任者を置くべき場所」
これは上記1.の事務所以外であって、専任の宅地建物取引主任者を置かなければならない場所のことである。この場所は宅地建物取引業法施行規則第6条の2において具体的に規定されている。
この規則第6条の2の内容は複雑なので、概略だけをまとめれば「事務所以外で継続的に業務を行なう施設を有する場所」「10区画以上または10戸以上の一団地の宅地建物を分譲する場合の案内所」「他の宅地建物取引業者が分譲する10区画以上または10戸以上の一団地の宅地建物の代理または媒介をする場合の案内所」「宅地建物取引業者が展示会その他の催しをする場所」という4種類の場所であって、契約の締結または契約の申込みの受付をする場所が、この規則第6条の2の場所である。

なお「事務所等」という言葉は、上記のとおり宅地建物取引業法第15条第1項で定義されている。しかし、宅地建物取引業法第37条の2(クーリングオフ)においてもやはり「事務所等」という言葉が使用されている。両者は異なる内容を指しているので注意したい。

社印

会社の印鑑であって、代表者印でも、銀行印でもない印鑑のこと。
印影が正方形であることが一般的なので、「角印」とも呼ぶ。

見積書・請求書などに押印する。

社会保険料控除

ある個人が自分自身の社会保険を支払った場合や、配偶者や扶養親族の社会保険を支払った場合には、その支払金額の全額を、所得から控除することができる。これを社会保険料控除という。

ここでいう社会保険とは、健康保険、介護保険、厚生年金、厚生年金基金、国民年金、国民年金基金などである。

借地権

借地権とは次の2つの権利のどちらかのことである(借地借家法第2条)。

1.建物を所有する目的で設定された地上権
2.建物を所有する目的で設定された土地賃借権

従って、資材置場にする目的で設定された土地賃借権は「借地権」ではない。
また、青空駐車場とする目的で設定された土地賃借権も「借地権」ではないことになる。

借地権割合

土地の更地評価額に対する借地権価額の割合をいう。

土地の価格のうち、借地権者に帰属する経済的利益を示すとされ、地域特性など借地事情によってその値は異なる。一般に、地価が高いほど、借地権割合も高くなるとされる。

相続税や贈与税は借地権に対しても課税されるが、その際に借地権価額を算出するため、国税庁が公表する路線価図や評価倍率表には、借地権割合が表示されている。ただし、その値が実態と常に一致するとは限らないことに注意が必要である。

なお、定期借地権も課税の対象となるが、その場合の借地権割合は、借地権設定期間および残存期間を勘案して割り引いて算出することとされている。

借地借家法

借地権および建物の賃貸借契約などに関して特別の定めをする法律で、民法の特別法である。1991年公布、92年8月1日から施行されている。

従前の借地法、借家法を統合したほか、定期借地権等の規定が創設された。借地借家法では、借地権の存続期間や効力等、建物の賃貸借契約の更新や効力等について、借地権者や建物の賃借人に不利にならないよう一定の制限が定められている。

借家権

建物の賃借権をいう。

建物の賃借権は、通常の賃借権と異なって、借家人を保護するために特別の取扱いを受ける。

主要な保護措置として、

1.登記がなくても家屋の引渡しを受ければ第三者に対抗できること

2.家主の解約や契約更新拒絶には正当事由がなければならないこと

3.契約終了時の造作買取請求権が認められること

4.内縁の妻など同居者による借家権の継承が認められること

などがある。

なお、定期借家権については、原則としてこのような保護の対象とはならない。

借家人に対する補償

土地収用法第88条の通常損失の補償の一つ。政令(土地収用法第八十八条の二の細目等を定める政令)の第25条に規定されている。

収用において、土地等の収用に係る土地にある建物の全部または一部を現に賃借する者がいる場合において、この賃借人がその建物の賃借を継続することが不可能になる場合には、

1.新たに従前の賃借の目的物に照応する物件を賃借するための契約を締結するのに通常要する費用
2.新たに賃借する物件における居住または営業を安定させるために必要な期間中の、当該物件の賃借料と従前の物件の賃借料との差額

が補償される。

遮水工封じ込め

汚染土壌について、地下水汚染を経由した健康被害の恐れがある場合における土壌汚染の除去等の措置の一つ。

汚染土壌を当該土地から掘削し、当該土地に地下水の浸出を防止するための構造物を設置し、さらにその構造物の内部に掘削した汚染土壌を埋め戻すことである。

遮水工の上部は十分な遮水効力と十分な強度を保つ覆いを施し、また上部の利用用途によりさらに覆土する場合がある。
なお遮水工封じ込めを行なう際には、掘削した汚染土壌をいったん指定区域の近傍の土地に仮置きし、掘削した場所に遮水工を施して後に汚染土壌を埋め戻すこととなる(環境省の「土壌汚染対策法ガイドライン」を参考とした)。

斜線制限

建築物の各部分の高さに関する制限をいう。

通風、採光等を確保し、良好な環境を保つことを目的とした制限で、建築物を横から見たとき、空間を斜線で切り取ったように制限されることから斜線制限と呼ばれる。

斜線制限には、道路高さ制限、隣地高さ制限、北側高さ制限、日影規制がある。

1.道路高さ制限は、前面道路の反対側境界線を起点とする一定勾配の斜線の範囲内に、

2.隣地高さ制限は、隣地境界線から一定以上の高さを起点とする一定勾配の斜線の範囲内に、

3.北側高さ制限は、北側隣地(道路)境界線上の一定の高さを起点とする一定勾配の斜線の範囲内に、

4.日影規制は、敷地境界から一定の距離を設定してそのラインを越えて一定以上の日影を生じさせないように、

それぞれ建築物の高さを収めなければならないとされている。

制限される高さの具体的な算出方法は、用途地域の指定などの都市計画の状態等によって異なる。

遮断工封じ込め

汚染土壌について、地下水汚染を経由した健康被害の恐れがある場合における土壌汚染の除去等の措置の一つ。
汚染土壌を当該土地から掘削し、当該土地に必要な水密性および耐久性を有する構造物を設置し、さらにその構造物の内部に掘削した汚染土壌を埋め戻すことである。

遮断工封じ込め措置は、遮水工封じ込め措置よりもさらに厳重な封じ込め措置である。
遮断工の上部は十分な遮水効力および措置実施後の上部の利用用途により破損しないような十分な強度を保つ覆いを施し、また、上部の利用用途によりさらに覆土する場合がある。

なお、遮断工封じ込めを行なう際には、掘削した汚染土壌をいったん指定区域の近傍の土地に仮置きし、掘削した場所に遮断工を施して汚染土壌を埋め戻すこととなる(環境省の「土壌汚染対策法ガイドライン」を参考とした)。

ジャロジー

細長い羽根を上下に並べ、羽根を回転させることで開閉ができる窓のこと。外部からの視線を遮る効果があること、狭い空間でも開閉がしやすいことから、浴室・トイレなどの窓によく使用される。

シャンプードレッサー

洗髪や化粧にも使える洗面台をいう。
例えば、大きめの洗面ボウル、シャワー機能付きの水栓、三面鏡、収納スペースなどを備えた多機能型の洗面台がこれに当たる。

受遺者

遺言によって遺産の譲与を受ける者。受遺者が法人の場合もある。遺言による遺産の譲与を「遺贈」といい、相続人は原則として受遺者に対して遺贈を履行する義務を負う。

なお遺贈には、遺産の全体についてのもの(包括遺贈)と特定の財産についてのもの(特定遺贈)とがあり、その違いに応じて受遺者の法律的な取扱いが異なる。すなわち、包括遺贈の場合には受遺者に対して遺産分割など相続人と同様の法律規定が適用される一方、特定遺贈の場合には直ちに受遺者に権利が移転すると解されている。

収益還元法

不動産鑑定評価において、対象不動産が将来生み出すであろうと期待される収益をベースとして対象不動産の価格を求める手法のこと。この収益還元法による試算価格を「収益価格」という。

収益還元法は、さらに直接還元法とDCF法に分けることができる。

直接還元法とは、ある一期間の純収益(総収益から総費用を控除した残額)をある一定の利回り(これを「還元利回り」という)で割ることで、収益価格を求める方法である。
またDCF法とは、連続する複数の期間におけるそれぞれの期間の純収益を、各期間に対応した割引率で割ることにより現在価値へと換算し、それらの現在価値の合計値を収益価格とする方法である。

収益事業

 公益社団法人等の非営利法人、マンション管理組合等の人格のない社団などが行なう事業のうち、法人税の課税対象とされるものをいう。34種類の事業が指定されている。従って、収益事業に該当しない事業については非課税である。

指定されている事業は、次のとおりである。

1.物品販売業 2.不動産販売業 3.金銭貸付業 4.物品貸付業 5.不動産貸付業 6.製造業 7.通信業 8.運送業 9.倉庫業 10.請負業 11.印刷業 12.出版業 13.写真業 14.席貸業 15.旅館業 16.料理店業その他の飲食店業 17.周旋業 18.代理業 19.仲立業 20.問屋業 21.鉱業 22.土石採取業 23.浴場業 24.理容業 25.美容業 26.興行業 27.遊技所業 28.遊覧所業 29.医療保険業 30.技芸教授業 31.駐車場業 32.信用保証業 33.無体財産権の提供等を行う事業 34.労働者派遣業

なお、公益社団法人・公益財団法人については、収益事業であっても公益目的事業に該当するものは非課税である。また、一般社団法人・一般財団法人については、収益事業に限定した課税が適用されるのはその法人が共益的活動を目的とし、非営利性が徹底されている場合(非営利法人の要件を満たす場合)だけであり、これに該当しない場合には全所得に対して課税される。

税率は原則として一般の法人と同じであるが、学校法人、社会福祉法人など特定の公益法人については税率が低減されている。

集会(区分所有法における~)

分譲マンションのような区分所有建物において、建物および敷地の管理に関する事項を決定するために、少なくとも年に1回以上開催される区分所有者の集会のこと。

区分所有建物では、区分所有者は管理組合の構成員となる。この区分所有者の全員が参加する意思決定機関が「集会」である。一般的には「管理組合総会」「管理組合集会」「総会」とも呼ばれるが、区分所有法では「集会」という名称を使用している。

区分所有法では、「管理者は、少なくとも毎年1回集会を招集しなければならない」と定めている(同法第34条第1項・第2項)。ここでいう管理者とは通常は、管理組合の理事長のことである。また年に1回以上定期的に開催される集会は、一般的には「通常総会」と呼ばれている。

このほかに、特定の議案を審議するために区分所有者の一定数以上の請求により臨時的に集会を開催することも可能であり、こうした集会は「臨時総会」と呼ばれている(区分所有法第34条第3項から第5項)。

集会を開催する場合、管理者(理事長)は、開催日より1週間以上前に、開催日時・開催場所・議案の概要を各区分所有者に通知する必要がある(区分所有法第35条)。ただし区分所有者全員が同意した場合に限り、こうした招集手続きを省略することも可能である(区分所有法第36条)。

集会が開催されると、原則として管理者(理事長)が議長となり、あらかじめ通知された議案が審議される。議案を議決する方法としては、普通決議と特別決議がある。

区分所有者は集会に自ら出席して、議案を審議するのが原則であるが、出席できない場合には、書面によって議決を行なうことができ、また代理人を選任して代理人を出席させることも可能である(区分所有法第39条第2項)。

書面による場合には、あらかじめ各議案についての賛成・反対の意見を表明した書面(議決権行使書という)を、管理者(理事長)に提出しておく。また代理人を選任する場合には、その代理人を選任したことを証明するための書面(委任状)を管理者(理事長)に提出する。

集会の議事の内容については、議長が議事録を作成しなければならない(区分所有法第42条)。この議事録は管理者(理事長)が保管し、関係者の請求があったとき、管理者はいつでもこの議事録を閲覧させる必要がある(区分所有法第42条・第33条)。

このように集会は、区分所有者の最高の意思決定機関であるが、日常的な管理組合の運営については集会の下部機関として管理規約にもとづき「理事会」が組織されており、さまざまな業務を執行している。

従業者(宅地建物取引業法における~)

宅地建物取引業法第48条の規定により、従業者証明書を携帯させるべき者のことを「従業者」という。

この従業者の定義は、国土交通省のガイドラインである宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方に規定されている。

それによれば、従業者は従事者よりも広い概念である。具体的には、従業者とは「従事者」と「非常勤の役員」と「宅地建物の取引に直接的な関係が乏しい業務に臨時的に従事する者」を合わせたもののことである。

こうした従業者について、宅地建物取引業者は次の2つの義務を負う。

1.従業者証明書の携帯義務(宅地建物取引業法第48条第1項)
2.従業者名簿の作成義務(宅地建物取引業法第48条第3項)

また従業者自身は、宅地建物取引業法第31条に定める「業務に関する禁止事項」を遵守する義務を負い、宅地建物取引業法第75条の2に規定する「守秘義務」を負う。

従業者証明書

宅地建物取引業者は、その「従業者」に対して、その従業者であることを証する証明書を携帯させなければ、その者をその業務に従事させてはならない(宅地建物取引業法第48条)。
この証明書を「従業者証明書」と呼んでいる。

この「従業者証明書」は、宅地建物取引業者が作成してその従業者に交付するものであり、従業者の顔写真が付いたカード型のものである。
なお従業者は、取引の関係者から請求があった場合には、この「従業者証明書」を提示しなければならない(宅地建物取引業法第48条)。

従業者名簿

宅地建物取引業法第48条の規定により、従業者証明書を携帯させるべき者のことを「従業者」という。

この従業者について、宅地建物取引業者は、その事務所ごとに「従業者名簿」を作成して備え付け、最終の記載をした日から少なくとも10年間保存しなければならないという義務を負う(宅地建物取引業法第48条第3項、同法施行規則第17条の2)。

さらに宅地建物取引業者は、取引の関係者から請求があったときは、この「従業者名簿」をその者の閲覧に供しなければならないという義務を負う(宅地建物取引業法第48条第4項)。

この「従業者名簿」に記載すべき事項は次のとおりである(宅地建物取引業法施行規則第17条の2)。

1.従業者の氏名・住所
2.従業者証明書の番号
3.生年月日
4.主たる職務内容
5.取引主任者であるか否かの別
6.当該事務所の従業者となった年月日
7.当該事務所の従業者でなくなったときは、その年月日

住居番号

「住居表示に関する法律」により、各建物に付された番号のこと。
土地登記簿に記載された地番とは異なる。

住居表示

昭和37年以前は、土地登記簿に記載されている地番に基づいて、各建物を表示していたため、郵便の集配等で混乱が生じていた。
そこで昭和37年に「住居表示に関する法律」が施行され、各建物を合理的に表示するために、各建物ごとに新しい番号(これを住居番号という)を付けることとなった。これによる建物の新しい表示の方法のことを「住居表示」と呼んでいる。

建物ごとに新しい番号を付ける方式としては、街区方式と道路方式が定められている。

自由刑

刑罰のうち、犯人の自由を剥奪する刑罰のこと。
自由刑としては、重い順に「懲役、禁固、拘留」がある。

懲役は「犯人を拘禁し、作業を課す」という刑罰であり、有期と無期に分かれる。有期ではその刑期は犯罪ごとに異なっているが、最高で15年、最短でひと月とされている(ただし最高で20年まで加重することができる)。

禁固は「犯人を拘禁する」という刑罰であり、作業をしなくてよい点に特色がある(ただし、受刑者の要望により作業することは可能である)。禁固が適用される犯罪は、過失犯などごく一部の犯罪に限定されている。

拘留は、公然わいせつ罪、暴行罪、侮辱罪、軽犯罪などに適用される刑罰であり、刑期は「1日以上30日未満」と短く、監獄ではなく拘留場で執行される。

従事者(宅地建物取引業法における~)

宅地建物取引業法の規定により、宅地建物取引業者はその事務所において「従事者」の数の5分の1以上の割合で、成年の専任の宅地建物取引主任者を置く義務を負う(宅地建物取引業法第15条第1項、同法施行規則第6条の3)。

この成年の専任の宅地建物取引主任者の設置義務は、宅地建物取引業者にとって非常に重要な義務であるので、従事者の範囲は重要な意味を持っている。

この点について、国土交通省の宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方は次のようなガイドラインを設けている。

1. 宅地建物取引業のみを営む宅地建物取引業者の場合
代表者、役員(非常勤の役員を除く)およびすべての従業員等が「従事者」に含まれる。受付、秘書、運転手等の業務に従事する者も「従事者」に含まれる。
ただし、宅地建物の取引に直接的な関係が乏しい業務に臨時的に従事する者は「従事者」から除外される。

2.他の業種を兼業している宅地建物取引業者の場合
代表者、宅地建物取引業を担当する役員(非常勤の役員および主として他の業種も担当し宅地建物取引業の業務の比重が小さい役員を除く)と、宅地建物取引業の業務に従事する者が「従事者」に含まれる。

なお、宅地建物取引業を主として営む宅地建物取引業者にあっては、全体を統括する一般管理部門の職員も「従事者」に含める。

終身建物賃貸借

借主の死亡のときまで存続し、借り主が死亡したときに終了する建物の賃貸借契約をいう。

「高齢者の居住の安定確保に関する法律」によって認められた賃貸借契約で、借地借家法の定める契約ルールの特例である。

この契約を締結する事業者は、住宅のバリアフリー化や前払い家賃の保全措置を講じるなど、一定の条件を満たした上で都道府県知事の認可を得なければならない。また、契約は公正証書等書面によらなければならないとされる。

集成材

厚さ1~3cm程度の挽板またはラミナといわれる小角材を、繊維方向が互いにほぼ平行になるように重ね、合成樹脂接着剤で接着合成し1つの材としたもの。

天然材と比較して、強度性能が高く欠陥が少ない、均一な材を造ることが可能である。

重説

「重要事項説明」の略で、宅地建物取引業者が、売買契約・賃貸借契約の締結に先立って、買主・借主に対して契約上の重要な事項を宅地建物取引業法第35条にもとづき説明すること。

この重要事項説明において宅地建物取引業者が買主・借主に対して交付する書面を「重要事項説明書」という。

不動産の買主・借主は、契約しようとする物件に関して十分な情報を持っていない事がほとんどで、また買主・借主が一般人である場合には不動産に関する法律知識が不十分であるため、思わぬ損害を受けてしまう可能性がある。

そこで、宅地建物取引業法第35条では、売買契約・賃貸借契約を締結するよりも前に、不動産取引を代理・媒介する(または自ら売主として取引する)宅地建物取引業者が、買主・借主に契約上の重要な事項を説明するように法律で義務付けているのである。

重要事項説明にあたっては、説明する重要事項をすべて書面に記載し、買主・借主にその書面(重要事項説明書)を渡す必要があるとされている。この重要事項説明書には、宅地建物取引主任者が記名押印しなければならない。

さらに宅地建物取引業者は、宅地建物取引主任者を通じて、重要事項説明書の内容をわかりやすく買主・借主に説明しなければならない(このとき宅地建物取引主任者は宅地建物取引主任者証を提示しなければならない)。このように、一定以上の知識経験を有すると認められる有資格者(宅地建物取引主任者)が説明することにより、買主・借主に誤った説明がされないよう配慮されているのである。

重要事項説明書に記載すべき事項は、非常に広範囲にわたる。また契約の種類・物件の種類によっても説明すべき事項に多くの違いがある。

修繕義務

建物賃貸借契約においては、貸主は建物の汚損・破損(借主の故意や過失によって発生した汚損・破損を除く)について、必要な修繕を行なう義務を負うものとされている(民法第606条)。

ただし、この民法第606条は任意規定であるので、実際の建物賃貸借契約ではこの修繕義務を貸主と借主でそれぞれ分担するのが通例である。

従前地

土地区画整理事業によって換地される場合の、換地前の土地(従前の宅地)をいう。

土地区画整理事業においては、施行地区内の土地Aは、換地処分によって、造成等を終えた土地Bに換地される。Aが従前地、Bが換地である。この場合、従前地と換地とは、位置、地積、環境等が照応するように定められる。

修繕積立金

管理組合が長期修繕計画に従って修繕を実施するために、区分所有者から毎月徴収した金銭を積み立てたものである。
区分所有者は、管理組合に対して、通常、管理費と特別修繕費を納入するが、この特別修繕費を毎月積み立てたものが「修繕積立金」である。

この修繕積立金は、管理費と混同しないように、管理費とは別に経理することが管理規約において定められていることが多い。

重大な不履行(契約の)

債務の履行について合理的な期待を持てない状態にあることをいう。このような場合には、債務者に故意・過失がない場合にも契約解除を認めるべきであるという私法上の考え方がある。

伝統的に、債務不履行による契約解除には相手方の責めに帰すべき事由が必要であるとされ、民法はこれを採用している。これに対して、契約解除は合理的な期待を失った法的拘束から債権者を解放する役割を果たすのだから、債務者の故意・過失の有無とは無関係にこれを認めるべきであるという考え方(帰責事由不要説)があり、その要件とされるのが「重大な不履行」である(ただしどのような場合が重大な不履行に当たるのかについては必ずしも明確ではない)。

このように帰責事由の取扱いは債務の履行を確保する上で大事な観点であり、そのあり方について議論がある。

住宅インスペクション

既存住宅を対象に、構造の安全性や劣化の状況を把握するために行う検査・調査をいう。
住宅インスペクションは、目視等を中心とした現況把握のための検査、耐震診断等の破壊調査を含めた詳細な調査、性能向上等のための調査など、目的に応じて異なった内容で実施される。

中古住宅の売買に当たっては、現況把握のための検査が実施されるが、そのためのガイドラインとして「既存住宅インスペクション・ガイドライン」(2013年、国土交通省)が公表されている。同ガイドラインの概要は次の通りである。

1)インスペクションは、検査対象部位について、目視、計測を中心とした非破壊による検査を基本にして、構造耐力上の安全性、雨漏り・水漏れ、設備配管の日常生活上支障のある劣化等の劣化事象を把握する方法で行なう。
2)業務の受託時に契約内容等を検査の依頼人に説明し、検査結果を書面で依頼人に提出する。
3)検査を行なう者は、住宅の建築や劣化・不具合等に関する知識、検査の実施方法や判定に関する知識と経験が求められ、住宅の建築に関する一定の資格を有していることや実務経験を有していることが一つの目安になる。
4)公正な業務実施のために、客観性・中立性の確保(たとえば、自らが売り主となる住宅についてはインスペクション業務を実施しないなど)、守秘義務などを遵守する。

住宅街区整備事業

都市計画で定められた市街地開発事業の一つで、大都市地域で住宅や住宅地を供給するために実施される事業をいう。

都市計画で指定された住宅街区整備促進区域内において施行され、土地の区画形質の変更、公共施設の整備、共同住宅の建設などによって住宅の供給を促進する役割を担う。

事業手法の特徴は、従前の権利者に対して、土地区画整理事業と同様に事業によって整備した相応の土地を与える(換地、このとき減歩を伴う)ほか、事業によって建設する共同住宅の相応の持分を与える(権利変換、これにより宅地が立体化される)方法を併用することである。

また、区域内に集合農地地区を整備し、そこへ換地することによって従前の権利者が農業を継続できるようにすることも可能である。

住宅街区整備事業は、土地区画整理事業よりもさらに住宅建設への誘導効果が高いと考えられているが、事業の仕組みはより複雑なものとなるなどの理由により、実際の施行例は数例に留まっている。

なお、事業の仕組みは、「大都市地域における住宅及び住宅地の供給の促進に関する特別措置法」に規定されている。

住宅瑕疵担保責任

新築住宅に瑕疵があった場合に負うべき損害賠償等の責任をいい、「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」において消費者保護のための特別の定めがされ、民法にもとづく一般的な瑕疵担保責任とは異なる扱いがされる。

特別の扱いが適用されるのは、新築住宅の工事または売却の場合であり、瑕疵担保責任を負うのは、工事の請負人または売主である。担保責任の対象となる瑕疵は、「構造耐力上主要な部分」および「雨水の浸入を防止する部分」の「隠れたる瑕疵」で、責任を負う期間は、引渡し時から10年間(ただし欠陥発見から1年以内に責任履行の請求が必要)である。また、契約でこれらとは異なる定めをしても、消費者の不利となる部分は無効となる(強行規定)。

さらに、住宅瑕疵担保責任の履行を確保するために、工事請負人または売主は、

1.工事金額または供給戸数に応じた保証金を供託する
2.住宅瑕疵担保責任の履行によって生じる損害を補填する保険契約を締結する

のいずれかによって資力を確保することが義務付けられている(特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律(住宅瑕疵担保履行法))。

なお責任の詳細は、「売り主の瑕疵担保責任(品確法における~)」および「請負人の瑕疵担保責任(品確法における~)」を参照。

住宅瑕疵担保履行法

新築住宅に係る瑕疵担保責任の履行を確保することを目的とした法律で、正式には「特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律」という。  

同法は、「住宅の品質確保の促進等に関する法律」によって建設業者及び宅地建物取引業者が負う瑕疵担保責任(構造耐力上主要な部分及び雨水の浸入を防止する部分の瑕疵に対する10年間の担保責任)の確実な履行を確保するための規定を定めている。主な規定は次のとおりである。

(1)保証金の供託又は住宅瑕疵担保責任保険による資力の確保
(2)住宅の検査と一体として保険を引き受ける住宅瑕疵担保責任保険法人の指定
(3)住宅瑕疵担保責任保険契約に係る紛争を処理するための体制の整備

なお、宅地建物取引業者が瑕疵担保責任を負うのは、住宅の売り主となる場合である。

住宅金融公庫

特殊法人(政府の機能の一部を担う特別の法律による法人)の一つで、政府の保証を背景とした住宅金融業務を実施することを目的に昭和25(1950)年に設立された。その中心的な業務は、個人住宅向けの資金融資、賃貸住宅建設のための融資、住宅融資保険などであった。だが、民間金融機関の個人向け住宅ローンの拡大等を受けて、平成15年(2003)年10月からは、従来の融資業務を縮小し、新たに始めた証券化支援業務を中心とした民間金融機関による住宅金融の支援・補完機能を担う組織へと転換した。

さらに平成15(2007)年には、住宅金融公庫は廃止され、その権利義務は、(独)住宅金融支援機構に引き継がれた。

住宅金融支援機構

政府の保証を背景とした住宅金融業務を実施することを目的に設立された「住宅金融公庫」の権利義務を引き継ぐ形で平成19(2007)年に設立された。

主な業務は、

1.一般の金融機関の住宅貸付債権の譲受け、住宅貸付債権を担保とする債券に係る債務保証などの業務(証券化支援業務)

2.民間住宅ローンについて保険を行なう業務(融資保険業務)

3.災害関連、都市居住再生等の一般の金融機関による融通が困難な分野で住宅資金を直接に融資する業務(直接融資業務)

である。

なお、住宅金融公庫が民間金融機関と提携して実施していた長期固定金利の住宅資金融資(フラット35)は、証券化支援業務の一つであり、機構が引き続き実施している。

住宅セーフティネット

住宅を確保するのが困難な者に対してその居住を支援する仕組みをいう。

その対象となるのは、低額所得者、被災者、高齢者、障害者、子どもを育成する家庭などの住宅確保要配慮者であり、住宅確保の方法として、

1.公的賃貸住宅の活用
2.民間賃貸住宅の質の向上と優先入居措置等
3.情報提供や相談による円滑な入居支援

が推進されている。

また、住宅セーフティネットは、地域に即して構築することが有効であるとされる。そしてそのための体制として、地方公共団体、宅地建物取引業者や賃貸住宅管理業者の団体、居住に係る支援を行なうNPOなどで構成される居住支援協議会が設立され、その活動によって支援の実効性を高めることが進められつつある。

住宅性能評価書

住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)にもとづき、住宅性能の評価結果を表示した書面のこと。
品確法では、住宅性能評価書を作成することができる機関を登録住宅性能評価機関だけに限定しており、評価の方法に関して日本住宅性能表示基準と評価方法基準という2種類の基準を法定している(住宅品質確保法第5条)。

住宅性能評価書には、設計住宅性能評価書と建設住宅性能評価書の2種類が存在する。
さらに後者は新築住宅の建設住宅性能評価書と既存住宅の建設住宅性能評価書に区分される。
これらの住宅性能評価書は、すべて国土交通大臣が定めた日本住宅性能表示基準に従い、かつ評価方法基準に準拠して作成される必要がある。

住宅品質確保法では、このような住宅性能評価書を交付された新築住宅については、住宅性能評価書に記載された住宅の性能が、そのまま請負契約や売買契約の契約内容になる場合があると規定しており、この規定により注文者保護・買主保護が図られている(詳しくは「住宅性能評価書と請負契約・売買契約の関係」へ)。

また、建設住宅性能評価書が交付された住宅については、指定住宅紛争処理機関に対して、紛争処理を申請することができるとされている(品確法第62条)。

住宅性能評価書と請負契約・売買契約の関係

住宅の品質確保の促進等に関する法律 (品確法)第6条では、住宅性能評価書を交付された新築住宅については、住宅性能評価書に記載された住宅の性能が、そのまま請負契約や売買契約の契約内容になる場合があると規定している。この規定により注文者保護・買主保護が図られている。

この品確法第6条の具体的な内容は、次の1.から5.のとおりである。

1.請負契約を締結したとき
請負人が、設計住宅性能評価書(またはその写し)を請負契約書に添付した場合には、請負人はその評価書(またはその写し)に表示された性能を有する住宅の建設工事を行なうことを注文者に対して契約したものとみなされる(同法第6条第1項)。
なお、設計住宅性能評価書(またはその写し)を請負契約書に添付しないで、注文者に設計住宅性能評価書(またはその写し)を交付しただけの場合であっても同様である。

2.新築住宅の建設工事の完了前に、新築住宅の売買契約を締結したとき
売主が、設計住宅性能評価書(またはその写し)を売買契約書に添付した場合には、売主はその評価書(またはその写し)に表示された性能を有する住宅を買主に引き渡すことを契約したものとみなされる(同法第6条第2項)。
なお、建設住宅性能評価書(またはその写し)を売買契約書に添付しないで、買主に設計住宅性能評価書(またはその写し)を交付しただけの場合であっても同様である。

3.新築住宅の建設工事の完了後に、新築住宅の売買契約を締結したとき売主が、建設住宅性能評価書(またはその写し)を売買契約書に添付した場合には、売主はその評価書(またはその写し)に表示された性能を有する住宅を買主に引き渡すことを契約したものとみなされる(同法第6条第3項)。
なお、建設住宅性能評価書(またはその写し)を売買契約書に添付しないで、買主に建設住宅性能評価書(またはその写し)を交付しただけの場合であっても同様である。

4.事例による検討
例えば、新築住宅の建設工事の請負人が、設計住宅性能評価書の写しを注文者に渡したにもかかわらず、その評価書の性能よりも劣るような住宅を建設した事例を想定しよう。
この事例では、住宅品質確保法第6条第1項の規定により、評価書の性能を持つ住宅を建設することを請負人が契約したのと同じである。従ってこの事例では、請負人は明らかに請負契約に違反したことになるので、請負人には民事上の責任(具体的には瑕疵担保責任など)が発生する。よって注文者は民事訴訟を提起して、請負人の責任を追及できることになる。

5.反対の意思表示を契約書に記載した場合の取扱い
ただし、こうした住宅品質確保法第6条(第1項から第3項)の規定は、請負人や売主が契約書において反対の意思表示を文章で明記した場合には適用されないことになっている(同条第4項)。
例えば、請負契約書において「請負人は、交付した設計住宅性能評価書に表示された性能を有する住宅を建設する義務を負うものではない」と記載されている場合には、品確法第6条第1項は適用されない扱いとなる。

なお、こうした品確法第6条(第1項から第3項)の規定は、既存住宅の売買契約については適用されない扱いとなっていることに注意したい(既存住宅とは、建設工事完了後1年以上が経過した住宅や、建設工事完了後1年以内に人が住んだことがある住宅のことである(品確法第2条))。

住宅性能表示基準

住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)にもとづき、国土交通大臣が定めた住宅性能の表示に関する基準のこと。法律上の正式名称は「日本住宅性能表示基準」である。

住宅性能表示制度

住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)により導入された、住宅の性能を表示するための制度のこと。

品確法では、住宅の性能が正しく表示されるように次のような仕組みを設けている。

1.評価する機関を大臣が指定する。
品確法にもとづき正式に住宅性能を評価することができる機関は、登録住宅性能評価機関だけに限定されている(品確法第5条第1項)。登録住宅性能機関とは、住宅性能評価を行なうことができる機材や能力等を持つものとして国土交通大臣により登録を受けた会社等のことである。

2.評価書の作成方法を大臣が定める
登録住宅性能評価機関は、依頼者の依頼を受けて、住宅の性能を評価した結果を表示する書面(住宅性能評価書)を作成する。
この住宅性能評価書を作成するにあたっては、登録住宅性能評価機関は、国土交通大臣が定めた基準(日本住宅性能表示基準)に準拠しなければならない。

このように国が関与することにより、住宅の性能が適切に表示される仕組みが設けられている。

なお、品確法では、住宅性能評価書が交付された新築住宅については、住宅性能評価書に記載された住宅の性能が、そのまま請負契約や売買契約の契約内容になる場合があると規定している。この規定により注文者保護・買主保護が図られている(詳しくは「住宅性能評価書と請負契約・売買契約の関係」へ)。

また建設住宅性能評価書が交付された住宅については、指定住宅紛争処理機関に対して、紛争処理を申請することができるとされている(品確法第62条)。

住宅性能保証制度

住宅の基本的な性能を保証する仕組みをいう。

新築住宅について、構造耐力上主要な部分や雨水の浸入を防止する部分に関して性能の評価を行ない、その性能を、施工現場の検査、保険により保証する。

保証期間は、住宅の完成引渡し後10年間であり、瑕疵による不具合があった場合には修繕等の費用を負担することとなる(これに加えて、仕上げや設備などに発生した不具合について2~5年間保証することも多い)。

住宅性能保証業務を実施しているのは、(財)住宅保証機構または登録住宅性能評価機関である。

住宅着工統計

住宅の新改築の動向に関する統計で、国土交通省が実施し、その結果は毎月公表されている。住宅の着工状況(戸数、床面積の合計)を、構造(木造、鉄骨鉄筋コンクリート造、鉄筋コンクリート造、鉄骨造、コンクリートブロック造、その他)、建て方(一戸建て、長屋建て、共同住宅)、利用関係(持家、貸家、給与住宅、分譲住宅)、資金(民間、公的)、建築工法(在来工法、プレハブ工法、枠組壁工法)等に分類して把握できる。統計のための原資料は、建築確認申請である。

なお、住宅着工統計は、全国の建築物の動態を明らかにするための統計調査(建築動態統計調査)の一環として実施されており、その全体的な体系は次のようになっている。

1.建築着工統計調査(建築物着工統計、住宅着工統計、補正調査)
2.建築物滅失統計調査(建築物除去統計、建築物災害統計)

住宅手当(離職者に対する~)

住宅を喪失または喪失する恐れのある離職者であって、就労意欲のある者に対し、賃貸住宅の家賃を給付する制度をいう。

支給の対象となるのは、

1.離職し、離職前に生計維持者であったこと
2.ハローワークに求職を申し込んでいること
3.住宅を喪失し、または賃貸住宅に居住し住宅を喪失する恐れがあること
4.申請者および生計同一者の収入、預貯金が一定額未満であること

という条件を満たす者である。

支給額は、賃貸住宅の家賃額で地域ごとに上限があるほか、収入に応じた調整がなされる。支給期間は原則6ヵ月(一定の条件を満たせば最大9ヵ月)である。
手当を受給するには、住宅の賃貸借契約の際に住宅手当支給対象者証明書を提示したうえで自治体窓口に契約書の写し等を提出することが必要で、手当はそれにもとづき賃貸住宅の貸主等に対して直接に支払われる。

住宅の品質確保の促進等に関する法律

住宅の性能の表示基準を定めるとともに、住宅新築工事の請負人および新築住宅の売主に10年間の瑕疵担保責任を義務付けることにより、住宅の品質確保をめざす法律。「品確法」とも。

品確法は、平成10年の秋田県木造住宅株式会社の破産による千葉県の欠陥住宅被害の発生を直接のきっかけとして、欠陥住宅に対する世論の高まりを受けて、建設省(現国土交通省)が法制化を推進し、平成11年6月に国会で成立し、平成12年4月1日から施行された法律である。

なお、品確法は平成14年8月20日に改正され、その際に既存住宅(新築後1年以上経過した住宅または新築後1年以内に人が住んだことがある住宅をいう)についての住宅性能評価が導入されている。

品確法の主な内容は次のとおりである。

1.住宅性能評価書の作成
国土交通大臣により登録を受けた評価専門会社等(これを登録住宅性能評価機関という)に依頼することにより、住宅性能評価書を作成することができる(同法第5条)。
住宅性能評価書には、設計図等をもとに作成される設計住宅性能評価書と、実際に住宅を検査することにより作成される建設住宅性能評価書がある。

2.住宅性能評価書の作成方法
登録住宅性能評価機関は、住宅性能評価書を作成するにあたっては、国土交通大臣が定めた正式な評価基準である「日本住宅性能表示基準」に準拠しなければならない(同法第5条、第3条)。

3.住宅性能評価書の役割
住宅の建築請負契約書または新築住宅の売買契約書に、住宅性能評価書を添付した場合等には、請負人や売主はその評価書に表示されたとおりの性能の住宅を、注文者や買主に引き渡す義務を負うことになる(同法第6条)(詳しくは住宅性能評価書と請負契約・売買契約の関係へ)。

4.弁護士会による紛争処理
建設住宅性能評価書が交付された住宅について、請負契約または売買契約に関する紛争が発生した場合には、紛争の当事者は、弁護士会の内部に設置されている指定住宅紛争処理機関に対して、紛争の処理を申し立てることができる(同法第63条)。
紛争処理を申請する際に当事者が負担する費用は、原則として1万円である(同法69条および同法施行規則第104・105条)。

5.住宅紛争処理支援センターの設置
上記4.の弁護士会による紛争処理を支援する等の目的で、住宅紛争処理支援センターが設置された。具体的には住宅紛争処理支援センターとして「財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センター」が国土交通大臣によりすでに指定されている(同法第78条)。
この住宅紛争処理支援センターは、弁護士会に対して紛争処理の業務に要する費用を助成するほか、登録住宅性能評価機関から負担金を徴収する等の事務を行なっている。

6.10年間の瑕疵担保責任の義務付け
売買契約や請負契約では、契約の対象となった物に欠陥があることが後日判明した場合には、売主や請負人は民法第638条等・民法570条の規定により、原則として損害賠償等の責任を負わなければならない。
このような売主や請負人の責任を「瑕疵担保責任」(かしたんぽせきにん)と呼ぶ(瑕疵は「きず」という意味であり、「欠陥」と同じ意味である)。

しかしながら実際の請負契約・売買契約では、瑕疵担保責任を負う期間が「2年」などの短い期間に設定されるのが普通であり、このことが欠陥住宅問題の発生原因のひとつであると考えられた。

こうした状況を改善するため、住宅品質確保法では「住宅を新築する建設工事の請負契約や新築住宅の売買契約では、請負人や売主は、住宅を引き渡した時から10年間にわたって、住宅の主要な部分に関する瑕疵担保責任を必ず負う」と規定し、住宅の注文者や買主を強く保護している(同法第87・88条)。
(詳しくは「請負人の瑕疵担保責任(品確法における~)」「売り主の瑕疵担保責任(品確法における~)」へ)

住宅販売瑕疵担保責任保険

宅地建物取引業者が新築住宅を販売した場合に、特定住宅瑕疵担保責任(構造耐力上主要な部分及び雨水の浸入を防止する部分の瑕疵に対する10年間の担保責任)を確実に履行するために当該宅地建物取引業者が締結する保険をいう。  

この保険は、(1)売り主となった住宅に関して宅地建物取引業者が特定住宅瑕疵担保責任を履行した場合に生じる損害の補填、(2)特定住宅瑕疵担保責任が生じたにもかかわらず売主の宅地建物取引業者がそれを履行しない場合に行なう損害の補填、を行なうためのもので、保険料は瑕疵担保責任を負う宅地建物取引業者が負担する。  

住宅瑕疵担保履行法は、宅地建物取引業者が新築住宅を販売した場合には住宅販売瑕疵担保保証金を供託することを義務としているが、住宅販売瑕疵担保責任保険を締結した住宅については供託の対象から除外される。  
なお、住宅販売瑕疵担保責任保険には、新築住宅の販売に適用される特定住宅瑕疵担保責任を対象としたもののほか、宅地建物取引業者等が既存住宅を販売する場合の瑕疵担保責任を対象としたもの(既存住宅売買瑕疵保険)がある。いずれの場合にも、保険契約と住宅の検査とを一体として行なうことが特徴である。  

また、住宅新築工事又はリフォーム工事における工事請負者の瑕疵担保責任を対象にした保険(住宅建設瑕疵担保責任保険)も制度化されている。

住宅販売瑕疵担保保証金

宅地建物取引業者が新築住宅を販売した場合に、特定住宅瑕疵担保責任(構造耐力上主要な部分及び雨水の浸入を防止する部分の瑕疵に対する10年間の担保責任)を確実に履行するために、当該宅地建物取引業者が供託しなければならない金銭をいう。この供託は義務であるが(住宅瑕疵担保履行法の規定)、住宅販売瑕疵担保責任保険契約を締結した住宅は供託の対象とされない。また、供託金額は、販売戸数(住宅販売瑕疵担保責任保険に係る住宅戸数を除く)に応じて決められている。  

特定住宅瑕疵担保責任の対象となる瑕疵によって損害が生じた場合には、買い主は、その損害賠償請求権に関して、供託された住宅販売瑕疵担保保証金について他の債権者に優先して弁済を受けることができる。

住宅紛争処理支援センター

住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)第78条にもとづき、国土交通大臣が指定する公益法人のこと。
住宅品質確保法では、指定住宅紛争処理機関の業務の支援などを目的とする公益法人を国土交通大臣が指定できると定めている(同法第78条)。

この規定により大臣が指定した公益法人を「住宅紛争処理支援センター」と呼ぶ。
具体的には「住宅紛争処理支援センター」としては「公益財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センター」が国土交通大臣によりすでに指定されている。

この住宅紛争処理支援センターの主な業務は次のとおりである(同法第79・82条)。

1.指定住宅紛争処理機関に対して紛争処理の業務に要する費用を助成すること
2.住宅紛争処理に関する情報・資料の収集・整理
3.住宅の建設工事の請負契約・売買契約に関する相談・助言・苦情処理
4.登録住宅性能評価機関から負担金を徴収すること

住宅保証機構

住宅の性能等を保証するための制度を運営することを目的とした財団法人(現在は株式会社)で、昭和57(1983)年に設立された。

その主要業務は、住宅性能保証、住宅完成保証、地盤保証、既存住宅保証の各業務である。
特に、住宅性能保証は、住宅の品質確保の促進等に関する法律による新築住宅の10年間の瑕疵担保責任を支援する役割を担っている。

住宅用火災警報器

火災の発生をキャッチしてブザーや音声で知らせる装置をいい、すべての寝室と寝室のある階の階段には必ず設置しなければならない(スプリンクラーや自動火災警報設備が設置されているときは免除)。
また、市町村の火災予防条例で台所等への設置を義務付けている場合もある。

この義務付けは、住宅火災による死者発生の防止を目的としたもので、新築住宅は平成18(2006)年6月1日から、既存住宅は市町村の火災予防条例で定める日(最も遅い地域でも平成23(2011)年6月1日)から義務化される。
ただし、設置は自己責任とされ、設置しない場合も罰則は課されない。

住宅用火災警報器にはいくつかの種類があるが、設置が義務付けられているのは煙を感知するもの(煙式)である。なお、消防法では「住宅用防災警報器」と規定されているが、住宅用火災警報器と同義である。

住宅リフォーム減税

特定の目的で住宅の改修をした場合に、課税が軽減される制度をいう。

減税の対象となるのは、省エネ・バリアフリー・耐震の各目的で行なった住宅改修工事であり、減税の方法としては、

1.工事費の一定割合を所得税額から控除する方法
2.工事のための借入金残高の一定割合を所得税額から控除する方法(ローン控除、省エネ・バリアフリーについてのみ適用)

がある。また、改修後の住宅に課する固定資産税が一定期間減額される。

それぞれについて、減税対象となる工事の内容、控除額の算定方法や上限、適用期間などが定められている。詳細は、「省エネ改修促進税制(住宅の~)」「バリアフリー改修促進税制(住宅の~)」「耐震改修促進税制(住宅の~)」を参照。

なお、一般の住宅ローン減税においても、一定の改修工事費がその対象とされている。この場合には、改修目的は限定されないが、居住を目的とした住宅リフォームであること、リフォーム後の床面積が50平方メートル以上であること、大規模な修繕、模様替えを伴う工事であることなどの要件を満たさなければならない。

住宅履歴情報

住宅の構造・設備、改修工事、維持保全、権利関係など、住宅の情況を示す情報をいう。

その具体的な内容が統一的に定められているわけではないが、長期優良住宅の普及、住宅の資産価値の保全、中古住宅流通の活性化、住宅の維持保全などのためには、住宅履歴情報の記録・保存が必要または有効であると考えられている。

「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」では、長期優良住宅の認定を受けるためには、その建築・維持保全の状況に関する記録を作成・保存しなければならないとされているが、この記録は、住宅履歴情報に該当する。また、住宅履歴情報は、その活用によって、住宅の維持管理やリフォームを適切に実施すること、取引の安心を向上し円滑にすること、災害や事故時に迅速・適切に対応することなどに資すると期待されている。

住宅履歴情報に関する仕組みの構築、例えば情報項目の標準化、情報表示の共通化、情報活用ルールの明確化などについては、国土交通省が設置した委員会を中心に検討が進んでいる。

住宅ローン

個人に対する住宅資金の融資をいう。

主として民間の金融機関が担っているが、その円滑な実施などのため、(独)住宅金融支援機構(住宅金融公庫の廃止後、その機能の一部を引き継いだ組織)と連携することが多い。また、年金基金、共済組合などが融資する場合もある。

融資の期間、利率(固定金利か変動金利かを含めて)などの条件は、金融機関によって異なるほか、借入者の属性や状況等、金融機関との取引の状況に応じて多様である。その選択のために、借入と償還をさまざまにシュミレーションできるサービスも提供されている。

住宅ローンの実施に際しては、通常、融資対象となる住宅に担保権が設定されるほか、連帯保証人を求められることが多い。また、住宅販売会社が提携金融機関の融資を斡旋する場合もある(提携住宅ローン)。

なお、住宅ローンの負担軽減のための税制上の優遇措置(住宅ローン減税)があるほか、住宅ローン債権がSPCなどに譲渡され証券化される例も増えてきている。

住宅ローン減税

 所得税の課税に当たって、住宅ローンの残高の一部を税額から控除する制度をいう。一定の要件に該当する住宅を居住の用に供した年以降10年間にわたって、当該住宅に係るローン残高の一部を各年分の所得税額から控除できる。
住宅借入金等特別控除制度ともいわれ、これにより住宅取得等のための借入金に係る負担が軽減される。 

対象となるのは、床面積その他についての一定の要件を満たす住宅の新築、購入、増改築等のための借入金等(その住宅の敷地を取得するための借入金等を含む)の残高がある場合である。また、所得が一定の額以下でないと適用されない。

控除期間は入居後10年間、控除額は年末の残高の1%(長期優良住宅については入居年に応じて1.2%又は1%)、であるが、控除の対象となる借入金の残高及び控除額について、入居年に応じて限度額が決められている。
なお、この控除と、居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の損益通算および繰越控除制度とは併用可能である。

従たる権利

民法第87条第2項は「従物は主物の処分にしたがう」と定めている。これは、主物の効用を高めるために主物に結合させられた物(これを従物という)は、原則として主物と法律的運命を共にするという趣旨である(詳しくは従物へ)。

この民法第87条第2項は、物と権利との関係にも類推適用されている。例えば、民法第87条第2項の類推適用により、借地上の建物が売買される場合には、その建物とともに土地賃借権も売買される。このように主物に附属せしめられた権利を「従たる権利」と呼んでいる。

また、抵当権の効力は従たる権利にも及ぶとされている(「付加一体物」参照)。ただし主物が登記を備えたとき、従たる権利についても物権変動が公示されたことになるかどうかは別問題であり、不動産登記法などによって決定される。

周知の埋蔵文化財包蔵地

埋蔵文化財を包蔵する土地として周知されている土地をいう(文化財保護法第93条第1項)。

石器・土器などの遺物が出土したり、貝塚・古墳・住居跡などの遺跡が土中に埋もれている土地であって、そのことが地域社会で認識されている土地がこれに該当する。

「周知の埋蔵文化財包蔵地」は、通常は市町村の教育委員会が作成する遺跡地図および遺跡台帳において、その区域が明確に表示されている。しかしながら、この遺跡地図および遺跡台帳は、その市町村内のすべての「周知の埋蔵文化財包蔵地」を登載しているとは限らない。
そのため、遺跡地図および遺跡台帳に登載されている遺跡の区域以外の土地であっても、その地域社会において遺物や遺跡が埋もれていることが認識されている土地もまた「周知の埋蔵文化財包蔵地」に該当するので、注意が必要である。

このような「周知の埋蔵文化財包蔵地」に関しては、次のような規制がある。

1.周知の埋蔵文化財包蔵地を土木工事等の目的(埋蔵文化財の調査の目的を除く)で発掘しようとする者は、発掘に着手する日の60日前までに文化庁長官に届出をしなければならない(同法第93条第1項で準用する第92条第1項)。
2.届出をした発掘に対し、埋蔵文化財の保護上、特に必要があるときには、文化庁長官は発掘前に、記録の作成のための発掘調査など必要な事項を指示することができる(同法第93条第2項)。

実際には、各市町村は開発事業者のための照会制度を設けており、開発事業者が市町村教育委員会に照会することにより、上記1.の届出が必要か否かが回答される仕組みとなっている。開発予定地が「周知の埋蔵文化財包蔵地」に該当するかどうかが教育委員会においても判明しない場合(例えばすでに発掘された遺跡の区域の隣接地での開発など)には、教育委員会は、開発事業者等の了解を得て現地踏査や試掘を行なうことがある。

また、上記2.の発掘調査等に要する費用は、原則として開発事業者等が負担することとされている。

なお、「周知の埋蔵文化財包蔵地」に該当しない土地であっても、出土品の出土等により、土地の所有者・占有者が、貝塚・古墳・住居跡などの遺跡を発見した場合には、その現状を変更することなく文化庁長官に対して届出を行わなければならず、文化庁長官は、その遺跡が重要なものであり、保護のため調査を行なう必要があると認めるときは、その土地の所有者・占有者に対し、期間を定めて(最大3ヵ月)、その現状を変更することとなるような行為の停止、または禁止を命ずることができるとされている(同法第96条第1・2項)。

収納口座(マンション管理における~)

マンション管理業者が管理組合等から受領した管理費用等を分別して管理するための口座の種類をいう。管理の目的に応じて収納口座、保管口座の二つに分類される。 収納口座は、受領した管理費用等を預入して、一時的に預貯金として管理するための口座で、毎月の管理事務費以外の残高は、翌月内に保管口座に移し換えられる。

修復(建築物の)

建物等をその保護保全と機能回復のために改造すること。保護保全すべきものとして歴史的、芸術的な価値や環境的機能などがあり、回復すべき機能として利便性や利用可能性などがある。この両方を目指すところが「保存」や「復元」との違いであるとされる。

なお、絵画など芸術作品の「修復」には、保護保全とともに、元の状態に戻す「復元」の性格が強く現れている。

従物

主物に附属せしめられた物のことを「従物」という(民法第87条第1項)。
例えば、建物が主物、建物に取り付けられたエアコンは従物である。判例に現れた従物の例としては、建物に対する畳・建具、宅地に対する石灯籠・取り外し可能な庭石などがある。
従物については、次の点が問題となる。

1.主物の売買
従物は「主物の処分にしたがう」(民法第87条第2項)とされているので、通常は、主物を売買すれば、当然に従物も売買されることになる。ただし、売買の当事者がこれと異なる合意をすれば、従物と主物を切り離して売買することが可能である。

2.主物の登記
主物が登記されれば、その登記により主物と従物の両方の物権変動が公示されたことになる。従って、建物が登記されれば、附属建物である物置が未登記であっても、登記の対抗力は附属建物である物置に及ぶ。

3.抵当権の設定
抵当権を設定した当時において、すでに主物に附属せしめられていた従物には、抵当権の効力が及ぶ。しかし抵当権設定後に附属せしめられた従物については解釈が分かれている。
(詳しくは付加一体物へ)

4.従たる権利
「従物は主物の処分にしたがう」という民法第87条第2項は、物と権利との関係にも類推適用されている。すなわち、借地上の建物が売買される場合には、その建物とともに借地権も売買される。このように、主物に附属せしめられた権利を「従たる権利」という。

修補請求

給付を受けた目的物に瑕疵がある場合に、その瑕疵の修理・補修を請求することをいう。目的物に瑕疵があるなど債務が完全に履行されていないときに完全履行を求める私法上の方法の一つであると考えることができる。

民法は請負契約に関して一般的にこれを規定している(瑕疵担保責任)ほか、新築住宅の建設工事請負および売買については、構造耐力上主要な部分等の瑕疵について、引渡後10年間、修補請求の対象とされている(住宅品質確保法)。

なお、修補請求は追完請求(債務履行を完全なものとするための請求)のための方法の一つであると考えることができるが、修補請求、代物請求、代金減額請求など追完請求に関しては、どのような不完全さに対してどのように請求すべきか等の基本的なルールを明文化することについて議論がある。

住民税

居住する個人に課せられる地方税で、道府県民税と市町村民税を合わせたものをいう。

地方税は、所得に対して課せられる「所得割」と、定められた額が一律に課せられる「均等割」とがある。両者を合算したのが住民税額である。
地方税は、その年の1月1日現在で居住しているところで課され、所得割の税額は、前年の1月から12月までの所得に応じて算出される。また、その賦課徴収は市町村が一括して行なう。

集約都市開発事業

医療.福祉施設、業務・商業施設、共同住宅などを集約する事業で、都市の低炭素化に資するとして認定されたものをいう。

集約都市開発事業の認定基準は、都市機能を集約した拠点の形成によって二酸化炭素排出を抑制すること、整備される特定建築物が認定低酸素建築物の基準を満たすこと、緑化やヒートアイランド緩和措置などの低炭素化措置が講じられることなどである。

集約都市開発事業に対しては、一定の事業に係る費用について交付金が支給されるほか、事業のための土地譲渡に関する課税の特例、特定建築物についての容積率不算入の特例が適用される。

収用委員会

土地収用の裁決等を行なう組織をいう。

都道府県知事の所轄のもとに置かれるが、独立してその職権を担う。都道府県の議会の同意を得て都道府県知事が任命する委員7人をもって組織し、委員の任期は3年である。

重要事項説明

宅地建物の取引において、宅地建物取引業者が取引当事者に対して契約上重要な事項を説明することをいう。

また、その際に、説明の内容を記載して当事者に交付する書面を重要事項説明書という。

重要事項説明を必要とするのは、宅地建物取引業者が自ら売主として取引する場合、および不動産取引を代理・媒介する場合であり、その説明は、売買契約や賃貸借契約を締結するよりも前に行なわなければならない。また、説明に当たるのは宅地建物取引主任者でなければならず、さらには、説明する重要事項をすべて書面に記載し、取引当事者にその書面(重要事項説明書)を交付する必要がある。

説明を要する事項は、売買か賃貸かなどの取引内容に応じて異なるが、大きく分けて、

1.取引対象不動産の権利関係、2.取引対象不動産に係る法令上の制限、3.取引対象不動産の状態やその見込み、4.契約の条件

に関する事項とされている(詳細は必ず直接に法令(宅地建物取引業法第35条およびその関連法令)に当たって確認されたい。また、臨機に改正も予想されるので留意が必要である)。

重要事項説明は、不動産の特性や取引の形態に起因して取引当事者に不利益が発生することを防ぐための仕組みとされ、その適正な実施が強く求められている。

重要事項説明書

宅地建物取引業務における重要事項説明に当たって、取引の相手となる当事者に対して交付して説明しなけばならない書面をいう(「重要事項説明」についての詳細は当該用語を参照)。

重要事項説明書には説明を要する重要事項を記載しなければならず、また、書面は、宅地建物取引主任者が、記名押印して交付しなければならないとされている。

収用適格事業

土地収用ができる事業のこと。
土地収用ができる事業は、一定の公益性のある事業に限定されている。

土地収用法では、第3条に掲げられた事業だけが収用適格事業であり、約50種類の事業を収用適格事業として掲示している。
その代表的な収用適格事業は、道路、河川、砂防設備、地すべり防止施設、運河、用水路、鉄道、港湾、飛行場、郵便業務施設、電気通信施設、電気、放送設備、ガス工作物、水道施設、消防施設 下水道施設、学校、公民館、博物館、図書館、公立病院、火葬場、廃棄物処理施設、卸売市場、公園、公営住宅などである。

なお、土地収用法以外の法律でも、個別に収用適格事業を定めている場合がある(例えば都市計画法第69条の都市計画事業など)。

重要伝統的建造物群保存地区

市町村が定めた伝統的建造物群保存地区であってわが国にとって特に価値の高いものについては、文部科学大臣は市町村からの申し出にもとづき、その全部または一部を「重要伝統的建造物群保存地区」として選定することができる(文化財保護法第144条)。

重要伝統的建造物群保存地区の数、伝統的建造物が保存すべき建造物の数については、文化庁ホームページを参照のこと。

収用の対象

土地収用法において収用の対象になるものは、原則として土地であるが、土地以外の権利なども、その権利を消滅させる等の目的により、収用の対象になることがある。

土地は公益上必要であるときは収用することができる(土地収用法第2条)。ただし、土地収用法の収用適格事業などの公共事業にすでに供されている土地は、特別の必要がなければ、収用することができない(土地収用法第4条)。

土地を収用する場合において、土地に借地権等の権利が付着している場合には、土地のみならず、その付着した権利も同時に収用し、その付着した権利を消滅させることが必要になる。
このような意味で土地とともに収用され、消滅させられる権利としては、土地に関する所有権以外の権利(地上権、賃借権、地役権、質権、抵当権など)、鉱業権、温泉利用権、漁業権、水利権などがある(土地収用法第5条第1項・第3項)。
また、土地とともにその土地上の物件を収用する場合には、その物件に付着した権利(借家権など)をも同時に収用し、消滅させる必要がある(土地収用法第5条第2項)。

ところで収用においては、土地上の建物等は「必要かつ相当である場合に」「土地とともに」収用することとされているので、建物等は収用しないのが普通である。また建物等だけを単独で収用することはできない(土地収用法第6条)。

なお、土地ではなく、必要な土砂・砂れきだけを収用する場合がある(土地収用法第7条)。

重要文化財

有形文化財のうち重要なものとして文部科学大臣に指定され、官報に告示されたものを「重要文化財」という(文化財保護法第27条第1項、第28条)。

重要文化財は建造物と美術工芸品に区分される。
建造物である重要文化財は、江戸時代以前のものが約9割を占めるが、明治以降の住居・学校・文化施設・産業構造物なども約1割を占めている。

重要文化財に関しては、その現状を変更し、またはその保存に影響を及ぼすような行為をしようとするものは文化庁長官の許可を受けなければならない(文化財保護法第43条)。
ただし現状変更については維持の措置・非常災害のために必要な応急措置については許可を要しない。また保存に影響を及ぼすような行為については影響が軽微であるときは許可を要しない(文化財保護法第43条)。

建造物と美術工芸品の件数については、文化庁ホームページを参照のこと。

重要無形文化財

無形文化財のうち重要なものとして、文部科学大臣が官報に告示することによって指定したものを「重要無形文化財」という(文化財保護法第71条)。

また、これらの重要無形文化財に指定される芸能を高度に体現しているものや、重要無形文化財に指定される工芸技術を高度に体得しているものは「重要無形文化財保持者」または「重要無形文化財保持団体」として認定され、国が助成を行なっている。

このうち、「重要無形文化財保持者」であって「各個認定」を受けている者は、一般に「人間国宝」と呼ばれている。

重要無形民俗文化財

無形の民俗文化財であって、特に重要なものとして文部科学大臣に指定され、官報に告示されたものを「重要無形民俗文化財」という(文化財保護法第78条)。

重要無形民俗文化財の件数については、文化庁ホームページを参照のこと。

重要有形民俗文化財

有形の民俗文化財であって、特に重要なものとして文部科学大臣に指定され、官報に告示されたものを「重要有形民俗文化財」という(文化財保護法第78条)。

重要有形民俗文化財としては、約200件が指定されている(平成12年4月現在)。
重要有形民俗文化財に関しては、その現状を変更し、またはその保存に影響を及ぼすような行為をしようとするものは、その行為の20日前までに文化庁長官に届出をしなければならない(同法第81条)。

集落地区計画

都市計画法第12条の4に規定する4種類の「地区計画等」の一つ。集落地域整備法に従い、都市計画によって定められる。

集落地区計画は、都市近郊の農村集落について、集落地域の土地の区域内で、営農と居住環境が調和した土地利用を図るための計画である(集落地域整備法第5条)。
なお、集落地域とは、市街化区域以外の都市計画区域であって、農業振興地域内にあることが必要とされている(集落地域整備法第3条)。

重量鉄骨

「重量鉄骨」とは、厚さが6mmを超える鋼材のことである。
その反対に、厚さが6mm以下の鋼材は「軽量鉄骨」という。

重量鉄骨は、重量鉄骨構造の建物において柱・梁として使用される。

重量鉄骨構造

鉄骨構造の一つ。
重量鉄骨構造とは、次のような特徴を持つ鉄骨構造である。

1.重量鉄骨(H形鋼など)を柱・梁として使用する。
2.柱・梁の接合部をボルトにより「剛接合」する。
(「剛接合」とは外力を受けても接合部が回転・変形しないという意味である)
3.木質系パネル・軽量気泡コンクリートパネル・窯業系パネルなどで壁・床を構成する。

このように「重量鉄骨構造」は、剛接合された骨組を持つ非常に頑強な構造となっている。
そのため、重量鉄骨構造は3階建ての一戸建て住宅や、3階建ての共同住宅で多用されている(ただし最近は2階建ての重量鉄骨構造も見られる)。

授権行為

本人が代理人に対して、代理権を授与する行為のこと(詳しくは代理権授与行為へ)。

受贈者

贈与契約において財産等の贈与を受ける者。

贈与が成立するためには、与える者(贈与者)の贈与する旨の意思表示だけでなく、受贈者の受諾が必要である。

主たる債務

ある人の債務を他の者が保証するとき、保証を受ける債務を「主たる債務」という。

また保証人が負う債務を「保証債務」という。

保証債務は主たる債務に付従するものとされているので、主たる債務が弁済等の理由により消滅した場合には、保証債務もまた消滅するものとされている(詳しくは保証債務へ)。

取得時効

一定期間、所有の意思をもって他人の物を占有したとき、その物の所有権などの権利を、取得することができる(民法第162条)。
このように占有という事実状態が継続することにより、権利を取得できる時効を取得時効という。

取得時効は期間10年で完成する短期取得時効と、期間20年で完成する長期取得時効に分かれる。

主任者証

「宅地建物取引主任者証」の略称。

都道府県知事の行なう宅地建物取引主任者資格試験に合格し、都道府県知事の登録を受けた者は、登録をしている都道府県知事に対して申請することにより、宅地建物取引主任者証の交付を受けることができる(宅地建物取引業法第22条の2)。

宅地建物取引主任者証は顔写真付のカードであり、氏名、住所、生年月日、有効期間の満了する日等が記載されている。
有効期間は5年であり、申請により更新することができる(宅地建物取引業法第22条の3)。

主任者証の交付を受ける際に、主任者証の交付を申請する日が宅地建物取引主任者資格試験に合格した日から1年を超えている場合には、「法定講習」を受講する義務が生じるので注意が必要である(宅地建物取引業法第22条の2第2項)。

樹木等管理協定

樹木や樹林地の保全・管理に関する協定で、都市の低炭素化を促進するために、市町村又は緑地管理機構が、樹木の所有者等に代わって一定の樹木等を保全・管理することなどを定めたものをいう。

樹木等管理協定は公告され、新たに樹木の所有者等になった者に対しても有効である。また、このことは、宅地建物取引の営業における重要事項説明の対象とされている。

主要構造部

建築物の構造上、重要な役割を果たしている部分のこと。

建築基準法2条5号では、主要構造部とは「壁・柱・床・梁・屋根・階段」であると定義している。

ただし、構造上重要でない最下階の床、間仕切り用の壁、間柱、つけ柱、局所的な小階段などは主要構造部から除外されている。

準委任契約

法律行為以外の事務の実施を委託する契約をいう。民法上委任契約の規定が全面的に適用されるため(民法656条)、委任契約と区別する実益はない。

不動産取引における媒介契約や不動産の管理委託する契約(不動産管理契約)はこれに該当する。

順位番号(不動産登記における~)

登記記録の甲区、乙区のそれぞれにおいて、登記の時間的順序に従って、各個の登記に付される番号のこと。

甲区にされた登記は甲区の中で順位番号が付けられ、乙区にされた登記は乙区の中で順位番号が付けられる。つまり、区の中における登記の先後は、順位番号によって判明する。
なお、区を越えて登記の先後を見るためには、受付番号で判断する。

循環型社会

資源を効率的に循環させながら利用することによって、資源消費の抑制と環境負荷の低減を図ることのできる社会をいう。

「循環型社会形成推進基本法」では、これを「製品等が廃棄物等となることが抑制され、並びに製品等が循環資源となった場合においてはこれについて適正に循環的な利用が行われることが促進され、及び循環的な利用が行われない循環資源については適正な処分が確保され、もって天然資源の消費を抑制し、環境への負荷ができる限り低減される社会」であると定義している。

循環型社会を形成するための基本的な原則は、「発生抑制」(リデュース)、「再使用」(リユース)、「再生利用」(マテリアルリサイクル)、「熱回収」(サーマルリサイクル)、「適正処分」をこの順に実施することであるとされる。
また、製品の生産者の責任を製品のライフサイクルの最終段階にまで拡大すること(拡大生産者責任)も大事である。
容器包装、家電、建設廃棄物、自動車などのリサイクルは法律によって義務付けられているが、これらはいずれも循環型社会を形成するための施策の一環である。

準関係人(土地収用における~)

収用について、利害関係を有する者であって、土地所有者以外であって、関係人以外の者のこと。
具体的には、収用の対象となる土地(または賃借権などの土地に関する権利)について、仮処分をした者や、権利を害される恐れのある者を指す。

例えば、収用対象の土地について、他へ転売してはならないという処分禁止の仮処分を行なった者や、登記されていない買戻し権を有する者が準関係人に該当する。

準関係人は、収用裁決において、収用委員会の審理が終わるまでの期間内に、収用委員会に意見書を提出することができる(土地収用法第43条)。

準禁治産者

心神耗弱者(こうじゃくしゃ)や浪費者であって、準禁治産の宣告を受けた者のこと(旧民法第11条)。

平成12年に民法が改正・施行されたため、この準禁治産者の制度は次のように改められた。

1.準禁治産者の制度は、被保佐人の制度へと移行した(被保佐人を参照のこと)。
2.上記1.の際に、単なる浪費者は被保佐人の範囲から除外された。
3.ただし、旧民法第11条により準禁治産者であった者は、改正法施行後も準禁治産者として扱われる。

準景観地区

都市計画区域および準都市計画区域外の景観計画区域において、景観の保全を図るために指定される区域をいう。

指定は、相当数の建築物の建築が行なわれて現に良好な景観が形成されている一定の区域について、市町村が行なう。また、準景観地区内においては、条例で、建築物または工作物や開発行為等について、一定の規制がなされる。

指定や規制の手続き、基準などは、景観法に規定されている。

準工業地域

都市計画法(9条)で「主として環境の悪化をもたらす恐れのない工業の利便を増進するため定める地域」と定義されている。
この用途地域では、建ぺい率の限度は原則として50%、60%または80%である。
また容積率の限度は100%から500%の範囲内(6種類)で都市計画で指定される。
この用途地域では次のような用途規制が行なわれている。

(建築できるもの)
1.住宅、共同住宅、寄宿舎、下宿、図書館
2.幼稚園、小学校、中学校、高校、大学、専修学校、病院、公衆浴場、老人ホーム
3.店舗(面積の制限なし)
4.事務所(面積の制限なし)
5.工場(面積の制限なし・ただし危険性が大きいか、または著しく環境を悪化させる恐れのある工場を除く)
6.ホテル・旅館(面積の制限なし)
7.ボーリング場・スケート場・ゴルフ練習場・カラオケボックス・パチンコ屋・麻雀屋等(面積の制限なし)、料理店、キャバレー
8.自動車教習所(面積の制限なし)
9.倉庫業の倉庫

(建築できないもの)
1.個室付き浴場
2.危険性が大きいか、または著しく環境を悪化させる恐れのある工場

準住居地域

都市計画法(9条)で「道路の沿道としての地域の特性にふさわしい業務の利便の増進を図りつつ、これと調和した住居の環境を保護するため定める地域」と定義されている。
この用途地域では、建ぺい率の限度は原則として50%、60%または80%である。
また容積率の限度は100%から500%の範囲内(6種類)で都市計画で指定される。
この用途地域では次のような用途規制が行なわれている。

(建築できるもの)
1.住宅、共同住宅、寄宿舎、下宿、図書館
2.幼稚園、小学校、中学校、高校、大学、専修学校、病院、公衆浴場、老人ホーム
3.店舗(面積の制限なし)
4.事務所(面積の制限なし)
5.危険や環境悪化の恐れが非常に少ない作業場面積が50平方メートル以下の工場
6.ホテル・旅館(面積の制限なし)
7.ボーリング場・スケート場・ゴルフ練習場・カラオケボックス・パチンコ屋・麻雀屋等(面積の制限なし)、客席が200平方メートル未満のミニシアター
8.自動車教習所(面積の制限なし)
9.倉庫業の倉庫

(建築できないもの)
1.上記に挙げたもの以外の工場
2.上記に挙げたもの以外の遊戯施設・風俗施設

準耐火建築物

建築基準において、耐火建築物以外の建築物のうち、その主要構造部(壁、柱、床、梁、屋根、階段)が準耐火性能を満たし、かつ、延焼の恐れのある開口部(窓やドア)に防火戸など、火災を遮る設備を有する建築物をいう。

この場合、準耐火性能を満たすというのは、

1.主要構造部が準耐火構造であること

2.準耐火構造と同等の準耐火性能を有するための技術的基準(準耐火性能を確保するための方法としては、外壁を耐火化する手法、または、主要構造部を不燃材料化する手法が認められていて、それぞれの要件が定められている)に適合すること

である。

一定の特殊建築物や、都市計画で定められた準防火地域内の一定の建築物は、準耐火建築物でなければならない。

準耐火構造

建築基準において、壁、柱、床その他の建築物の部分の構造が、準耐火性能に適合する建築物の構造をいう。

この場合の準耐火性能とは、通常の火災による延焼を抑制するために、当該建築物の部分に必要とされる性能のことである。その技術的な基準としては、加熱開始後各構造に応じて定められる一定の時間(おおむね45分間)、構造耐力上支障のある変形、溶融、破壊その他の損傷を生じないものであることなどの要件が定められている。

準耐火構造は、火災中の延焼を抑制する性能が求められるにとどまり、耐火構造のように、鎮火後に建物を再使用できるような性能までは要求されていないと理解されている。

準都市計画区域

都市計画区域の外において、市街化が進行すると見込まれる場合に、土地利用を規制するために設ける区域。市町村が指定する。

1.準都市計画区域の趣旨
都市計画区域を指定するためには一定の要件を満たすことが必要であるが、そうした都市計画区域として必要とされる要件を満たしていない都市計画区域外の土地であっても、将来的に市街化が見込まれる場合には、土地利用をあらかじめ規制しておくことが望ましい。そこで、平成12年の都市計画法の改正により「準都市計画区域」の制度が創設された。

2.準都市計画区域の指定の要件
次の要件のすべてを満たす場合に、指定することができる(都市計画法第5条の2第1項)。
1)都市計画区域外の土地であること
2)相当数の住居等の建築・敷地の造成等が現に行なわれ、または行なわれると見込まれること
3)そのまま放置すれば将来における都市としての整備開発保全に支障が生ずる恐れがあること

3.準都市計画区域の指定の方法
市町村が指定する(詳しくは準都市計画区域の指定へ)。

4.準都市計画区域の指定の効果
準都市計画区域では次のような内容の規制が実施される。
1)7種類の地域地区を必要に応じて定めることができる(※1)。具体的には「用途地域」「特別用途地区」「高度地区」(※2)「特定用途制限地域」「美観地区」「風致地区」「伝統的建造物群保存地区」を定めることができる。
2)開発許可制度が施行される。この結果、開発面積が3,000平方メートルを超える宅地造成(※3)では知事(または市長)の許可が必要となる(詳しくは開発許可へ)。
3)都市施設(※4)、市街地開発事業、促進区域、市街地開発事業等予定区域を定めることはできない。

準都市計画区域の指定

準都市計画区域は、都市計画区域の外において市街化が進行すると見込まれる場合に、土地利用を規制するために設ける区域である。

この準都市計画区域を指定するための手続きは、次のように規定されている(都市計画法第5条の2第2項、第3項)。

1.指定の主体
指定の主体は市町村である。

2.指定の手続き
市町村は次の手続きにより準都市計画区域を指定する。
1)市町村は準都市計画区域を指定しようとするとき、事前に市町村都市計画審議会の意見を聴かなければならない(市町村都市計画審議会が設置されていない場合は、都道府県都市計画審議会の意見を聴かなければならない)。
2)次に市町村は、都道府県知事と協議し、都道府県知事の同意を得なければならない。
3)準都市計画区域の指定を公告することにより、準都市計画区域が指定される。

準防火地域

準防火地域は都市計画で指定される地域であり、火災を防止するために比較的厳しい建築制限が行なわれる地域で ある(建築基準法62条)。

準防火地域では建築物は次のようなものとし なければならない。

1.地上4階以上の建築物
→必ず耐火建築物とする

2.地上3階の建築物
→延べ面積によって次の3通りに分かれる。
1)延べ面積が1,500平方メートルを超えるとき : 必ず耐火建築物とする
2)延べ面積が500平方メートルを超え、1,500平方メートル以下のとき : 少なくとも準耐火建築物とする
3)延べ面積が500平方メートル以下のとき : 少なくとも3階建て建築物の技術的基準に適合する建築物とする

3.地上1階または地上2階の建築物
→延べ面積によって次の3とおりに分かれる。
1)延べ面積が1,500平方メートルを超えるとき : 必ず耐火建築物とする
2)延べ面積が500平方メートルを超え、1,500平方メートル以下のとき : 少なくとも準耐火建築物とする
3)延べ面積が500平方メートル以下のとき : 通常の建築物でも構わない

ポイントを2つ挙げておく。
まず、最近多い地上3階建ての一般住宅は、上記2.の3)に該当するので、少なくとも「3階建て建築物の技術的基準」に適合する必要がある。
次に、通常の地上2階建ての一般住宅は、上記3.の3)に該当するので、原則的に特別な防火措置を講じなくてよい。ただし上記3.の3)の場合に、その建築物を木造とするためには、建築基準法62条2項の規定に基づき外壁・軒裏を「防火構造」とする必要がある。

なお、準防火地域では上記の規制のほかに、次の規制があることに留意したい。

ア.屋根の不燃化
建築物が耐火構造や準耐火構造でない場合には、その屋根は不燃材料で造り、ま たは不燃材料でふくことが必要である(建築基準法63条)。
イ.延焼の恐れのある開口部の防火措置
建築物が耐火構造や準耐火構造でない場合には、外壁の開口部(すなわち玄関や窓)で延焼を招く可能性のある部分に、防火戸など防火設備を設けなくてはなら ない(建築基準法64条)。

準法律行為

法律効果の発生を目的としない意思の通知や観念の通知のこと。

具体的には、制限能力者の相手方の催告権のように、ある意思の通知ではあるが、それ自体は法律上の権利義務に影響しないものが、準法律行為である。

また、社員総会の招集の通知のように、単なる観念の通知も準法律行為である。

純利益

企業会計上の概念で、企業の経営活動によって最終的に生まれた利益をいう。

当期の損益計算書をもとに、経常利益に特別利益(投資有価証券売却益など)を加え、それから特別損失(過年度の引当金不足修正額など)を差し引いて算出される。
この場合、法人税等の税金を支払う前のものを「税引前純利益」、税金支払後のものを「純利益」として区別する。

純利益=経常利益+特別利益-特別損失-支払った税金

この値は、企業の当期のすべての経営活動の成果を示すとされる。従って、経営を評価する際の基礎的なデータとして、自己資本に対する純利益の割合(自己資本利益率、ROE)や営業収益(売上高)に対する純利益の割合(純利益率)が活用されている。

ショートセール

担保残債価額よりも安い価額で販売される住宅、またはそのような住宅販売をいう。

ローン債権の行使が担保物件に限定されるような融資(ノンリコース)が多いアメリカで見られる。

一般に、住宅ローンの担保に供されている住宅は、残債を返済しなければ売買できないが、債権者が販売額を超える部分の債権を放棄することに同意すれば、残債額よりも安い価格で販売することができる。そのようにして販売される住宅がショートセールである。
ショートセール物件は、市場価格よりも安く販売される場合もあるが、債権者の同意に期間を要することなどに注意が必要であるとされる。

畳(広さの単位として)

「◯畳の間」のように使用する。その意味は「畳(たたみ)」を参照。

承役地

地役権とは、自分の土地の利便性を高めるために、他人の土地を利用することができるという権利のことである(民法第280条)。
この地役権が設定されている場合において、利用される他人の土地のことを承役地という。

例えばA氏が、自分の所有地から公道に出るために、B氏の所有する土地を通行しようとして、B氏の所有地の一部について通行地役権を取得し、通行路を作ったとする。
このときB氏の所有地は、通行路の開設によってA氏の土地の利便性を高めるために利用されているので、B氏の所有地は「承役地」である。

省エネ改修促進税制(住宅の~)

家屋に対して省エネ改修工事を行なった場合に課税を軽減する特例をいう。

特例は、所得税および固定資産税について適用される。

1.所得税の特例
自己が居住している家屋(貸家住宅を除く)に対して、

1)居室のすべての窓の改修工事
2)1)と合わせて行なう床、天井、壁の断熱工事で改修部分が省エネルギー基準以上の性能となるものを行なって、改修後の住宅全体の省エネ性能が一定程度上がる場合(工事30万円超に限る)

には、そのための借入金残高の一定割合(住宅全体が省エネ基準まで性能が上がる省エネ改修工事費については2%、合わせて行なったそれ以外の改修費については1%、それぞれ限度額あり)について、5年間にわたって税額が控除される。
この制度は、一般の住宅リフォーム減税との間で選択的に適用される。 また、改修工事は、平成20(2008)年4月1日から平成29(2017)年12月31日までの間に行なわなければならないとされている。
さらに、平成21(2009)年度から29(2017)年までの間は、省エネ改修工事に要した費用の10%を、工事実施年度の所得税額から控除するという特別措置が適用されている。

2.固定資産税の特例
家屋(貸家住宅を除く)に対して、

1)居室のすべての窓の改修工事
2)1)と合わせて行なう床、天井、壁の断熱工事で改修部分が省エネ基準以上の性能となるものを行なった場合(工事30万円超に限る)

には、その家屋に対する翌年度の固定資産税額(120平方メートル相当分までに限る)を、3分の1減額する。
ただし、対象家屋は平成20(2008)年1月1日以前から存していなければならず、改修工事は平成20年4月1日から平成28(2016)年3月31日までの間に行なわなければならないとされている。

省エネルギー基準(住宅に関する~)

エネルギーの効率的な利用(省エネ)の程度を判断するために制定・公表されている基準等のうち、住宅に関するものをいう。

エネルギーの使用の合理化に関する法律(省エネ法)は、エネルギーの使用の合理化を総合的に進めるために必要な措置等を講ずることとされている。その一つとして、工場等、輸送、建築物および機械器具について、それぞれの省エネ措置の判断の基準となるべき事項が公表されているが、一般に省エネ基準といわれているのは、その省エネ法に基づく基準である。

省エネ法に基づく省エネ基準は多数あるが、住宅に関する基準は、

1.住宅に関わる建築主等の判断基準
2.住宅に関わる設計等の指針
3.特定住宅に関する住宅事業建築主の判断基準

であり、さらに、建築物一般に関しては、

4.建築物に関わる建築主等の判断基準

が公表されている。
また、1.および2.を合わせて「次世代省エネルギー基準」または「平成11年基準」、3.を「トップランナー基準」という。

これらの基準等は、努力目標であるが、省エネ法による省エネ性能の向上に関する勧告・助言に当たっての基準となる他、

1)長期優良住宅の認定基準における省エネ性の評価は、1.および2.を適用
2)住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)に基づく性能表示における省エネルギー対策等級の評価に当たっては、省エネ対策等級4が1.および2.の評価水準に相当
3)(独)住宅金融支援機構の融資における省エネ優遇の対象となるのは、品確法の省エネ対策等級4(1.および2.相当)を満たす住宅
4)住宅エコポイントの発行対象は、3.(共同住宅においては3.相当)を満たす住宅(ただし、木造住宅については1.および2.)

というように、各種の省エネ判断において、省エネ法の省エネ基準が用いられている。

それぞれの概要は次の通りである(規模等に応じて例外がある)。

1.(住宅に関わる建築主等の判断基準)および4.(住宅・建築物に関わる建築主等の判断基準)について
・住宅・建築物の外壁、窓等を通しての熱の損失の防止については、建物用途および地域の区分に応じて定める熱の負荷または熱損失等の程度の基準値を満たすことなど
・空気調和設備、機械換気設備、照明設備、給湯設備、昇降機に係るエネルギーの効率的利用については、それら設備に係る消費エネルギー量と仮想消費エネルギー量の比率が一定値を満たすことなど
2.(住宅に関わる設計等の指針)について
・屋根、外気等に接する天井・壁・開口部、外周が外気等に接する土間床等について、地域の区分に応じ、断熱構造とすることなど
・躯体の熱貫流率、断熱材の熱抵抗、構造熱橋部の断熱補強、開口部の断熱性能(熱貫流率および夏期日射侵入率等)が基準値等を満たすことなど
3.(特定住宅に関する住宅事業建築主の判断基準)について
・平成25(2013)年度以降、新築する一戸建ての住宅における一次エネルギー消費量(地域区分および暖冷房方式による区分ごとの戸数により加重平均した価)が、基準一次エネルギー消費量(地域区分および暖冷房方式による区分ごとの戸数により加重平均した価)を上回らないこと
・住宅の外壁、窓等を通しての熱の損失の防止のための措置が、1.および2.に適合すること

少額訴訟

60万円以下の金銭の支払いを求める民事裁判について、各地の簡易裁判所で簡単・迅速に判決を得ることができる裁判制度のこと。平成10年1月1日から導入されている。

従来、民事裁判では弁護士費用等に多額の費用がかかり、また裁判自体も判決までに数ヵ月以上かかるという問題点があった。そこで、60万円以下の少額の金銭をめぐる訴訟では、原告本人が訴状を作成できるよう訴状の作成を簡略化し、裁判の審理を原則的に1日で終了させて即日判決を言い渡すという少額訴訟が導入され、大きな成果を挙げている。

1.少額訴訟の対象
金銭の支払いを求める訴訟であって、請求する金銭の額(遅延損害金などを除く本体部分)が60万円以下であれば、すべて少額訴訟を起こすことができる(注:従来は請求金額30万円以下とされていたが、平成16年4月1日より請求金額60万円以下へと引き上げられている)。
具体的には、貸金の返還請求、未払い給与の支払い請求、売掛金の支払請求、交通事故の損害賠償請求、不動産の賃貸借契約における家賃の支払請求、不動産の賃貸借契約における敷金の返還請求などはすべて少額訴訟の対象となる。

2.訴状の作成
少額訴訟では、本人でも提起することができるように、訴状の作成方法が簡略化されている。
全国各地の簡易裁判所には、よく提起されるいくつかのタイプの少額訴訟に対応した「定型的な訴状」の書式が用意されているので、少額訴訟を提起しようとする本人は、その訴状の項目にチェックを付けたり、数字を記入したり、紛争の概要を簡単に記述するだけで、訴状を作成することができる。

3.訴状の添付書類(証拠)
少額訴訟を提起する際には、訴状と一緒に証拠を簡易裁判所にあらかじめ提出しておくのが原則である。この証拠を「添付書類」と呼んでいる。
例えば、敷金返還請求事件の「定型的な訴状」では、賃貸借契約書、修繕・クリーニング費用の見積書等が添付書類(証拠)とされている。

4.訴状を提出する簡易裁判所(裁判管轄)
相手方の住所地の簡易裁判所に訴状を提出するのが原則である。
ただし、例えば敷金返還請求の事件で賃貸借契約書に「裁判管轄は東京地方裁判所又は八王子簡易裁判所とすることに合意する」というような「合意管轄」が定められている場合は、その合意した簡易裁判所に訴状を提出することになる。
なお、少額訴訟では簡単・迅速な裁判制度という趣旨にもとづき、原告の申立て(または裁判官の職権)により、合意管轄以外の簡易裁判所で裁判をすることが可能とされる場合がある(これを「移送」という)。

5.裁判に向けての準備
簡易裁判所に訴状を提出すると、裁判所と本人(原告)との間で簡単な事情聴取が電話で行なわれ、裁判手続の説明等が行なわれる。その後に呼出状という書面が原告に送付されて、審理の日が決まる。審理の日は、訴状提出から原則的に30日以内とされている。
訴状は裁判の相手方(被告)に送達され、被告は訴状を検討し、答弁書を作成して簡易裁判所に提出する必要がある(答弁書の書式は簡易裁判所に用意されている)。
なお、被告が少額訴訟ではなく通常の民事訴訟を希望する場合には、被告は通常手続に移行する旨の申出を簡易裁判所にすることができる

6.審理
呼出状に記載された日時に、簡易裁判所に原告・被告双方が出頭し、法廷で審理が行なわれる。この審理は通常1時間程度で終了する。
裁判官は、あらかじめ提出されている訴状・答弁書をもとに、紛争の争点を整理し、原告・被告に対して主張内容の不明な点・不十分な点を質問する(これを「当事者尋問」という)。
その後に、原告・被告の申し出(または裁判官の判断)により和解が勧められる場合があり、原告被告双方が和解の条件に同意すれば、その場で「和解調書」が作成され、和解が成立する。
和解がない場合には、ここまでで当事者双方の主張は打ち切られ(これを「弁論終結」という)、その日のうちに裁判官から「判決の言い渡し」が行なわれる。

浄化槽(し尿浄化槽)

便所からのし尿と、台所等からの雑排水を一緒に浄化する水槽のこと。沈殿、バッキ、消毒の処理を行なう機能を持っている。

下水道の完備した区域(処理区域という)ではないエリアでは、し尿浄化槽を必ず設置して、し尿を浄化してから、雨水管へ放流しなければならないとされている(建築基準法31条2項)。

小規模滅失

区分所有建物において、建物の価格の2分の1以下に相当する部分が、地震・火災等により滅失することを「小規模滅失」という。 詳しくは「復旧」へ。

償却

企業会計において、収益に貢献した資産の取得額を費用化することをいい、正式には「減価償却」と称する。

固定資産の取得原価を収益の獲得のために利用した期間にわたって費用配分するのが原則である。

実際には、取得原価のうち残存価額を除いた価額について、固定資産の平均的な利用期間を耐用期間として、次の4つのいずれかの方法で償却される。

1.定額法:固定資産の耐用期間中、毎期均等額を費用計上する方法
2.定率法:固定資産の耐用期間中、毎期期首未償却残高に一定率を乗じた額を費用計上する方法
3.級数法:固定資産の耐用期間中、毎期一定の額を算術級数的に逓減した額を費用計上する方法
4.生産高比例法:固定資産の耐用期間中、毎期当該資産による生産または用役の提供の度合に比例した額を費用計上する方法

なお、土地は減価償却の対象資産ではない。また、企業会計とは別に、法人税の課税においては税務会計上の減価償却方法が定められている。さらには、償却資産に対しては、原則として固定資産税が課せられる。

商業地域

都市計画法(9条)で「主として商業その他の業務の利便を増進するため定める地域」と定義されている。
この用途地域では、建ぺい率の限度は原則として80%である。
また容積率の限度は200%から1300%の範囲内(12種類)で都市計画で指定される。
この用途地域では次のような用途規制が行なわれている。

(建築できるもの)
1.住宅、共同住宅、寄宿舎、下宿、図書館
2.幼稚園、小学校、中学校、高校、大学、専修学校、病院、公衆浴場、老人ホーム
3.店舗(面積の制限なし)
4.事務所(面積の制限なし)
5.危険や環境悪化の恐れが少ない作業場面積が150平方メートル以下の工場 6.ホテル・旅館(面積の制限なし)
7.ボーリング場・スケート場・ゴルフ練習場・カラオケボックス・パチンコ屋・麻雀屋等(面積の制限なし)、映画館・劇場(客席面積の制限なし)、料理店、キャバレー、個室付浴場
8.自動車教習所(面積の制限なし)
9.倉庫業の倉庫

(建築できないもの)
1.上記に挙げたもの以外の工場

証券化(債権の)

債権から得られるであろうキャッシュフローを裏付けにして有価証券を発行する方法をいう。

証券化の対象とされる債権には、住宅ローン債権のような貸付債権、公社債のような債券があるが、それらの債権を保有する者は、それをSPE(特別目的事業体、SPCや投資法人など)に譲渡し、SPEは債権から生み出されるであろうキャッシュフローを受け取る権利を証券の形にして投資家に販売する。これによって証券化が実現するのである。

この場合、多数の債権をまとめたり、異なる性格の債権を組み合わせたりして、リスクとリターンを調整するのが通例である。また、証券化に当たって必要な、倒産隔離や導管体機能を確保するのは当然のことである。

債権を証券化した金融商品は、裏付けとなるキャッシュフローが確定していること、償還に期限があることなどが特徴であるとされる。

証券化(不動産の証券化)

不動産を流動化する手法の一つで、不動産をSPC等に譲渡し、または信託して、その不動産から得られるであろう収益を裏付けに、有価証券を発行する方法をいう。

証券化によって、不動産の価値が金融商品として取引されることになる。不動産のもとの所有者は、比較的少ないリスク負担で資金を調達できる一方、投資家にとっては不動産投資の機会が拡大する。

一口に証券化といっても、対象とする不動産の種類、証券を発行する主体の性格、発行する証券の性質などに応じて、用いられる手法は多様であり、金融商品としてのリスクとリターンの関係もさまざまである。また、証券を裏付けるのは不動産からの収益であるため、不動産の管理運営に関する情報公開や監視の仕組みが重要である。さらには、不動産の収益力を高めるための専門的な技術や技能を評価できる体制も整えていかなければならない。

証券保管振替機構

上場株券等の保管・受渡しを合理化するために、平成3年に設立されたわが国唯一の機関。

平成16年現在で上場株券の約6割を保管している。

昭和59年11月に「株券等の保管及び振替に関する法律」が施行され、この法律にもとづき、平成3年10月より「保管振替制度」が実施されている。

証券保管振替機構は、この保管振替制度にもとづくわが国唯一の保管振替機関であり、わが国の公開会社の発行済株式のうち60%以上の株券を保管している。
また平成16年現在、証券保管振替機構の取扱会社数は4,000社近くにのぼり、すべての公開会社の発行する株券等が取扱い対象となっている。

証券保管振替機構の保管対象とする証券は、「上場株」「店頭株」「転換社債」「転換社債型新株予約権付社債」「株価指数連動型投資信託受益証券(ETF)」「投資証券」などである。

なお、証券保管振替機構の組織形態は当初は財団法人であったが、平成14年4月より株式会社に移行した。現在の正式名称は「株式会社証券保管振替機構」である。

使用細則

分譲マンションのような区分所有建物において、管理規約にもとづいて設定される共同生活上の詳細なルールのことを「使用細則」という。

この使用細則は、区分所有者の集会において管理規約とは別途に作成される規則であり、共同生活において遵守すべきルールを詳細に定めるものである。

その内容は分譲マンションごとにさまざまであるが、一般的にはおおむね次のような事項が「使用細則」に規定されている。

1.禁止される事項(物の放置・共用部分に係る工事など)
2.管理組合に届出を必要とする事項(入居者の変更・専有部分の賃貸など)
3.駐車場・駐輪場・専用庭の使用に関する事項
4.ゴミ処理
5.違反者に対する措置

なお、上記の事項の全部を一つの使用細則で定める必要はなく、目的ごとに複数の使用細則を作ることも可能である(例えば全般的なルールについては「使用細則」、駐車場については「駐車場使用細則」を設けるなど)。

また、使用細則で規定されている事項は、多くの場合、共同生活のルールに関する事柄であるので、原則的には、集会の普通決議によって変更することが可能である(すなわち集会の特別決議を経る必要がない)。

ただし使用細則の変更が、管理規約の内容の変更に該当する場合や、建物・敷地の管理・使用に関する基本的事項の変更に該当する場合には、管理規約そのものの変更の手続きを踏む必要がある。
従ってこうした場合には、集会の特別決議(区分所有者の4分の3以上かつ議決権の4分の3以上)が必要となる。

このように使用細則中の変更しようとする部分の性質によって、変更手続きが大きく異なるので注意したい。

少子高齢化

人口の年齢構成について、若年層の比率が低下し、高齢者層の比率が増加する現象をいう。

出生率の低下と長寿化とが同時に進行することによって起きる。

日本の年少人口(0~14歳)と老年人口(65歳以上)の割合は、1975(昭和50)年にはそれぞれ24.3%・7.9%であったが、1990(平成2)年に18.2%・12.1%、2005(平成17)年には13.8%・20.2%となった。そして、2025(平成37)年には10.0%・30.5%になると予想されている(国立社会保障・人口問題研究所による将来人口推計の中位推計結果)。

少子高齢化の進行によって、社会保障、雇用、消費構造等の多面的な分野に大きな影響が生じると予想されている。不動産業についても、需要構造が変化するであろう。
その変化は、

1.居住に関しては、医療・福祉サービスの充実、近隣の付合いや子育て環境の重視、高齢者居住環境の重点整備など、2.土地利用に関しては、ストックの活用、ブラウンフィールド(衰退産業跡地)の再生、職住近接への回帰、逆線引きなど、3.不動産流通に関しては、資産管理・運用ニーズの拡大、住環境の重視、外国人労働者の居住対応など

のような方向が考えられる。

使用収益

私法上の概念で、物を直接に利活用して利益・利便を得ることをいう。

使用収益するためには、その物を直接に支配する権利(物権)が必要である。

上場株式等の譲渡損失の繰越控除

上場株式・店頭株式・上場不動産投資信託の取引に係る売却損を、損失が生じた翌年以降の3年間にわたって、上場株式等に係る譲渡所得の金額から控除できるという制度のこと。 平成15年1月1日に導入された新制度である。

具体例で説明しよう。
ある個人投資家が、平成16年1月1日から平成16年12月31日までの間に、さまざまな上場株式・店頭株式・上場不動産投資信託を売買した結果として、1年間で1,000万円の損が出たとする。さらに、同じように上場株式等の売買を続けた結果、平成17年に200万円の利益、平成18年に300万円の利益、平成19年に700万円の利益が出たとする。

この場合、各年の「上場株式等に係る譲渡所得の金額」は次のように算出される。

平成16年:売却損が1,000万円(譲渡所得はゼロ、損失1,000万円を翌年に繰越)
平成17年:売却益200万円と損失1,000万円を相殺(譲渡所得はゼロ、損失800万円を翌年に繰越)
平成18年:売却益300万円と損失800万円を相殺(譲渡所得はゼロ、損失500万円を翌年に繰越)
平成19年:売却益700万円と損失500万円を相殺(譲渡所得は200万円)

このように、平成16年に生じた売却損を平成17・18・19年の3年間にわたって持ち越すことができるため、平成17・18・19年の納税額が少なく(またはゼロに)なるというメリットがある。

このような「上場株式等の譲渡損失の繰越控除」の適用に関する留意点は次の通り。
第1に、上場株式・店頭株式・上場不動産投資信託の譲渡損失は給与所得と相殺することはできない。また、事業所得・不動産所得と相殺することもできない。
第2に、「上場株式等の譲渡損失の繰越控除」の適用を受けるには必ず確定申告をする。個人投資家が「特定口座(源泉徴収あり)」を選択している場合であっても、「上場株式等の譲渡損失の繰越控除」の適用を希望する場合には、自分で確定申告をしなければならないので注意したい。

消石灰

生石灰に水を反応させて作られる白色の粉状の物質。
主成分は水酸化カルシウム(Ca(OH)2)である。
運動競技場のライン引きとしても使用されている。
なお石灰は英語で「lime」(ライム)という。

使用貸借

動産や不動産を有償で貸し付ける契約が「賃貸借契約」であるが、無償で貸し付ける契約は「使用貸借契約」と呼ばれる。

使用貸借契約については、借地借家法が適用されず、民法第593条から第600条が適用される。また無償で貸し付けているため、使用貸借契約においては、貸主は原則としていつでも借主に対して契約を解除し、物の返還を要求することができる(ただし、存続期間を定めているときはその期間が満了するまでは物の返還を要求できない)(民法第597条)。

実際には使用貸借契約は、会社とその経営者の間で締結されたり、親子間で締結されることが多い。また契約書が存在せず、口約束で行なわれることも多い。
例えば会社の経営者が、個人名義の土地の上に会社名義の建物を建築するケースや、親名義の土地の上に子名義の建物を建築するケースなどである。

なお税法上の相続財産評価においては、使用貸借契約により土地を貸借する権利の経済的価値はゼロと評価されている。

上棟

棟上げと同意で、棟木を納めること、もしくはそのときに行なう儀式のこと。

新築への祝福と神の守護に感謝を示し、同時に無事建設されることを祈願する。建築工事の着工と完了の中間にあり、建物の形態がおおよそ整った時点を指す。

譲渡所得

資産を譲渡したことにより得た所得をいう。

譲渡収入と資産取得や譲渡に当たって要した費用の差が譲渡所得である(課税される譲渡所得額=譲渡価額-(取得費+譲渡費用)-特別控除)。

譲渡所得は、その他の所得と合算して課税されるのが原則であるが、土地や建物の譲渡所得については、株式等の譲渡所得と同様に、他の所得と分離して課税される。その課税に当たっては、土地や建物の保有期間に応じて、譲渡した年の1月1日において所有期間が5年を超えるもの(長期譲渡所得)と5年以下のもの(短期譲渡所得)とに分けられ、税率などが異なる。

譲渡損失

不動産を譲渡したことによって発生した損失をいう。

譲渡金額が、当該不動産の取得金額から建物の減価償却費および取引諸経費を減じた額よりも小さい場合に発生する。

居住用財産について譲渡損失が発生した場合には、一定の要件を満たせば、所得税の課税に当たって繰越控除が認められる。

譲渡担保

債務者(または物上保証人)の所有する物(動産でも不動産でもよい)を、債務者(または物上保証人)が債権者に譲渡し、債務を全額弁済すると同時に債務者(または物上保証人)が債権者からその物を買い戻すという制度である。

担保に入っている期間中は、債権者(すなわち物の所有者)が、その物を債務者に賃貸するという点に最大の特徴がある。この意味で譲渡担保とは、買戻または再売買の予約に、賃貸借を組み合わせた制度であるということができる。

譲渡担保においては債務が弁済されないときは、債権者(すなわち物の所有者)はその物を確定的に所有できることとなる。その場合、債務の金額を物の価額が超える場合には、債権者はその超過部分を債務者に返還する必要があり、この債権者の義務を清算義務という。清算義務は判例により確立したものである(昭和46年3月25日最高裁判決など)。

消費者契約

消費者(個人)と事業者との間で締結される契約で、労働契約を除いたものをいう。

消費者契約については、消費者の保護を図るために民法の特例が定められていて、事業者の損害賠償の責任を免除する一定の条項、消費者が支払う損害賠償の額を予定する一定の条項、消費者の利益を一方的に害する条項は無効となるほか、契約締結の勧誘の際に一定の行為によって誤認や困惑したときには、契約の申し込みや承諾の意思表示を取り消すことができる(消費者契約法)。

個人(事業としてまたは事業のために契約の当事者となる場合を除く)と締結する不動産の売買や賃貸借、あるいはそれらを仲介する契約も消費者契約であり消費者契約法が適用されるが、宅地建物取引業法の規定と競合する場合には、宅地建物取引業法の規定が優先して適用される。

消費者契約法

消費者(個人)と事業者との間で締結される契約(消費契約)について、消費者の保護を図るための特例を定めた法律で、平成13(2001)年3月に施行された。

この法律では、消費者が契約の締結について勧誘された際に、

1.重要事項説明について事実と異なることを告げられたこと、2.将来の変動が不確実な事項について断定的判断が提供されたこと、3.重要事項について不利益となる事実が告げられなかったこと、4.勧誘の場所から事業者が退去しないまたは自らの退去を妨げられたこと

により誤認や困惑したときには、契約の申込みや承諾の意思表示を取り消すことができることとしている。

また、消費契約について、事業者の損害賠償の責任を免除する一定の条項、消費者が支払う損害賠償の額を予定する一定の条項、消費者の利益を一方的に害する条項については、これを無効することを規定している。

なお、消費者は個人であるとされるが、事業としてまたは事業のために契約の当事者となる場合には消費者とはみなされず、その契約に対しては消費者契約法は適用されない。また、事業には非営利事業も含むとされている。

これらの規定は、すべて消費契約(労働契約を除く)について民法の特例を定めるもので、不動産の売買や賃貸借、あるいはそれらを仲介する契約に対しても適用される。ただし、宅地建物取引業法は消費者契約法の特別法であり、両者が競合する場合には、前者の規定が優先して適用される。

消費者庁

消費者の利益の擁護・増進などを任務とする行政機関で、平成21(2009)年9月に設置された。

消費者庁が担う主な仕事は、食品、家庭用品などの安全、品質等の表示、消費者からの苦情処理、個人情報保護などである。宅地建物取引業による重要事項説明の一部、住宅の品質確保の促進等に関する法律による日本住宅性能表示基準、不当景品類および不当表示防止法における表示などに関する事務は、消費者庁が(場合に応じて他の省庁と共同で)司ることとされている。

なお、消費者の利益の擁護および増進に関する重要事項等を調査審議・勧告するための行政委員会として、消費者委員会が設置されている。

消費税

国内の資産・商品・サービスの取引によって発生する付加価値に対して課税される税金。

法人や個人事業者が有償で行なう「資産の譲渡」「商品の販売」「資産の貸付け」「サービスの提供」は原則としてすべて消費税の課税される「課税取引」とされている。

また、土地の販売・住宅の家賃のように、税の性格や社会政策的配慮により消費税が課税されないこととされている取引は「非課税取引」と呼ばれる。

なお、課税取引に基づく売上高が一定規模に達しない法人や個人事業者については「免税業者」や「簡易課税制度」という措置が設けられている。

消滅時効

一定期間、権利を行使しないという事実状態が継続することにより、債権などの権利が消滅するという時効を消滅時効という。

消滅時効にかかる権利は債権、用益物権、担保物件であるが、権利の性質により消滅時効が完成するまでの期間はさまざまである。

普通の金銭債権は10年間行使しないことにより消滅時効によって消滅する(民法第167条第1項)。用益物権は、20年行使しないことにより消滅する(民法第167条第2項)。
また、その性質により短期で消滅させるべき債権は5年、3年、2年、1年の短期消滅時効により消滅する(民法第168~174条)。

証約手付

手付の一種で、売買契約などが成立したことを証するために交付される手付のこと。

売買契約などが締結されるまでにはいろいろな交渉段階があり、どの時点で契約が成立したのかが一見明確でないことが考えられるので、そのような場合において契約の成立を証明するために交付される手付のことを証約手付けという。

ただしわが国では、手付とは原則として解約手付とされている。

植栽

敷地内の花壇や空いているスペースに樹木や草花を植えること。

視覚的に生活を豊かにするだけではなく、災害時の避難場所、気候調節等、さまざまな効果・役割がある。

職務行為

法人の理事が、法人の目的の範囲内で行なう行為のこと。
法人は定款または寄附行為に定められた目的の範囲内で、権利を取得し、義務を負担することとされているので、法人の代表機関である理事はこの目的の範囲内で代表機関としての行為を行なうことができる。このような理事の行為のことを一般に「職務行為」と呼んでいる(法人の権利能力・行為能力を参照のこと)。

理事の職務行為が問題となるのは、法人が不法に他人に損害を与えた場合(=法人に不法行為責任が発生する場合)である。
民法第44条第1項では「理事などの代表機関が職務を行なうにつき他人に加えたる損害は法人が賠償する責任を負う」と規定して、法人が不法行為責任を負うことを明記している(詳しくは法人の不法行為責任へ)。

しかし、仮に上記の「職務を行なうにつき」という言葉を厳格に解釈するならば、そもそも理事が不法に他人に損害を与える行為自体が「職務」の範囲から除外されるという問題が生じる。
(不法に他人に損害を与える行為は、もはや法人の代表機関としての行為には該当しない、と考えることができる)
しかし、それでは法人の不法行為責任が発生するケースは存在しないことになってしまい、法人の不法行為責任を規定した民法第44条第1項が無意味なものとなる。
そこで判例では、「職務を行なうにつき」という言葉を次のように広く解釈している。

1.外形上「職務行為」と見える行為は、「職務を行なうにつき」に含める。
2.社会通念上「職務行為に関連する行為」は「職務を行なうにつき」に含める。

このように「職務を行なうにつき」という言葉を広く解釈することにより、法人の不法行為責任が成立する範囲を拡大し、法人の不法行為による被害者を救済しているのである。

なお、職務行為という言葉は、上記の1.と2.を合わせた意味で使用されることがある。本来職務行為とは、上述のように法人の代表機関の正当な行為のことを指すのであるが、法人の不法行為責任を論じる場合には、民法第44条第1項が適用されるすべての行為(上記1.と2.)を「職務行為」と呼ぶことが多いので、注意したい。

除斥期間

法律で定められた期間のうち、その期間内に権利を行使しないと権利が当然に消滅する場合の、その期間をいう。

時効と異なり、中断すること(ある事由により経過した期間が消えること)はなく、また、当事者の援用(この規定によって利益を受ける旨の意思表示)がなくても効果が生じる。

法律で期間が制限されている場合に、その制限された期間が除斥期間であるかどうかは、権利の性質や関係の実態に照らして個別に判断される(つまり、条文の書き方では判断できない)。例えば、占有を妨害されたときの妨害停止等の訴え(占有保持の訴え)の提起期間や、賃貸借契約において借主の契約に反した行為による損害賠償等を返還後に請求することのできる期間は、除斥期間であると考えられている。これらの場合には、それぞれの期間(いずれも1年とされている)を過ぎれば、提起や請求をする権利は消滅する。

除染

原子力発電所の事故によって拡散・付着した放射性物質を取り除いて、放射線量を低減することをいう。放射性物質汚染対処特措法に基づき実施されている。

除染は、放射線量の状況、土地・建物・樹木等の現状、除染後の放射線量等の除染目標などに応じて、計画的に実施しなければならない。しかも、放射線量は土壌や水の流動等によって変動する。また、除染作業によって発生する放射性廃棄物を処理する必要がある。除染後のモニタリングによって除染の対象とした環境の状態を把握することも重要である。

原子力発電所の事故によって被災した区域は、避難指示解除準備区域、居住制限区域、帰還困難区域に3区分されるが、除染の成果はその区分を大きく左右することとなる。

所得控除

所得税の計算において、所得から差し引くことができるさまざまな控除のこと。

所得控除には、社会保険料控除、生命保険料控除、損害保険料控除、配偶者控除、配偶者特別控除、扶養控除、基礎控除、医療費控除などがある。

給与所得者の場合には次の計算によって課税総所得金額が計算される。 「給与収入 - 給与所得控除 - 所得控除 = 課税総所得金額」

この課税総所得金額に所得税率を掛けることにより、所得税額が算出される。

処分禁止の仮処分

債権者が金銭債権を持っているとき、債務者の財産状況の悪化などの事情がある場合には、裁判所は債務者に対して、財産の売却等を当分の間行なわないよう命令することができる。
この裁判所の命令を「仮差押」と呼んでいる。

しかしながら、金銭債権以外の債権については、こうした仮差押を行なうことができないので、その代わりに「処分禁止の仮処分」が用意されている。

例えば、A氏が土地をB氏に売却したが、B氏が代金を支払ったにもかかわらず、A氏が土地の登記名義をB氏に移そうとしないというケースでは、B氏が登記名義を取得しない間に、A氏がその土地を第三者に売却してしまう可能性がある。
そこでB氏は、裁判所に対して、当該土地の第三者への売却を一時的に禁止するように申請することができる。

裁判所はB氏に相当な理由があると認めたならば、A氏に対して「処分禁止の仮処分」を命令することができる。
この「処分禁止の仮処分」が行なわれると、A氏は当該土地を第三者に売却することができなくなる(もし第三者に売却したとしても、B氏がA氏に対する裁判で勝訴した場合には、第三者はその土地の取得をB氏に主張することができなくなる)。

処分禁止の仮処分の登記

「処分禁止の仮処分」が行なわれた場合に、登記簿に記載される登記のこと。

書面申請(不動産登記における~)

不動産の登記を、書面で申請すること。
平成17年3月7日に施行された新しい不動産登記法(以下、新不動産登記法という)では、登記申請は原則としてオンライン申請によるものとされている。
ただし、現時点ではオンライン申請が可能な登記所(これをオンライン庁という)は限定されており、極めて数が少ない。 オンライン庁以外の登記所(これを未指定庁という)ではオンライン申請ができないので、従来どおり書面申請によって登記を申請することになる。

なお、オンライン庁では、オンライン申請ができるだけでなく、書面申請をすることもできる。つまりオンライン庁では、オンラインでも書面でもどちらでも申請できる制度になっている。

ところで、従来は、登記申請するには、原則として必ず登記所に出頭する必要があるとされていた(出頭主義)。しかし、新不動産登記法ではすべての登記所において、郵送で登記を申請することが認められている。このような郵送による書面申請のことを郵送申請という。

書面によらない贈与

贈与とは、当事者の一方がある財産権を相手方に無償で移転する意思を表示し、相手方がそれを受諾する意思を表示し、双方の意思が合致することによって成立する契約である(民法第549条)。 わが国の民法では、贈与を「書面による贈与」と「書面によらない贈与」に区分し、両者に異なった取扱いを設けている。

「書面による贈与」とは、贈与者による贈与の意思が現れた書面が存在する贈与である。書面による贈与は書面が存在する以上、もはや撤回することができない。「書面によらない贈与」は、原則的にいつでも撤回することができるが、履行が終わった部分については撤回できないとされている(民法第550条)。

このように、書面の存在によって取扱いが大きく異なる。しかも「書面」の範囲は広く解釈されており、できるだけ贈与の撤回を認めないという解釈が一般的である(詳しくは書面による贈与へ)。

また、書面によらない贈与であっても「履行が終わった部分」はもはや撤回できない。

では、「履行が終わる」とはどのような状態を指すのか。これは原則的には現実に引き渡したか、または登記名義を移転させた状態を指すが、判例ではゆるやかに解釈することがある(詳しくは贈与の履行へ)。

書面による贈与

贈与とは、当事者の一方がある財産権を相手方に無償で移転する意思を表示し、相手方がそれを受諾する意思を表示し、双方の意思が合致することによって成立する契約である(民法第549条)。
わが国の民法では、贈与を「書面による贈与」と「書面によらない贈与」に区分し、両者に異なった取扱いを設けている。

「書面による贈与」とは、贈与者による贈与の意思が現れた書面が存在する贈与である。書面による贈与は書面が存在する以上、もはや撤回することができない。「書面によらない贈与」は、原則的にいつでも撤回することができるが、履行が終わった部分については撤回できないとされている(民法第550条)。

では、「書面による贈与」とは具体的にはどのようなものだろうか。判例では贈与における「書面」については、およそ次のような解釈がなされている。
まず、書面とは贈与の成立と同時に作成される必要はなく、事前や事後に作成されたものでもよい。
次に、書面には贈与を証する書面であると明記されている必要はなく、贈与の意思が現れていればよい。

また、書面は受贈者に宛てた書面である必要はなく、第三者に宛てた書面でもよいし、また自分の日記などに贈与の意思を記載したものであってもよい。

このように判例によれば、書面とは、贈与者の贈与の意思が明確にされたている書面を指すのであり、その宛先や文言、作成目的、作成時期などは緩やかに解釈している。こうすることにより書面による贈与の成立を容易にし、贈与の撤回は事実上難しくなっている。

所有権

法令の制限内で自由にその所有物の使用、収益および処分をする権利をいう。

物を全面的に、排他的に支配する権利であって、時効により消滅することはない。その円満な行使が妨げられたときには、返還、妨害排除、妨害予防などの請求をすることができる。
近代市民社会の成立を支える経済的な基盤の一つは、「所有権の絶対性」であるといわれている。だが逆に、「所有権は義務を負う」とも考えられており、その絶対性は理念的なものに過ぎない。

土地所有権は、法令の制限内においてその上下に及ぶとされている。その一方で、隣接する土地との関係により権利が制限・拡張されることがあり、また、都市計画などの公共の必要による制限を受ける。さらには、私有財産は、正当な補償の下に公共のために用いることが認められており(土地収用はその例である)、これも所有権に対する制約の一つである。

所有権以外の財産権の取得時効

取得時効とは、物を一定期間占有したとき、その物の権利を取得することができるという時効の制度であるが、わが国の民法では、所有権の取得時効を定める(民法第162条)だけでなく、地上権・地役権などの所有権以外の財産権の取得時効も定めている(民法第163条)。

所有権の取得時効は、占有開始時点において善意かつ無過失であれば10年間の短期取得時効、占有開始時点において悪意または有過失であれば20年間の長期取得時効が適用される。

地上権・地役権などの所有権以外の財産権の取得時効についてもこれと同様の区分がされており、時効期間を起算する起算点において自分が正当な権利者であると信じており、そう信じるにつき無過失であれば、時効期間は10年とされるが、悪意または有過失であれば時効期間は20年となる(民法第163条)。

所有権の取得時効は「所有の意思をもって」「占有」を継続することが要件とされるが、地上権・地役権などの所有権以外の財産権の取得時効では「自己のためにする意思をもって」「権利の行使」を継続することが要件とされる。

「自己のためにする意思」とは、例えば地上権であれば、「土地を使用するという意思」を持っていることである(自分が正当な地上権者であると信じることは必要でない。すなわち悪意であってもよい)。

また「権利の行使」とは具体的には「権利を行使し、そのことを客観的に外部に表示すること」であると解釈されているが、例えば地上権の場合に、単に土地を占有していればよいのか、それとも建物を建築する必要があるのかについては意見が分かれている。 なお、賃借権については賃料の支払いが必要とされた判例がある(詳しくは賃借権の取得時効へ)。

所有権の保存の登記

初めてする所有権の登記のこと。登記記録上では、権利部の甲区に「所有権保存 所有者A」のように記載される。

所有権の保存の登記をすることができるのは、原則として、表題部所有者である(不動産登記法第74条)。

所要時間(徒歩所要時間)

歩いてかかる時間のことだが、不動産広告で徒歩所要時間を表示する場合には、不動産の広告を規制する「不動産の表示に関する公正競争規約(表示規約)」により、徒歩1分が80mに相当するものとして計算する(不動産の表示に関する公正競争規約規約第15条第11号)。

さらに詳しくいうと、徒歩所要時間は次のルールで算出する必要がある。

1.直線距離ではなく、道路に沿って測定した距離(道路距離)をもとにする。
2.道路距離80mを徒歩1分に換算する。
3.80m未満の端数が出たときは、切り上げて1分とする。例えば、道路距離が100mならば、徒歩所要時間は「2分」となる。
4.駅からすぐに物件があるときでも、「駅から徒歩0分」ではなく、「駅から徒歩1分」と表示しなければならない。
5.車両通行量が多い道路や鉄道などを越えるために、横断歩道・歩道橋・踏切りを経由しなければならないときは、それを経由するために余分に歩く距離を含める必要がある。
6.横断歩道や踏切り等を横断するとき、信号待ちの時間は考慮しなくてよい。
7.坂道があるために実際に歩く時間が長くなるときでも、やはり道路距離80mを徒歩1分に換算してよい。

資力確保措置(住宅瑕疵担保履行のための~)

新築住宅を引き渡す場合に、瑕疵担保の履行を確保するために必要とされる措置をいう。

特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律によって、平成21(2009)年10月1日以降の引渡しについて義務化された。

資金確保義務を負うのは、新築住宅の建築を請け負った建設業者または新築住宅の売主となる宅地建物取引業者である。
この場合、新築住宅の発注者や買主が宅地建物取引業者である場合には、資金確保措置は不要である。

確保措置の方法は、保険加入と供託とがある。保険による方法は、国土交通大臣が指定した住宅瑕疵担保責任保険法人が保険者となる保険に加入する。
この場合、保険法人は例外なく保険の申込みを受け付ける義務がある。また、供託による方法は、引き渡した住宅戸数に応じて決められた額の保証金を法務局に供託する。

シルバーハウジング

高齢者専用の公的賃貸住宅をいう。

構造・設備がバリアフリー化され、ライフサポートアドバイザー(生活援助員)による安否確認・生活相談・緊急時の対応・疾病時の一時的家事援助等の生活支援サービスが提供される。
入居対象者は、自立可能な60歳以上の高齢者・障害者の世帯・単身者で、公営住宅への入居資格が通常の場合よりも緩和される。

シルバーマンション

高齢者の居住の利便性を高めた集合住宅のこと。ケアマンションともいう。

空間の設計や設備が高齢者の居住に適する他、介護、給食など日常生活に対する支援サービスを伴うことが多い。分譲、賃貸の両方のタイプがある。

高齢者の居住に関しては、

1.バリアフリーやユニバーサルデザインを採用するなどの空間・設備デザインについての工夫、2.生活の手伝いや健康保持・医療サービスのような高齢者向け支援の提供、3.住宅費、生活費、医療費などを含めた経済的な負担の管理に対する支援

を総合的に考えなければならない。

白色申告

不動産の貸し付けを行なう個人は、その不動産所得について、税務署の承認を受けて「青色申告」を行なうことができ、青色申告にはさまざまなメリットが用意されている。
しかし、所得が少ない場合には、税法上のメリットを受ける余地も少ないので、青色申告を行なわず、普通の確定申告を行なうことが多い。これを青色申告と対比するために「白色申告」と呼んでいる(確定申告書が青くないという意味である)。

不動産の貸し付けを行なう個人が、その不動産所得について白色申告を行なう場合、不動産の貸付けが「事業的規模」に達しているならば、家族従業員について「専従者控除」を受けることができる。

白地

公図の上で地番が付されていない国有地のことを「白地」という。

白地の多くは道路であるが、中には土手や資材置場など、市町村が把握・管理していない国有地もある。このような管理されていない国有地である白地は、長年月のうちに隣接する民有地に取り込まれてしまった形となり、民間建物の敷地になっている場合も少なくない。
そのため、不動産取引にあたって白地の存在が問題になる場合がある。売買の対象となる土地に白地が含まれている場合には、白地は国有地であるから、売買取引の前に、市町村に対して国有地払い下げの手続きを申請する必要があることに留意しなければならない。

真壁

軸組(柱・梁など)をあらわにして、軸組の内側に下地を設け、土塗り等で仕上げたもの。

伝統的な日本家屋ではよく用いられていたが、現在ではほとんど見られない。

信義則(信義誠実の原則)

権利の行使および義務の履行は、信義に従い誠実に行なわなければならないとする原則をいう。

この原則は、契約の趣旨を解釈する基準にもなるとされ、当事者相互が、相手方が持つであろう正当な期待に沿うように行動することを要請しているのである。

どのような場合に信義誠実の原則を適用するかは、具体的な事情に応じて決定するほかない。例えば、不動産仲介業会社は、直接の委託関係はなくとも、業者の介入に信頼して取引を成すに至った第三者一般に対しても信義誠実を旨とし、権利者の真偽につき格別に注意する等の業務上の一般的注意義務があるとする判例もある。判断に当たって、置かれた立場や社会的な信頼などが考慮されるということである。

なお、民事訴訟法は、当事者の訴訟行為について信義誠実義務を課しているが、これは一般的な信義誠実の原則とは別のより厳密な義務であると考えてよい。

シングル葺き

薄い板を並べるという最も基本的な屋根の葺き方をいう。

このとき板の種類が金属板であれば「金属板葺き」、スレートであれば「スレート葺き」、アスファルトシングルであれば「アスファルトシングル葺き」と呼ばれるが、いずれも「シングル葺き」の一種である。

親権者

親が成年に達しない子を保護し監督することを「親権」という。

親は、子が未成年者である間は、民法の規定により「親権者」とされる(民法818条)。

親権者には次の2つの強い権限がある(民法824条)。

1.子の財産を管理する権限
2.子の法律行為を代理する権限

この親権は原則として父母が共同して行なうこととされている(民法818条3項)。
ただし父母のどちらか一方が、共同であると偽って親権を行使した場合には、そのことを知らなかった第三者については、その親権の行使は父母の共同であったものとみなされる(民法第825条)。

例えば、未成年者が賃貸借契約を締結するにあたって、母が父に事情を知らせないまま、母がこの契約締結について父母共同の同意を与えたとする。
この場合、本来ならば父母が実際に共同で同意を与えない限り、その契約は取消しが可能なものとなるはずである。
しかし上記の民法第825条によって、母の同意が父母共同の同意であるとみなされるので、その結果、事情を知らなかった契約の相手方(即ち善意の貸主)は保護されることとなる。

なお死別等により親権を行なう親がいないとき(または親が親権を喪失したとき等)については、親権者の遺言または家庭裁判所の選任により、未成年後見人が置かれる。

申告分離課税

上場株式・店頭株式・上場不動産投資信託の売却益(譲渡所得)に対して、個人投資家が給与所得などのほかの所得と分離して、独自に税額を計算し、確定申告を行なって納税すること。

上場株式等の売却益は、給与所得・事業所得・不動産所得とは別に、独自の「譲渡所得」として課税される仕組みになっており、これを「分離課税」という。

従って、給与所得が多くても少なくても、上場株式等の売却益に対する税率は一定(現行10%)となっている。
しかも、上場株式等の譲渡所得については必ず確定申告を行なう必要があるので、これを特に「申告分離課税」と呼んでいる。

この申告分離課税の制度では、上場株式等の売却益に対して原則的には20%(所得税15%、住民税5%)の税率で課税される。
ただし平成15(2003)年1月1日から平成25(2013)年12月31日までの時限的な優遇措置として、この税率は10%(所得税7%、住民税3%)へと半分に軽減されている。

なお、申告分離課税では、個人投資家が自ら確定申告を行なうという手続き負担を軽減するために「特定口座」の制度が設けられている。
証券会社が納税まで代行するものは「特定口座(源泉徴収あり)」といい、証券会社が売却益の計算だけを行なうものは「特定口座(源泉徴収なし)」と呼ばれている。

新住宅市街地開発事業

都市計画で定められた市街地開発事業の一つで、住宅に対する需要が著しく多い地域において良好な住宅市街地の開発を目的として実施される事業をいう。

宅地の造成、公共施設の整備、造成された宅地の処分などによって、住区(住宅市街地の単位で、1ha当たり80人から300人を基準として6,000人から1万人が居住することができる地区)を形成することにより、住宅地を供給する役割を担う。

事業手法は、事業区域の土地を全面的に買収し(最終的には収用できる)、造成した宅地を住宅の需要者に売却する方法であるが、売却する際に、原則として譲受人を公募すべきこと、譲受人に住宅の建築義務を課すこと、義務違反等の場合の買戻特約を付すことなどが必要とされていることが特徴である。
これは、最終的には収用することになる土地を別の私人に譲り渡すことになるため、宅地処分の公共性を確保する必要があるとされる。

大都市圏の近郊に大規模な住宅市街地を建設するために活用され、多摩ニュータウン、千葉ニュータウンなどはこの事業によって建設された。

なお、事業の仕組みは「新住宅市街地開発法」に規定されている。

新証券税制

平成15(2003)年1月1日以降の上場株式・店頭株式・上場不動産投資信託の譲渡益等に対して適用される所得税等の仕組みのこと。

「申告分離課税への一本化」、「特定口座」、「譲渡損失の繰越控除」を主な内容としている。

1.申告分離課税への一本化
平成14年末までは、株式譲渡益に対する所得税の課税方法は、売却代金の1.05%の納税ですべて完結するという「源泉分離課税」の制度が存在していた(詳しくは源泉分離課税へ)。

しかし、「源泉分離課税」の制度は平成14年末をもって廃止されたため、平成15年1月1日以降の上場株式・店頭株式・上場不動産投資信託の売却による利益については、個人投資家が自ら確定申告を行なって納税するという「申告分離課税」の制度のみが適用されている。

この申告分離課税の制度では、上場株式・店頭株式・上場不動産投資信託の売却益に対して、他の所得と分離して、20%(所得税15%、住民税5%)の税率で課税される。

ただし、平成15年1月1日から平成23(2011)年12月31日までの時限的な優遇措置として、この分離課税の税率は10% (所得税7%、住民税3%)へと軽減されている。

2.特定口座
上記のように申告分離課税が導入されたため、上場株式等への投資をする個人投資家は、必ず税務署に対して確定申告書を提出しなければならない。しかし、確定申告の手続きは非常に手間がかかり、個人投資家に大きな負担を強いるものであった。

そこで、個人投資家の取引口座を持っている証券会社が、取引口座の売買データをもとにして、個人投資家の代わりに税務署に対して確定申告を行なうなどの簡便な申告制度が導入された。これを「特定口座」と呼んでいる。

個人投資家が自己の取引口座を「特定口座」に指定すると、証券会社では毎月の株式等の売買履歴をもとにして毎月の売却益を計算し、証券会社が個人投資家の取引口座から、売却益に対応する税額(売却益の10%)を自動的に徴収(天引き)する。

ただし特定口座には、毎月の売買履歴から売却益を計算するだけにとどめて、証券会社による税額の天引きを行なわないという方式のものも存在する。

前者は「特定口座(源泉徴収あり)」、後者は「特定口座(源泉徴収なし)」として区別されている(詳しくは特定口座へ)。

3.上場株式等の譲渡損失の繰越控除
上場株式・店頭株式・上場不動産投資信託の取引に係る売却損を、損失が生じた翌年以降の3年間にわたって、株式等に係る譲渡所得の金額から控除できるという制度。
平成15年1月1日に導入された新制度である(詳しくは上場株式等の譲渡損失の繰越控除へ)。

浸水予測図

洪水や津波が起きた場合を想定して、浸水が予想される区域や想定される浸水深を示した地図をいい、公表されている。
浸水想定区域図、浸水予想図などともいわれる。浸水の危険性を周知し、事前の予防策を講じるための基礎的な情報として活用されている。

このうち浸水想定区域図は、水防法によって指定された洪水予報指定河川および水位周知河川(避難判断水位(特別警戒水位)への水位の到達情報を通知・周知する河川)について、河川整備の基本となる降雨により河川が氾濫した場合に浸水が想定される区域や想定される水深を示したもので、国土交通省または都道府県が公表している。
浸水の予測は、一定の条件を設定したうえでのシミュレーション結果に基づいている。例えば、浸水の原因としては、破堤、溢水、内水の滞留、津波などがあり、予測の前提とする降雨や津波の強度なども過去の災害実績や発生予測に基づく仮定のものである。従って、浸水予測図を活用する場合には予測条件を注意深く確認しなければならない。

申請情報(不動産登記における~)

不動産登記を申請するにあたって必要となる情報のこと。従来の不動産登記制度における「登記申請書」に相当する。

平成17年3月7日から施行されている新たな不動産登記法(以下、新不動産登記法という)では、さまざまな用語がオンライン申請に対応できるように改められた。

オンライン申請では登記申請書自体を提出することがなくなり、必要な情報をオンラインで送信することとなる。そこで、登記申請書という名称を廃止して、申請情報という名称にしたものである。

なお、新不動産登記法では、すべての登記所において書面申請・郵送申請を認めているが、このような紙を提出する申請の場合であっても、やはり申請書ではなく「申請情報」と呼んでいる。

真正売買(不動産流動化における)

不動産の流動化において、オリジネーターからSPCへ真正に不動産が譲渡されたことをいう。

不動産の譲渡には、譲渡担保など真の売買ではない場合(金融取引である)があり、そのような意図で売買された不動産に対しては、譲渡者の倒産等に際して売買が否認されることがある。つまり、オリジネーターの倒産から隔離されない。そこで、譲渡が真の売買であると判断することが必要になる。これが「真正売買」の問題といわれる。

真正売買であるかどうかは、当事者の意思(不動産の買戻特約や修繕費負担の有無、リスクの移転の程度)、取引価額の適正さ、所有権移転登記などを考慮して判断すべきとされる。日本公認会計士協会は、その具体的な判断の指針(5%ルール)を公表したが、実際にもおおむねこの基準に沿って判断されている。

人造大理石

天然の石に模してつくる模造の石を人造石というが、大理石を模したものが人造大理石である。

モルタルの下地に白色セメント、大理石粉、顔料などを塗りつけ加圧成型した後に研磨して仕上げる。
価格が安く、加工が楽であるため、カウンターの天板などに利用されることが多い。テラゾともいう。

新耐震基準

建築物の設計において適用される地震に耐えることのできる構造の基準で、昭和56(1981)年6月1日以降の建築確認において適用されている基準をいう。

これに対して、その前日まで適用されていた基準を「旧耐震基準」という。

新耐震基準は、震度6強~7程度の揺れでも倒壊しないような構造基準として設定されている。技術的には、地震力が加えられた場合の構造部材に生じる応力が許容応力以下であるだけでなく、一定以上の規模の建物については、靱性(粘り強さ)を確保することが求められる。また、建物強度のバランスも必要とされる。

なお、旧耐震基準は、震度5強程度の揺れでも建物が倒壊しないような構造基準として設定されていた。

信託

財産権の移転その他の処分をなし、他人をして一定の目的に従いその財産の管理または処分をなさしめることをいう。

契約または遺言により自由に設定できる。ただし、信託を営利事業として営む場合にはさまざまな規制がある。

信託を構成するのは、特定の財産(信託財産)、財産を引き渡して管理・処分をなさしめる者(委託者)、それを委ねられる者(受託者)、その目的(信託目的)、そしてその目的に応じて成果を得る者(受益者)である。これによって、信託財産の所有権・管理処分権は受託者に帰属する一方、財産から生じる経済的な利益は受益者に帰属する。

信託の機能としては、受託者による有効な財産管理の実現(財産管理機能)、財産からの受益権の分離(転換機能)、財産が受委託者の財産から隔離・保護されること(倒産隔離機能)が重要である。また、受益者は委託者と別に存在する(もちろん委託者自身を受益者として指定してもよい)ため、信託契約の定めによって、受益する権利(信託受益権)を流通させることもできる。

委託者が自らを受益者として不動産を信託し、その後に受益権を分割して流通させれば、不動産の流動化・証券化が実現する。SPCに対応するのが受託者、SPCの発行する証券に対応するのが信託受益権証書であると考えればわかりやすい。実際にも、信託を活用した不動産の流動化・証券化の例は多い。

なお、信託の仕組みを定めた法律(信託法、大正11(1922)年制定)が、平成18(2006)年に制定以来初めて本格的に改正され、その活用の幅は大きく広がった。

信託受益権

信託において、信託財産から得られる利益を受け取る権利をいう。その権利の内容は、信託契約等において個別に定められる。

信託受益権を分割して譲渡することが可能なように信託契約で定めれば、信託受益権は株式や社債など一般の証券と同様に流通させることができる。例えば、投資信託などの受益証書は、信託受益権が分割され流通している代表的な例である。
また、信託受益権の取引については、原則として、金融商品取引法による規制の対象となる。

なお、不動産の信託受益権のなかには、その性質が不動産そのものと類似したもの(分割の禁止や譲渡の制限、信託不動産の賃借人の特定、税負担などを伴う受益権)があり、取引に当たって宅地建物取引業法が適用される恐れがあることに注意が必要である。

新築住宅の建設住宅性能評価書

登録住宅性能評価機関が、実際に住宅を検査することにより作成した住宅性能評価書を「建設住宅性能評価書」という(住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)第6条、同施行規則第5条)。

この建設住宅性能評価書には、新築住宅に関するものと既存住宅に関するものという2種類があるが、そのうち新築住宅に関する建設住宅性能評価書はおよそ次の手順により作成される。

1.設計住宅性能評価書の作成
新築住宅の建設住宅性能評価書を作成するためには、その前の段階として「設計住宅性能評価書」を先に作成しておく必要がある。
具体的には、新築住宅の建設工事の請負人または注文者(もしくは新築住宅の売主または買主)が、登録住宅性能評価機関に対して、設計図等の必要書類を提出して、設計住宅性能評価書の作成を依頼する必要がある(詳しくは設計住宅性能評価書へ)。

2.建設住宅性能評価書の作成の申請
新築住宅の建設工事の請負人または注文者(もしくは新築住宅の売主または買主)が、登録住宅性能評価機関に対して建設住宅性能評価書の作成を申請する。
この申請は、下記の3.で述べる検査のうち最初の検査が実施されるべき時期よりも前に申請する必要がある(建設工事がある程度進行した後では必要な検査が実施できなくなる恐れがあるため)(品確法施行規則第5条)。
またこの申請に当たっては、請負人または注文者(もしくは売主または買主)は次の3種類の書類を提出する必要がある。
1)設計住宅性能評価書またはその写し
2)建築確認を受けたことを証明する確認済証
3)国土交通省告示(建設住宅性能評価のために必要な図書を定める件)により定められている多数の書類(具体的には配置図・仕様書・各階平面図など)

3.検査の実施
登録住宅性能評価機関は原則として4回以上、建設工事が一定の進行段階に到達するたびに、建設工事の現場に立ち入って必要な検査を実施する。
この現場立入りによる検査は、設計住宅性能評価書に記載された性能のとおりに住宅が施工されているかどうかを目視や計測により検査するものである。
(ただし、空気環境の一つである「室内の化学物質の濃度等」だけは、設計住宅性能評価書の項目ではなく、建設住宅性能評価書に特有の項目である。「室内の化学物質の濃度等」を検査するには上記2)の申請において依頼者が検査を希望することが必要である)。

4.建設住宅性能評価書の作成
上記3.の検査にもとづいて、登録住宅性能評価機関は新築住宅の性能を評価し、建設住宅性能評価書を作成する(このとき評価する項目の詳細は「日本住宅性能表示基準」へ)。

新中間省略登記

合法性が高いとされる手法によって行なわれる中間省略登記をいう。

従来の中間省略登記は、権利が移転する実態を反映していないという問題があり(「中間省略登記」を参照)、また、不動産登記法の改正で手続上それが困難となった。そこで、合法的に中間省略登記を行なう手法が工夫された。その手法によって行なわれるのが新中間省略登記である。

新中間登記には、次の2つの手法があるとされる(A→B→Cの譲渡を、A→Cと登記する場合を例示する)。

1.買主の地位の譲渡を利用する手法
売買契約(A→B)、および、買主の地位を譲渡する契約(B→C)による所有権移転

2.第三者のためにする契約を利用する手法(直接移転売買)
第三者のためにする売買契約(A→B、所有権は直接Cに移転する特約付き)、および、他人物売買契約(B→C、Aの所有物をCに移転)による所有権移転

新都市基盤整備事業

都市計画に定める市街地整備事業の一つで、大都市圏の周辺に新都市を建設することを目的に実施される事業をいう。

都市の基盤となる根幹公共施設用地、開発を誘導する地区用地などを整備し、1ha当たり100人から300人を基準として5万人以上が居住できる規模の新都市の基盤を形成する役割を担う。
その背景には、大都市圏へ著しく人口が集中することに対応する必要があったとされている。

事業手法の特徴は、まず対象区域の一定割合を買収した上で、土地区画整理事業と同様の換地を行なって、根幹公共施設用地や開発を誘導する地区用地を確保・整備することである。
この場合、地権者は、所有地の一定割合を売却した上で(最終的には収用されることとなる)、残りの土地に相応する整備され土地が与えられる。つまり、土地買収と土地区画整理の手法を組み合わせる方法が用いられる。

実際に施行された事業は、一つもない。

新都市基盤整備法

新都市基盤整備事業の施行に必要な事項などを定めた法律。1972(昭和47)年制定。

この法律の目的は、人口集中の著しい大都市の周辺に新都市を建設する基盤を整備して、大都市における人口集中と宅地需給の緩和に資するとともに大都市圏の秩序ある発展に寄与することとされている。そして、そのための事業手法として新都市基盤整備事業を創設した。

新都市基盤整備事業は、区域内の土地の一定割合を事業施行者が買収または収用した上で土地整理(開発のための中核となる地区や根幹公共施設用地への所有土地の集約、その他の土地の換地・区画形質の変更など)等を行なう事業で、1ha当たり100人から300人を基準として5万人以上が居住できる規模の区域において、都市計画事業として施行することとされている。 しかしながら、今のところ実際に計画・施行された事例はない。

心裡留保

本人の真意とは異なる内容を、本人が外部に表示することをいう。

例えば、ある品物を買う意思がまったくないのに、冗談で「その品物を買います」と店員に言う行為が、この心裡留保に該当する。心裡留保とは「真意を心のうちに留めて置く」という意味である。

このような心裡留保による意思表示は、有効な内心的効果意思を欠くものとして無効とするという考え方もありうるが、民法ではこのような真意と異なる意思表示をする本人は法の保護に値しないとの趣旨により、心裡留保にもとづく意思表示を原則的に有効と定めている(民法第93条本文)。

ただし、心裡留保にもとづく意思表示の相手方が、本人の真意に気付いていた場合(または通常の注意力を働かせれば真意に気付いて当然であった場合)には、相手方を保護する必要がないので、心裡留保にもとづく意思表示は無効となる(民法第93条但書)。

心裡留保における第三者保護

心裡留保による意思表示において、相手方が本人の真意を知っていたとき(または真意を知るべきであったとき)には、意思表示は無効となる(民法第93条但書)。この場合において、それにより不測の損害を被る第三者を保護する規定は民法には存在しない。

そこで民法学の通説では、このような場合に第三者を保護するために、虚偽表示に関する民法第94条第2項を類推適用することを主張している。
つまり、本人(A)が心裡留保により意思表示をし、相手方(B)が本人の真意を知っていた(または真意を知るべきであった)ときに、その相手方と取引をした第三者(C)は原則として保護されるべきであるということである。 従って、AとBは、AB間の法律行為が、民法第93条但書の適用により無効である旨をCに対して原則的に主張できないことになる。
ただしCが、AB間の法律行為が民法第93条但書により無効であることを知っていた場合には、そのようなCを保護する必要はないため、この場合にはAとBは、AB間の法律行為が無効である旨をCに対して主張できることとなる。

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